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異世界トラブル  作者: 海路希望
2章~森の異変編~
12/146

第9話(備え)

新キャラが出ました。

他にも貨幣の価値等も出してます。

遅くに投稿となりましたが引き続き、

異世界トラブルをどうぞ!




夜が明ける前に村の外れで1人の少年が訓練に励んでいた。


「≪暗視≫発動! まだ暗いのによく見える……!」

──ブーン──


「≪腕力強化≫発動!ハァ、ハァ………!」

ーブン!ーブン!ー


「≪罠作成≫発動!……………」

──ガラガラ、ドン!!


「≪回復魔法≫発動!……っおぉーー!傷が少しずつだけど癒えていく!!」


「よ~し、今度は≪魔法耐性≫発動をっ!?」

(………そういえば≪魔法耐性≫って、どうやって確かめるんだ??魔法に対しての耐性が発動しているかどうか確かめるのに自分で自分の魔法を喰らって威力が減少しているのかって確かめる?………ってことは≪魔法耐性≫がしっかり発動しているか確認するには自分を苛めて確かめないといけない…………≪魔法耐性≫の確認は保留で…………)



1人訓練に励んでいた少年(イルマ)は、技能≪魔法耐性≫の効果を確かめるのに自分で自分の魔法を喰らい痛い思いをしないといけない事実に、≪魔法耐性≫の効果を確かめるのは次回の機会に先に伸ばすのであった。



(だって、自分で自分を痛めつけるのは怖いし嫌だし、後々確認しないといけないことではあるけど、それをする覚悟と時間が欲しいんだよ!)



イルマは誰に聞かれている訳でもないが、≪魔法耐性≫の効果を確かめることを保留したことを1人内心で言い訳していた。




そして、普通は少年であるイルマ1人がこんな村の外れでこんな時間にいたら村の大人に注意されるが、イルマは誰にも気づかれず訓練を行っていた。

それはイルマが、昨日自身の固有技能【ガチャ】で手に入れた技能の訓練を誰の邪魔もされずに行う為に、自身の技能≪隠蔽≫≪気配遮断≫を使用していたからだ。


ただ、このイルマの行いは誰も森の異変に気付いていないであろう対策のために必要なことかもしれないが、10歳の子供であるイルマが村外れで(昨日とは違い森の反対側)誰にも言わず1人でこんなことをしている事実がバレたら間違いなく母親の雷が落ちる。


……後にイルマのレベルを母親が知れば、勝手に魔物を退治していたことの事実がバレるであろうことから、イルマが魔物を退治する為に隠れて訓練していたこともバレることは早いか遅いかの違いかもしれないが……



「ふーう。とりあえずこんなもんかなぁ~」



一通り新しく手に入れた技能の試運転が終わったようで、疲れたイルマは息を吐いては額から流れる汗を腕で拭い休憩する。



「暗視は名前の通りの技能だったし、腕力強化は身体の腕力のみが強化されるから身体全体のバランスが崩れるからそこが注意点だけどコツは掴んだ。≪回復魔法≫は、まだレベルが低いせいからか少しずつしか傷が回復しない。まぁ、回復手段があるだけでもありがたいけどね。で、問題は技能≪罠作成≫」


そういってイルマは技能≪罠作成≫を発動させる。



ガラガラ、ドン!


技能≪罠作成≫を発動させたイルマの目の前に、技能≪罠作成≫で作成された罠である落とし穴が出来る。



「………これの問題点の1つは、技能を発動したら技能が周りの物を使って基本的に自動で罠作成をするから制御が難しいこと。それと、望み通りの罠が欲しい場合は頭の中にイメージがしっかりしないといけない点や材料がない場合は魔力から持っていかれるからその場合は燃費が激しい点。戦闘用技能じゃあないから戦闘中即座に使用出来ない点───これ魔力が少なくて脳筋の人がもし手に入れたら死に技能(スキル)だなぁ~」



