第112話(騎士団本部の見学①)
昨日の投稿が、中々書く内容が上手く思い描けずで間に合いませんでした!!
そして、騎士団本部の見学はちょっと分けて投稿する形になりました。
先ずは騎士団本部の見学①をどうぞ!
騎士団本部の中に見学をする為に入って行くイルマ達。
「お?」
「よお!」
「お前達も今来たんだな?」
『(あっ……イルマさん!この人達は大会のトーナメントに参加してた人達ですよね?)』
「(そうだね、ミルン。この人達も今騎士団本部に来たみたいだね)こんにちは。皆さんも今来たみたいですね?」
「どうも」「よっ!」「………」
「ああ。俺達も今さっき来たところだ」
「イルマ君達、こんにちは」
「………」ペコ
イルマ達が騎士団本部の建物の中に入ると、そこには大会のトーナメントに参加していた人達も丁度イルマ達と同じように来たところに出くわすのであった。
そして、イルマ達は声を掛けられたこともありトーナメントに参加していた人達に挨拶を行う。
「何だ君達、騎士団本部の見学に来たのか?騎士になるのを辞退するって言っていたから、騎士団本部の見学も後から辞退するんでは?と俺は思っていたのだが……」
そんなイルマ達に、同じく騎士団本部の見学に来ていたセイナが嫌味な言葉を投げ掛けてきた。
「(何よ、コイツ)………国王様から見学するように言われて分かりましたと返事をしたのだから、私達が見学に来るのは当たり前でしょ?」
「ふん、本当にそうかな?後になって、騎士なることを辞退したことが後悔して騎士団本部に見学に来たのでは?と俺は考えてしまったのだが?」
「はぁ?そんなこと考えてないわよ!」
「どうだか」
「……ハ?」
そのセイナの嫌味な発言にメラが噛みつく。
あ~セイナさんか。トーナメント戦の決勝戦で僕がセイナさんに勝利して大会に優勝したのに、それなのに騎士を辞退するって発言をした後からセイナさんの機嫌が悪いからなぁ。………まぁ、それも当然か。自分に勝利して優勝した奴が、折角の騎士になれるチャンスを辞退するって言っているのだから負けた側のセイナさんがそりゃ機嫌が悪くなるよね。でも、凄い嫌味だな。あんな嫌味を言われたら当然、勝ち気なメラが怒るのよね。で、嫌味を言ってきたセイナさんに怒るメラに対して、ダンやシーラはセイナさんの嫌味に噛みつくタイミングを逃したみたいだね。
嫌味を言ってきたのがセイナであることに気付いたイルマは、セイナが何故自分達に向かって嫌味を言って来たのか理由を悟り「ハハハ……」と苦笑いを浮かべ、ダンとシーラはメラが先にセイナに噛みついたことにより、そのことで自分が怒るタイミングを逃していた。
「だとしても俺には意味が分からん。騎士をなることを辞退した者達が、幾ら国王様に言われたからといってこの国の全て騎士達が憧れる騎士団本部に見学する気持ちなんてな……」
「だ・か・ら!それは国王様に見学するように言われたからであって、私達がお願いして見学に来た訳ではないのよ!」
「なら言うが、国王様との約束の為にだけ騎士団本部に来たのか?」
「そ、それは………(た、確かに国王様との約束以外に、自分達の為にも見学に来たのだけど………)」
セイナに痛い所を突かれては言葉が詰まるメラ。
そんなメラの姿を見たセイナは、「………ほら見ろ、やっぱり国王様と約束した以外に何か考えがあって騎士団本部に見学に来てるじゃないか」と機嫌が悪そうにメラやイルマ達に視線を向けては言葉を吐き捨てる。
「な、何よ!ア、アンタにそこまで言われる筋合いは無いわよ!」
「………何?」
セイナのその言葉にメラは、痛い所を突かれたのを誤魔化すように声を荒げ、そのメラの言葉に怒りをセイナが覚えた際、
「お、おい、セイナ!ココはその騎士団本部の建物の中だぞ!これ以上騒ぐのは不味いぞ!」
「そ、そうだぜ。止めろよ!」
「そうよ!止めてよ!」
「お、おい、メラ。腹が立つのは分かるけどよ、これ以上は止めとけ」
「………メラ、ストップ」
