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異世界トラブル  作者: 海路希望
5章~王都編~
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第117話(国王様への謁見)

今回は、騎士団本部の見学後の話になります。

前回登場した謎の女や魔物達は、今回出てきません。


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!



騎士団本部の見学を終えたイルマ達。

その後イルマ達は騎士団本部を後にし、王城に向かっていた。


何故ならイルマ達は、国王様と騎士団本部の見学した後に、国王様に騎士になることを辞退するかどうかの返事をしに来るように約束してたからだ。


その為イルマ達は、その返事を国王様に伝えるため王城に向かっては王城の門番の許可を貰い城の中に入っていった。

(騎士団本部の見学を終えたイルマ達の騎士になるかの返事を聞く為、大臣が前以て手を回していたこともあり門番は子供であるにも関わらず王城に入ろうとしたイルマ達を止めず、チラッと視線をイルマ達に向けては大臣から聞いていた特徴と同じであることを確認した後、イルマ達を城の中へ通したのである)


そして王城の中に入ったイルマ達は、国王様との謁見が出来るようになるまで案内された控え室で緊張しながら待つのであった。


「(……さ、流石に、王城の中に入って、国王様と謁見するなんて……緊張するぜ………)」カタカタッ


「(………国王様と、謁見するまでの時間、長く感じるわ………)」ザワザワッ


「(………緊張………する)」ガタガタッ


「(何も問題が起きなければ良いのだけど………)」グッ!


『……皆さん、緊張を隠せないみたいですね。……何か、何もしない私までも緊張してきました!』


国王様との謁見を待つイルマ達は、その待ち時間の間、酷く緊張してはその様子を隠せずにいた。

その後イルマ達は、そんな緊張状態のまま国王様との謁見が許されるのを控え室の椅子に座って待っていた。


そして、


──コンコン、ガチャ………


「「「「!」」」」


──遂に来た!


国王様との謁見を待っていたイルマ達がいる控え室の扉がノックされた。


──ギィーー


「………国王様との謁見が許可された。私に着いて来て下さい……」


「「「「!──はい!!」」」」


ガチャ、タタタタ………


そのノックの後、控え室の扉が開いては文官らしき人が国王様との謁見が許されたと、イルマ達へ伝えては自分に着いて来るようにとイルマ達に告げ、イルマ達はその文官らしき人に返事を返した後直ぐに椅子から立上がり着いて行くのである。


そして、案内に着いて行くと国王様がいる玉座の間の前まで来た。


イルマ達を国王様がいる玉座の間まで案内した文官らしき人は、イルマ達に失礼が無いようにと告げては中に入るようにとイルマ達に指示し、頭を下げては離れていった。


そのことで、イルマ達はいよいよ玉座にいる国王様との謁見だと再度酷く緊張に襲われながらも、国王様と謁見をする為に玉座の間に失礼がないように恐る恐る入室していった。


そして、恐る恐る玉座の間に入室したイルマ達は、自分達がもしかしたら処罰されてしまうのでは?と、内心ヒヤヒヤした気持ちを抱えながらも発言する許可を貰ってから国王様に騎士団本部を見学したが、自分達は騎士になることを辞退する気持ちに変わりが無いことを伝えた。


そのことを伝えた瞬間、


「「「「!!!」」」」カチッ!

───ギンッ!!


イルマ達は玉座に座っていた国王様ではなく、その場にいた近衛兵達から剣を構えられた上に殺気が勢いよく向けられた。


しかし、


「近衛兵達よ、殺気を収めよ」


そんな近衛兵達の殺気は、手を上げた国王様によって静められる。


そして国王様は、イルマ達に一言「よい、余はその事で咎める気はない。それに、今回のことは残念だが、余はその方達と今後いい関係を築けていければと考えておる。態々手間を掛けたの。そして、他に何も用件が無ければ余も忙しいこともあっての、すまないが今回の謁見はこれで終了とさせてもらうがよいか?」と、イルマ達に対して処罰が無いことを明言してから謁見の終了を告げる。


その国王様の言葉に、イルマ達はホッとしては安堵の息を吐き、いつの間にか流れていた大量の汗に気付かないまま国王様の言葉に従って退室しては自分達が宿泊している宿に帰って行くのであった。