──そう呟くイルマだが、そもそも脳筋の人が手に入れる技能じゃないというツッコミはなしで願いたい。



「でも、……この技能は森の探索には役に立たないかもしれないけど……万が一の時に役に立つかも」



イルマはそう言って万が一の時に技能≪罠作成≫の活用方法について考えていた。万が一がないに越したことがないが、杞憂ですめばそれはそれで別の使い道があると思いイルマは訓練を再開する。










そして、1人の訓練を終えたイルマは技能≪気配遮断≫と≪隠蔽≫を同時に使って自分の家に帰ってきた。


(こうしないと≪気配察知≫を持つ母に、1人で村外れに行ったことはバレるからね)


技能≪気配遮断≫と≪隠蔽≫のお陰でイルマは家族の(特に母親)にバレることなく家に帰ってきて、服や身体に付いた汚れや汗を自分の部屋で綺麗にしてから母親が用意していた食事を食べて少し休む。

そして、イルマが食事を食べて休憩している間にイルマの母イルミは買い物に出かけ、父ダルクと兄カイは畑に行き、兄ヘリーは村のお店の見習いの為お店に行ったみたいだ。


でそんな中、三男であるのイルマはまだ年齢が10歳なこともあり特に仕事もなく時間が余っていた。イルマはその余っている時間を基本的に自身や幼馴染み達のステータスを上昇させる為の時間として割いており、洗礼前もこうやって1人か幼馴染み達と訓練したり皆と遊んだりか母親の手伝いをしていた。

(今は冒険者になるため訓練にその時間を当てている)



「今日は昨日レベル上げたし身体を休ました方がいいかなぁ~?それかメラ達と合流後、今日はポルカ村で装備や道具をみてみたいけど……よし!決めた!今日はヤマお婆さんの所に行こう!」



【ヤマお婆さん】

ポルカ村でやんちゃして大人からよく怒られるイルマ達にも優しい(この場合、やんちゃするイルマ達が悪い)武器や防具等も置いてある道具屋の婆ちゃんだ。



「皆、もう集まっているかな?」



本日の予定を決めたイルマは、皆がもう集まっているのかな、と呟いては昨日幼馴染み達の皆と集まっていた場所に向かうのであった。









◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「「「イルマ〰️!!」」」


「皆〰️!おはよう〰️!」


「「「おはよう!」」」



イルマが来た時には幼馴染み達の皆は既に集まっていた。



「よう、イルマ!今日はどうするんだ?」


「今日もレベルアップする為に魔物を倒すの?」


「………早く他の子達に私達もレベル追いつきたい……」


「あ~、残念でした。今日はレベルアップはなしだよ。今日はヤマお婆さんの所に行くから」


「「「え~なんで(だよ)(………ムスッ)~!!」」」



予想していた幼馴染み達のブーイングにイルマは苦笑し、今日はレベルアップしない理由を教える。



「急激のレベルアップは身体に悪いし、連日魔物退治は避けた方がいいよ。ちゃんと休みを入れた方が効率もいいから」



そうレベルアップは身体を強化されるため特に10歳であるイルマ達に急激なレベルアップは身体に悪影響を及ぶ可能性がある。その為イルマは次のレベルアップを行うのは時間を空けた方がいいことや、適度に休みを入れることで結果的に短期間で目標を達成出来る効率的だと前世の世界の知識である効率化についても幼馴染み達に教えるのである。


幼馴染み達は最初はイルマの話を納得してなかったが、効率化について詳しく説明したらそのことを理解し、イルマの話に一理あると思い従う。



──前から思っていたけどメラ達10歳にしたら賢すぎないか?


しかし、イルマは家の父親を思いだし(何度も同じことで母親に怒られる父親を思い出す)この幼馴染み達が特別かな?っと思い返す

(全員が固有技能持ちの時点(1人は前世持ち)で普通じゃないことに気づけ!)