「そうだよメラ。落ち着いて」
そんなセイナとメラのやり取りを見ていた周りの見学に来た者達やイルマ達は、これ以上騎士団本部の建物の中で騒ぐのは不味いと思い止めに入る。止めに入られたセイナとメラの2人は互いにまだ言い足りなさそうにしていたが、ココでこれ以上騒ぐのは不味いと感じては言い争いを止める。
2人の言い争いが止まったことに、2人の言い争いを止めに入った者達は息をはぁ~、と吐いては、これ以上騒ぎが大きくなり騎士団本部から叩き出されて見学が出来なくなる事態を防げてホッとするのである。
そして、他の見学に来た者達はまた2人が言い争いを始めて巻き込まれるその前に見学に行こうと、大臣の部下から渡された招待状を手に持って騎士団本部の受付に移動する。
「ほら、メラ。俺達も行くぞ」
「…………早く」
「う~~っ!分かったわよ!」
「……まぁまぁ(やっぱりまだ怒ってる……)」
『(でも当然ですよ!確かにイルマさん達が騎士になることを辞退したことは気に食わないことなのかもしれませんけど、それでもあんな嫌味を言わなくても言いと思います!嫌な奴です、あの人は!)』フガー!
「(………こっちも怒ってる……)」
受付に行く他の者達を見てはイルマ達もまだ怒ってるメラを宥めながら移動し、その中でイルマは自分の中でセイナの嫌味な発言を聞いて怒ってるミルンも宥めないといけなかったのである。
そんな中、
「………筋合いが無いって?それこそ意味が分からなって言っているんだよ。俺達平民が騎士になるチャンスを棒に振るってことは、今まで必死に騎士になろうと努力してきた者や、そのチャンスを得ることが無かった者の心をどれだけ馬鹿にしていると思っているんだ……」ボソ
受付に行く他の者達の姿を見ながらセイナは、メラの発言に対して先程言おうとした言葉を呟くのであった。
「はい、確かに。騎士団本部の見学の招待状を確認しました」
見学に来た大会参加者やイルマ達は、騎士団本部の見学の招待状を騎士団本部の受付の方に見せては見学の手続きをしていた。
そして、見学の手続きを終えたイルマ達や他の見学者達は受付の案内で騎士団本部の中を移動していく。
騎士団本部の中を案内を受ける見学者のイルマ達は、興味深さそうに騎士団本部の中を見渡す。
騎士団本部の中を見渡すイルマ達見学者達の視線には、装飾品としての鎧や3階まで繋がる階段、騎士達が使う食堂に訓練場や武器庫等の部屋や施設に繋がる広い廊下や道が見えた。
その騎士団本部の光景に、見学者達は興奮の声を漏らしながらも受付の案内に従って後ろを歩いていく。
──ピタ。
「着きました」
「「「(着きました?ここは何の部屋だ?)」」」
──コンコン。
──誰だ?
「私です。ご指示に従って、本日騎士団本部の見学者達の皆様を此方まで案内しました」
──そうか……なら、お前はここまででいい。見学者達には中に入ってもらい、お前は受付の仕事に戻れ。
「はい、分かりました。では皆様、私の案内はここまでになります。後は此方で本日皆様の騎士団本部の見学を担当する御方がおりますのでどうぞお部屋の中にお入り下さい」
「「「(見学を担当する御方?誰なんだ?)」」」
案内してくれた受付の方はある部屋の前に止まり、本日騎士団本部を見学するイルマ達達を担当する御方がいると言って中に入るようにと告げる。
その受付の言葉に見学者達は誰がこの部屋の中に居るのだろう?、と思いながらも指示に従い部屋の中に失礼しますと言って入っていく。
すると見学者達が部屋の中に入ると、白髪の50代位と思われる男性が机の上に有る書類を筆と判子を手に椅子に座って処理していた。
「少し待ってくれ。後少しで今しないといけない仕事が終わる。
───カツカツ、ガン、ガン、ガン───────────
すまない、待たせたな。急なそれでいて急ぎな書類だったんだ。申し訳ない」
「「「い、いえ大丈夫です!!」」」
──早い、なんて早業で書類を処理してるんだ!?