「…………はぁ~~、緊張したぁ~~!!」


「………ホントよね。近衛兵の殺気も怖かったわ………」


「………」コクリ


「………そうだね。汗が、いつの間にか凄いことになっていたしね」


国王様との謁見が終わり、宿に帰って行く途中のイルマ達は先程の出来事を思い出しては、緊張から解放されては安心した様子を見せていた。


『そうですよね。私も怖かったです。辞退する気持ちに変わらないが無いことを国王様に伝えた瞬間に一斉に殺気を向けて来るんですから、私漏らすかと思いましたよ』


『濡れてないかと思わず確認してしまいましたよ』とミルンは言うが、


「「「「(イルマ(僕)に取り憑いてたのに、どう漏らす(の)(んだ)???)」」」」


と、ミルンの言葉に素朴な疑問を浮かべていた。


「…………しっかしよ~、騎士を辞退する気持ちが変わらないって伝えても、案外国王様は素直にそれを認めてくれたよな?」


「………そうね。最初に辞退した時は素直に認めてくれず、特例で騎士団本部の見学を許可してくれた上に、その見学が終えた後にもう1度返事を聞くって言って認めてくれなかったのに………」


『何故なんでしょうか?それに咎められることもなかったですし』


緊張から解放されたことでメラ達は、国王様が自分達が騎士にならないことを素直に認めてくれた上に、何の咎めもない只の村出身の平民の子供に対しての異例の対応に、おかしさを覚えた。


「………う~ん(おそらく国王様は………)」


「………イルマ。国王様が素直に辞退認めてくれたのは何が理由だと思う?」


その異例な対応の疑問の答えを、シーラが「分かる?」とイルマに尋ねる。


「………多分になるけど、それでも聞きたい?」


「「「ああ(うん)(ええ)、聞きたい!」」」


『私も気になって、理由を聞きたいです!』


「え~っと、多分国王様は…………………」





─────────────────────────



「……………そうか。彼等は騎士団本部を見学しても騎士をなること辞退する気持ちは変わらなかったか………ガゼルから何故騎士になることを辞退する理由を聞くには、彼等が騎士になることを辞退するのも仕方ない。それに元々駄目もとではあったしな」


と、国王様は自分の傍で侍るガゼルが、イルマ達の話を盗み聴きしてはイルマ達が何故騎士にならないのかその理由を報告を受けてたこともあり、イルマ達の返事に残念がる様子は見せるも驚きは見せなかった。


「しかし、国王様。あ奴等をこのままにしておいても本当に宜しいんで?あの力と潜在能力を考えたら国王様のお考えは分かりますが、ワシにはとてもこのままで良いとは思えませんじゃ……」


そんなイルマ達を騎士にすることを諦めた国王様に、大臣はそれでいいとは思えず反対意見を述べる。


「けど大臣よ~、アイツらの目的を考えたらとても騎士になれとは言えねぇぞ?騎士になった処でアイツらの目的は叶えられねぇし、騎士にさせる為に目的を叶えてやることも難しいぜ?それに大臣、アイツらに対して無理矢理騎士になれと命令することは可能だが、それは良好な関係を築けという国王様の命令を無視することになるぞ?」


「黙っとれガゼル。お主にそんなことを言われんでも分かっとるわ!お主こそ、国王様に言われておったあ奴等の実力を測る命令を出来ておらんではないか!国王様の命令を無視しておるのはお主の方じゃろ!」


「それは今からするんだよ」


「今からじゃと?」


「ああ。あんな大勢の見学の案内なんかしてる時に、その片手間で国王様の命令を実行出来る訳ねぇだろ?」


「減らず口を………」


「まぁ心配しなくてもちゃんとするさ」


「………ふん、して当たり前じゃ!」


国王様に反対意見を述べる大臣に、ガゼルが口を挟んでは大臣の言うことは国王様の命令を無視することになるぞ?忠告し、大臣はそんなガゼルの忠告にお主に言われたくないわい、と噛みつく。


「ゴッホン!」


「「!」」


「大臣、ガゼルよ」


「「ハッ!」」


「とにかく彼等が目的を叶える為に騎士を辞退する気持ちが変わらないことに、彼等の目的を叶えることが難しい以上は彼等を無理矢理騎士になるよう命令することは禁じる。そんなことをすれば彼等との間に良好な関係を築くことは出来ない。しかし、大臣の懸念も分かる。だが、彼等はガネック伯爵との間に契約を結んでおる。何かあればガネック伯爵に命じれば多少は融通は利くであろうし、国を出る可能性については彼等の家族はこの国の民だ。心配しなくても彼等はこの国を出ては行かないだろう」


