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異世界トラブル  作者: 海路希望
5章~王都編~
122/146

第109話(トーナメント決勝戦の様子&大会後の出来事)

お待たせしました!


今回は、トーナメント決勝戦の様子と、大会終了後の話になります。


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




トーメント決勝戦でセイナと戦い勝利した瞬間、イルマはこの武道大会を優勝したのである。


しかし、


「…………ハァッ、ハァッ!」ドサッ


決勝戦に勝利したが疲弊し、肩で息をしながら地面に座り込むイルマ。


「………クソッ!」ガンッ!


そんなイルマとは反対に、敗北したセイナは体力に余裕がある様子で、敗北した事実に腹を立てては足で地面を蹴り、その力で地面には皹が入る。


勝利したが疲弊しているイルマ。


敗北したが余裕の様子であるセイナ。


武道大会の決勝戦は、勝利した者と敗北した者の対戦後の状態が逆の状態であるという、まさかの事態が起きていたのである。



その理由とは、決勝戦の対戦の様子にあった。








───────────




「これよりこの武道大会、最後の戦いでもあるトーメント、決勝戦を開始する!!」


───《ワァァァァアアーー!!》


「両者とも準備はいいか?



──────────────それでは!対戦、開始!!」


対戦開始の合図共に、イルマとセイナは動き出した。






「ハァッ!」ヒュ!


「!」


先ずはセイナが、イルマに弓矢を放ち攻撃を仕掛ける。

そのセイナの弓矢の攻撃を、イルマは難なく右手に持った剣で弾いて対処する。


それでもセイナはイルマに弓矢を放ち続ける。



「(あの技能が発動させたら俺の敗けだ!なら、こうやって攻撃を与え続けて発動の隙を与えない!)」



弓矢を放ち続けてるセイナは、イルマに技能《(魔力妨害波動)》を発動の隙を与えないつもりだ。


「(そして、俺は()()を発動させて勝つ!………決勝戦だ。この後に戦いは無い、出し惜しみは無しで全力だ……!!)」


イルマに弓矢を放ち続けて牽制しているセイナは、その間に自身の切り札の発動準備を行う。



「(……この牽制は、《魔力妨害波動》の発動の隙を与えない他に何かの時間稼ぎだ。………決勝戦だし、きっと()()が来る……!)」


セイナの牽制である連続の弓矢攻撃を剣で弾いて防ぐイルマは、牽制の目的が自身の技能である《魔力妨害波動》の発動の隙を与えないことの他に、時間稼ぎであることを察する。

そして、時間稼ぎを行う理由が以前セイナのステータスを視た時に視た()()だと見当をつけた。


相手(セイナ)の目的を理解したイルマだが、相手(セイナ)の行動の妨害をすることなく自身もあることをしようとし、イルマとセイナは互いに互いの狙いの為にこの膠着状態を続けていた。


しかし、弓矢を放ち続けるのを防ぐ膠着状態といっても侮ることなかれ、セイナ程の弓使いの弓矢を防ぐのは並大抵では無い。弓矢を放ち続けるセイナの弓矢は、技能≪通視10≫で狙いを定め、≪追尾6≫や≪散弾5≫の技能で大量の弓矢が避けても追尾してきて、属性付加でその弓矢1つ1つにセイナが習得している魔法の属性が付加されており、脅威の威力になって必殺技と言っても過言では無い。


だが、イルマはそんなセイナの弓矢を全て剣で弾いて対処しているのだ。

2人の戦いは膠着状態ではあるが、その為対戦を観戦している者達からしたら凄い戦いだ。

だから、観戦している者達は2人の戦いの様子に沸き立ち、興奮した声を上げていた。












◆◇◆◇


──ヒュ、ヒュ、ヒュッ!

──ギン、ギン、ギンッ!