その白髪の50代位と思われる男性は見学者達に待たしたと言うが、待たされた見学者達からしては男性が物凄い早業で書類を処理したのもあり全然待たされたと思わなかったのである。
「「「(何者なんだこの人は?)」」」
部屋にいた男性が「ふぅ~、やっと終わった」と言いながら肩をゴキゴキと音を鳴らしながら解しているのを見ては何者なんだろう?と見学者達は疑問を浮かべる。
その見学者達の視線に男性は「ああ、自己紹介はまだだったな」、と言って見学者達の疑問に気付く。
「ゴッホン!あー、自己紹介が遅れてすまない。───それで私だが、名は"ガゼル・ロウ"。この騎士団本部の騎士達の団長だ」
「「「えっ!?が、ガゼル団長!!?」」」
──《エエエェェェーー!!?》
男性の素性を知った見学者達は、まさかの人物に揃って驚愕の声を上げる。
「(ガゼル騎士団長!?)」
「(誰だ?ガゼル騎士団長って有名なのか?騎士団長だから偉いのは分かるけどよ………)」
『(そうですね。他の皆さんの反応から、凄い人であるのは分かりますが……)』
イルマ達もガゼル騎士団長の名を聞いては驚愕する。
しかし、ダンとミルンの2人は"ガゼル・ロウ"の名に聞き覚えがなく、何故皆がそこまで驚愕しているのか訳が分からなさそうにしており、小声でどういうことか仲間達に尋ねた。
「(………いい、ダン。騎士ってね、名誉騎士とか名誉の称号の騎士がいたり貴族のお抱えの騎士達がいたりするけど、国に仕えている騎士達はそれぞれ騎士達が所属する部隊が有るの。それでその騎士達が所属する部隊の長が団長である所までは知っ
てるわよね?)」
「(いや、今知った)」
「(馬鹿じゃないの?)」
「(………あ?)」ムカッ
「(…………それぐらい騎士団本部を見学するのだから知っとくべき)」はぁ~
「(シーラの言う通りよ。それぐらい知っときなさいよ)」はぁ~
『(………すみません、ダンさん。私もそれは知ってました)』
「(あ?騎士の種類や所属に団長についてミルンも知ってるのかよ?)」
『(はい。冒険者養成所にいた際に勉強して知りました)』
「(何だよ、知らないのは俺だけかよ……)」
「(………アンタが知らなかったことにビックリ何だけど私達は)」
騎士について何も知らないダンに呆れるメラとシーラ。
確かに妖精のミルンでさえ知っていることなのに、人間であり騎士にならないかと言われたダンが知らないことに、メラとシーラの2人が呆れても仕方ない話だ。
「(──"ガゼル・ロウ"
この騎士団本部の騎士団長であるガゼル騎士団長は、この国の全騎士団のトップ。……つまり、全騎士団長総括だよ)」
「!?………この国の騎士のトップで、全騎士団長の総括うぅーー!?」
『全騎士団長の総括ですか!?凄い偉い人じゃないですか!?』
「(あ、馬鹿!声がデカイ!)」
イルマからガゼルの正体を聞いて知ったダンとミルン。
イルマに取り憑いているミルンは兎も角、ダンは小声ではなく大きな声を上げてしまう。
「何だ?どうした?」
「い、いえ、何でもありません。(──ダンの馬鹿!本人を前にして本人の正体に大きな声で驚きの声を上げないでよ!!)」
「(す、すまん!)」
大きな声で驚きの声を上げたことで、ガゼル騎士団長総括がイルマ達の方へ視線を向けてはどうした?と問い掛け、イルマは慌てて何でもないと答える。ガゼル騎士団長総括は「そうか」と言っては視線を戻し、イルマは大きな声で驚きの声を上げたダンに小声で注意する。イルマに注意されたダンは声を落として小声でイルマに謝るのであった。