「そ、それは確かに……」


「そして、ガゼル」


「!……何だよ国王様?」


「緊急なことでないとは言えど、お主はお主で余の命令を早めに実行せよ。彼等の実力や潜在能力について、それと固有技能の詳細の情報は把握しないといけないことには変わりはない」


「……そのことについてはこの後元々、アイツらの下に向かって確かめる予定だったんだ。その命令はその時にしっかり実行するさ」


「頼むぞ」


「ああ……」


「……では残念ながら彼等に騎士にはなって貰えなかったが、そのことよりも今後は彼等との良好な関係を築くことに方針を切り替える。彼等についての情報は、言った通りガゼルが集め、その情報を大臣が管理していくでよいな?それと、決して彼等と敵対したり、嫌がることをして良好な関係を築くことに支障が出ることは避けるのだ。万が一彼等との関係を構築に失敗すれば、その損失はデカイぞ?」


「「………ハ!情報収集に良好な関係作り、国の為にも国王様の命令必ず達成します!!」」


─────────────────────────


「─────────────てな感じだと思うよ?」


「………そういうことかよ」


「それで国王様は残念がってはいたけれど、私達の意思を尊重して騎士をなることを辞退することを認めて、咎めもなかったのね………」


「……成る程。その可能性は高い……」


イルマの予想を聞いたメラ達は、そのイルマの予想が当たってる可能性が高いことと、予想の内容に納得を見せた。


『……要は、国王様はイルマさん達との良好な関係を望んでるってことですね?なら良かったですね!これから何か有れば、国王様というこの国で一番偉い人にお願いする選択が有るってことなんですから!』


「おおっ、そうか!俺達との良好な関係を国王様が望んでるなら、国王様は俺達のお願いを聞いてくれるのか!」


ただイルマの予想を聞いたミルンとダンの2人は、そのイルマの予想を自分に都合よく解釈しては馬鹿なことを言い始めた。


「……ちょっとアンタ達、………バカなの?」


「……馬鹿だ」


「『何で!?』」


「国王様が私達と良好な関係を望んでるとしても、そんな簡単に国王様にお願いなんて出来る訳ないでしょ!」


「メラの言う通り。飽くまで良好な関係を望んでるだけで、お願いをするなんて無理。不敬」


「そうだよミルン、ダン。この場合の良好な関係だけど、例えば取引に応じるとか、僕達が嫌がることは避けたりとかで、お願いを聞いてくれるって意味じゃないよ」


「『………そうなんだ………』」


「当たり前でしょ?国王様なのよ?国で一番偉いのよ?」


「馬鹿2人組」


「『グッ!』」


馬鹿な発言をしたダンとミルンの2人は、他の3人から馬鹿と告げられては今の正確な状態を説明される。

その説明を聞いたダンとミルンの2人は、自分達が馬鹿な発言をしたことに自覚しては馬鹿扱いを否定出来ずにいた。


そんなイルマ達が今の自分達の状況を分析して話していた時、


「ちょっといいか?」


「「「『えっ!』」」」


「貴方は………ガゼル総括!?どうしてガゼル総括がここに!?」


「ちょっとお前達に用事が有ってな?これから用事が無ければ俺に付き合え」


「えっ………付き合う?」


『付き合う………それは男女が交際する意味で使われる人間の言葉ですよね?………えぇええーー!?ガゼル総括から交際を申し込まれたんですかーー!?』


「(違うよ!ミルン!この場合の付き合えは、用事に着いて来いなどの意味だよ!)」


『そ、そうなんですね?……あぁービックリしました』


「(ビックリしたのはこっちだよ!)」


「問題あるか?なければこっちへ着いて来い」


「……イルマ、どうするよ?」


「………えっ~と、とりあえず着いていってみよう」


突然現れたガゼル総括に驚くイルマ達。

突然ガゼル総括が現れただけでも驚いたのに、そのガゼル総括から着いて来るように言われたイルマ達はどうしてか分からず困惑した。


だが、ガゼル総括からのその言葉にとりあえずイルマ達は従ってガゼル総括に着いて行くのであった。


次回、ガゼル総括の力が全てではありませんが見ることになります。

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