「(………そろそろ仕掛けて来るかな?)」



セイナの攻撃(弓矢)を防ぎ、セイナの様子を攻撃を防ぎながら横目で見たイルマだが、セイナが切り札を切ってくる空気を感じ身構える。


ちなみに以前イルマが視たセイナのステータスだが、



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


名前 セイナ

年齢 19歳

加護 通視の加護

職業 魔弓士

性別 男

レベル68


力強さ 600

体力 615

頑丈 725

敏捷 750

魔力 820



技能スキル

【通常】

≪体術7≫≪剣術7≫≪弓技10≫≪気配察知10≫ ≪気配遮断7≫≪空間認識8≫≪身体活性9≫≪腕力強化7≫≪循環術9≫≪魔力活性7≫≪通視10≫≪追尾6≫≪散弾5≫

【希少】

≪弓矢召還10≫≪二重操作6≫≪闘気5≫

【耐性】

≪打撃耐性5≫≪苦痛耐性8≫≪魔法耐性6≫

【魔法技能】

≪風5≫ ≪火5≫ ≪水5≫ ≪土5≫

魔力操作7、魔力放出6、無詠唱、属性付加

【職業技能】

魔弓士技能≪属性解放≫

【固有技能】

幻弓召還(ファントム・アロー)3≫

能力発動時…実態化した幻の弓矢が召還される。実態化する弓矢の数は、レベルに応じて増える。実態化した弓矢に属性や技能の効果を多少付加することが可能。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


と、イルマが視たセイナのステータスは上級冒険者として相応しいステータスを誇っており、固有技能を保持している関係か技能の数も通常の上級冒険者よりも多く保有していた。


そして、



「(固有技能幻弓召還(ファントム・アロー)か………

その能力は、発動時に実態化した幻の弓矢が召還されて、実態化する弓矢の数はレベルに応じて増える。そして、実態化した弓矢に属性や技能の効果を多少付加することが可能………只でさえ今のセイナさんの弓矢は、技能≪弓矢召還≫で"百弾のセイナ"という2つ名に恥じない無数の弓矢を放ってきているのに、それにこのが固有技能(幻弓召還)を使われたらとんでもないことになる)」



セイナの固有技能と、セイナが今見せてる力が合わさったらとんでもない力を発揮することに脅威を感じるイルマ。


「(確かに貴方の狙い通り、今みたいに《魔力妨害波動》の発動の隙を与えないように攻撃を続けられたら今の《魔力妨害波動》の練度では使えない。………でも、固有技能を保持しているのは貴方だけではない……!)」


セイナの力に脅威を感じるイルマだが、固有技能(切り札)を保持しているのは此方も一緒だ、とセイナに見えないように笑みを浮かべる。


そして、固有技能(切り札)を発動準備が出来たのか、セイナは続けていた弓矢攻撃のスピードを落としながらイルマに話し掛けてきた。



「………やっぱり油断ならないな。幾ら俺の攻撃を正面からだとしても、こう防がれたらな。だが、それもこれで終わりだ……!」


「!(来るか!)」


──これが俺の固有技能(切り札)幻弓召還(ファントム・アロー)だ!!


そのセイナの掛け声と共に、セイナから魔力で出来た幻の弓矢が実態化してはイルマに襲い掛かる!


しかし、



「《領域眼》!」


──ギン、ギン、ギン、ギン、ギン、ギンッ!!


そんなセイナの攻撃に対してイルマは、自身の奥の手でもある領域眼を発動しては自身に当たる幻の弓矢と普通の弓矢を的確に防ぎ、その上ある力を発動させる。


「……これなら、その大量の弓矢を貴方ごと全て吹っ飛ばせる!───闘気に魔法を融合させた技……≪闘・魔・融・合・ッ!!≫ ──それを技能《限界突破》……!!」


イルマは闘気と魔法を融合させた技、《闘魔融合》を発動させた上に技能《限界突破》で威力を増幅させる。

そして、その力をイルマが発動させた力に驚愕しながらもイルマに弓矢を放ち続けているセイナに向けて放つ!


「これで終わりだ!──あっ!」


──ガクッ!