「(成る程。流石に見学者達の皆は騎士になる予定もあり、私の身分を(1部を除いては)知ってるようだな。しかし、こ奴らの力は中々な物だな……)」
イルマ達や他の見学者達は、まさか騎士団本部の見学の案内を担当してくれる人がこの国の騎士達の中で一番偉い騎士団長総括であることに驚きを隠せない様子で、ガゼル騎士団長総括が黙ったまま見学者達の様子を見ては自分のことを知っている(ダンは例外)ことや、その実力を感じ取っていた。
しかし、イルマ達や他の見学者達はガゼル騎士団長総括が黙ったままでいることに緊張しては、誰も口を開かない。(あのセイナでさえガゼル騎士団長総括の登場に驚き、黙ったまま見てくることに緊張で何も言えない様子だ)
そして、イルマ達や他の見学者達は緊張したままガゼル騎士団長総括が口を開くのを姿勢を正して待つのである。
「ああ、別に何も咎めはしないからそんなに固くならなくてもいいぞ?」
そんな見学者達の緊張を感じ取ったガゼル騎士団長総括は、見学者達に向かって咎めはしないから力を抜け、と声を掛ける。
「………す、すみません。ちょっと1つ聞いても宜しいでしょうか?」
「「「!」」」
「うん?何だ?別に構わんが何を聞きたい?」
「あ、ありがとうございますガゼル騎士団長総括。そ、それで聞きたいことなんですが、何故ガゼル騎士団長総括が我々の騎士団本部を見学する案内の担当なんでしょうか?」
「「「(よ、よく聞いた!確かに、何故ガゼル騎士団長総括が案内なんて下っ端の仕事の担当なんだ?)」」」
ガゼル騎士団長総括(名称が長いので、次からはガゼル総括に省略)から咎めはしないからと言われたこともあり、見学者の1人が何故ガゼル総括が我々の見学の案内を担当するのかと尋ねた。他の者達も何故だろうと気になっていたこともあり、ガゼル総括にそのことを尋ねた者によく聞いた!と内心で褒めてはガゼル総括の答えに耳を傾ける。
「………そのことか。そうだな、それはお前達見学者達が騎士になる予定な者達であることや、私がこの騎士団本部の団長であり騎士団長総括であること、騎士団本部の見学をまだ一般人のお前達に見学させることや一般人の騎士団本部の見学が初めてであることが理由だ」
「………それはまだ騎士でもない私達の見学は、ガゼル騎士団長総括が直々に対応しないといけない件で有るということですか?」
「それもある。ここは機密情報が大量に置いてある騎士団本部だ。それをまだ一般人であるお前達が、自由に見学することやその辺の者達に見学の案内を担当させるのは問題が有ると判断した。それと、新しい騎士の姿と実力を早く知る為にこの騎士団本部の責任者の私がお前達の見学の案内を担当することになったのだ」
──《成る程……》
そのガゼル総括の説明に、皆は何故見学の案内等下っ端の仕事をガゼル総括が担当するのか理解した。
そして、
「……大分時間をロスしたな。では、今から騎士団本部の中を案内するぞ。お前達、私の後に着いてこい」
「「「はい!」」」
イルマ達や他の者達は、ガゼル総括の指示に従いガゼル総括の後ろに着いていっては騎士団本部の見学をするのであった。
騎士団本部の詳しい内容は次回になります。
では、次回の話は日曜日に。
(今度は間に合いますように!!)