「なら早く、ヤマ婆さんの所へ行こうぜ?」


「そうね、もっとレベルアップするためにも武器を良いものにして効率的に魔物を倒したいしね」


「………昨日倒したスライムやゴブリン、それに前から集めてた分の魔石をヤマお婆さん所に売って、そのお金で買える装備や道具を売って貰う」


「そだね。それに村で僕らが魔物を倒す程の武器を手に入れるためにはヤマ婆ちゃん所位しかないしね」



普通の村人の子供に武器を売ってくれるヤマお婆さん。でもこの世界では魔物が出たりすることから子供でも比較的に簡単に武器を手に入れることは出来る。(普通は護身用ぐらいだが)

しかし、ヤマお婆さんは子供相手に護身用ではなくしっかりした武器を売ってくれるちょっと普通ではない。

そんなヤマお婆さんがいる村の外れ近くにある道具屋に、イルマ達は効率的に魔物を倒す為にも今より強い武具を求めて集めていた魔石を売りに行くのであった。









「ヤマ婆さんいるかー!!」

ーバンッ!!ー


ヤマお婆さんの道具屋に到着したイルマ達。

そのヤマお婆さんの道具屋の扉をダンが大きな声とともに、扉を勢いよく開ける。



「ダン!もっと静かに入りなさいよ!」



道具屋に入る際大きな音を立てたダンにメラが注意していると、ダンの大きな声で気付いたのか店の奥からヤマ婆ちゃんと呼ばれているローブを着たお婆さんが出てくる。



「いらっしゃい、元気だね~。今日はどうしたんだい?」


「「「「こんにちは!ヤマ(お)婆さん!」」」」


「はいはい、こんにちは」


「ヤマお婆さん、今日は武器や道具を見に来たんだ」


「ヤマお婆さん、この魔石を売りたいのですがどれくらいになりますか?」


「ヤマお婆さん、私たちこれを売ってでもっと強い武器や便利な道具を買いたいのよ!」


「ヤマ婆さん武器を売ってくれ!」


「はいはい、慌てずに先ずは持ってきた魔石をみしておくれ」



ヤマお婆さんは逸る子供達を諌めては魔石を預かり鑑定する。



「おやこれは。ゴブリン、これはスライム、そっちはスモールキャタピラーの魔石かい」


「ヤマ婆さんは見ただけで何の魔石かわかるのか?」


「そうさね~お婆さんは鑑定の技能を持ってるからね~」


「スゴいわ!鑑定の技能って手に入れるには物凄く大変じゃなかったっけ?」


「鑑定技能は長年情報や物を見極めたり、知識が豊富にないと手に入れれない技能。同じ鑑定は鑑定でもアイテム鑑定や人物鑑定とは違い完全に上位互換の技能。持っている人は稀な技能のはず………」




「おやおや物知りで感心感心。別に大したことじゃないよ、長生きしてたらそれだけ知識や経験を積んだだけの話さ」



イルマ達はヤマお婆さんの知らなかった凄さにビックリし、ヤマお婆さんはただ長生きしている結果なだけだと謙遜するのであった。


そしてヤマお婆さんの鑑定は終わり、ヤマお婆さんはイルマ達に魔石の売り上げを伝える。



「はい、鑑定は終了したよ。スライムの魔石は合計50個で80銅貨、ゴブリンの魔石は20個で450銅貨、スモールキャタピラーの魔石は7個で350銅貨の合計880銅貨。銀貨にしたら8銀貨と80銅貨になるけど皆はどっちがいいんだい?」


「おおっ!ヤマ婆さん、そんなにお金をくれるのか!?」


「銀貨の方が数がなくて重たくないけれど、銅貨だと細かい買い物をしやすけれど………」チラ


「………どうする?」チラ



魔石の売り上げに喜ぶダンはさておき、メラとシーラはイルマに銅貨か銀貨かどっちでお金を貰うかでイルマに視線を向けてどうするかと問いかける。



──コク


「(そうだな……このお金は殆ど今使うし)銀貨で!」



メラとシーラの視線での問いかけにイルマは魔石の売り上げの殆どは今使うから銀貨で貰う選択を選ぶ。



「はいはい」


イルマの答えにヤマお婆さんは返事をしながら、にしてもよく集めたねぇ~っと感心してお金銀貨8枚と銅貨80枚を袋に入れるヤマ婆ちゃん。そのヤマお婆さんを後目にイルマは魔石の売り上げで何を買うか考える。