しかし、限界突破した闘魔融合をセイナに向けて放ったイルマだが、今までの対戦で疲れがここで出てしまったイルマが体勢を崩したことにより、放たれた闘魔融合はセイナの弓矢を巻き込んだのはいいが、セイナから外れて観客席の周りに張ってあった結界にぶつかった。


「ヤバイ!?」


『(アアーーッ!?イルマさんのとんでもない力が結界に!?あ、あ……結界が、壊れる……!!)』


イルマは自分の攻撃が結界にぶつかるのを見てはその事で起きる事態を察し、イルマの中にいるミルンはそのことに遂に危惧していたことが起きると絶望の表情を浮かべた。


「───く、と、止まれ~~!!」


『と、止まって~~!!』


直ぐにイルマは自身の攻撃を止めようとし、ミルンもイルマの中から攻撃が結界を壊さないようにとイルマの攻撃が止まるように叫びながら祈る。




そして、



「ぐ、ぐぐぐっ!!!」


『と、止まった!?』



幸いのこと、イルマが必死で自身の攻撃を技能《限界突破》を解除したり、威力を抑えようと魔力や気の解放を止めたことで結界に皹が入ったが止まった。


しかし、


「────つ、疲れた………」


その反動でイルマは力を大きく使ったことで疲弊するのであった。


そして、疲弊したイルマは攻撃を喰らわなかったセイナに敗れるかというと、


『け、結界が壊れなくて良かったです。でも、セイナって人に攻撃が当たらなかったから疲弊したイルマさんはピンチでは?………あれ?そういえば、そのセイナって人は何処に?』


結界が壊れなくて安堵していたミルンだが、イルマが疲弊してピンチではと思い、イルマの対戦相手であるセイナの姿を探すがいない。


強力なイルマの攻撃が結界に当たり、それで皹が入って悲鳴を上げていた観客達も舞台の上にセイナがいないことに落ち着いてから気付く。


そして、セイナがいないことに皆がざわざわと騒ぎ出した時、肝心のセイナの姿を発見した。


それで発見したセイナだが、そのセイナは舞台の下に体勢を崩しては倒れていた。

そう、イルマの限界突破した闘魔融合に当たらなかったセイナだが、その闘魔融合の衝撃は避けられずに舞台の下に吹っ飛ばされていたのである。


こうしてトーナメント戦、決勝戦の戦いは勝利者と敗北者の状態が逆の形で対戦が終了したのであった。













◆◇◆◇


その後決勝戦を終えたイルマとセイナだが、敗けた形に不服なセイナと、疲弊して元気が無いイルマが舞台から降りて行く。


そして、トーナメント決勝戦が終わったことにより大会全ての戦いが終了し、トーナメント戦に参加した者達は国王様が大会の閉会の挨拶をする準備が出来るまでの間待機することになる。


待機していたトーナメント戦に参加していたイルマ達参加者達は、その後国王様の挨拶の準備が出来たこともあり呼び出された。


呼び出された参加者達は、離れた位置からだが国王様の目の前に集まり、その周りには観客達が国王様の挨拶を待っていた。


しかし、上位8名しか決まっていない段階での大会終了の挨拶ということはどういうことだと観客達や負けた参加者達が騒ぎ出す。

そんな騒ぎ出した所で大臣が国王様の前に出て来て、騒ぎ出してる者達に静かにするように言った後、騒ぎの原因でもある大会を終了する理由を語り始めた。


大会を終了する理由とは、


"上位10名まで騎士にするという約束"


それを"トーナメント戦参加した者全員を騎士にする"に変更するとのこと。


変更した理由だが、トーナメント戦に参加した者達の実力が此方の予想よりも高く、騎士にしないのは勿体ないことがその変更した理由とのことだ。


その異例の変更に観客達や負けた参加者達全員が喜び、また騒ぎ出す。



大臣は再び静かにするように声を上げ、騒ぎ出していた者達は国王様の挨拶が有ることもあり静かにするのである。



「──すいません。騎士にして頂く話ですが、僕達は辞退させて下さい」


「俺も辞退するぜ」「私もよ」「……同じく」


「「「「「!!?」」」」」



「なんじゃと!?」


「(イルマ君達!!まさか国王様の正面から騎士になることを辞退する発言を!?)」



トーナメント戦に参加した者達全員を騎士にする異例の自体の中、そんな中でイルマ達は逆に騎士になることを辞退すると、まさか国王様の目の前でするのであった。




次回の投稿は早くなるかもしれません。

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