ちなみに、硬貨の価値はこうなっている。



【銅貨100で銀貨1枚の価値】


【銀貨100枚で金貨1枚の価値】


【金貨100枚で白金貨1枚の価値】


【白金貨100枚で王硬貨1枚の価値】である。



パン一個銅貨10枚位で、今回得た銀貨は普通の成人した村人1人が1ヶ月に稼ぐ銀貨10枚近くの金額になる。


弱い魔物の魔石といえど、集まれば危険なので今回の売り上げがそこまでなったのは数が数なのでここまで高く売れたのが理由である。

イルマは相手がヤマお婆さんってこともあり、直接今回売れた金額でお店の中にある何が買えるのかを聞いてみることにした。



「ヤマお婆さん、これで武器や道具だったら何がどれくらい買えるの?」


「これでかい?そだね~どれも中古になるけど、イルちゃん達が魔物退治に使うのに必要になる物なら……鉄の剣なら2つと小さな皮の盾を1つ、子供用のローブを2つ、護身用の棒とナイフ1つでかまわないよ」


道具は婆ちゃんがオマケ薬草人数と毒消し1つぐらいつけてあげるさ、とヤマお婆さんはイルマ達にサービスをしてくれる。


───────────────────



【鉄の剣】(中古)×2

・鉄製の剣。銅製の剣よりも強度や、切れ味は上。


【皮の盾】(中古)

・魔物や動物の皮を貼り付けた盾。重さは軽いが、その分防御力は低い。


【子供用のローブ】(中古)×2

・普通の子供用のローブ。身を覆うので、寒さを凌げたり、虫等に刺されずらくなる。


【護身棒】(中古)

・護身用の棒。携帯性に優れた軽い棒。


【ナイフ】(中古)

・普通のナイフ。


【薬草】×4

・魔力を含んでおり、傷を癒す効果がある。


【毒消し草】

・毒消しの効果が含まれた草。軽い毒素なら消す効果がある。


────────────────────


イルマはヤマお婆さんが銀貨8枚と銅貨80枚で買える物の内容を聞いて考える。



──今ダンと僕が使ってる剣は銅の剣だけど、中古でも問題なさそう状態の鉄製の剣になるなら強化されるし、今の剣は予備で保管してたらいいからこれは購入した方がいいかな。小さな皮の盾は、盾自体の守備力に不安はあるけど盾がないよりあった方がいいに決まってる。

ダンと僕のどっちが盾を使うかだけど、前衛のダンの方が攻撃を受ける回数も多いからダンが使うのがいいと考えて、後ローブも森に入ることを考えたら必要な物だし、メラやシーラは魔法を使うけど最低限の近接武器は必要な物だから近接武器の棒やナイフはありがたい。


防具はあまり無いけど僕らみたいな身体だとあまり大きいな物は着けれないし、薄いものや小さい物だとダメージを受けたらどっちみち大ダメージだから仕方ないから割りきろう。道具はこれらを買ってこれだけ貰えてヤマお婆さんには感謝だな。


「イルマどうする?俺はヤマ婆さんが選んでくれた物でいいぞ。この鉄の剣なら今の銅の剣より強いしな」


考えをイルマに任しているダンは、その手に鉄の剣を持ち今自分が持っている銅の剣と比較していた。


「(もうダンは~自分であんまり考えないんだから~。でも、ダンの言う通りヤマお婆さんが選んでくれた物を買うつもりだけどね)」



イルマは自分の中での考えがまとまりメラとシーラにも視線を向ける。そのイルマの視線にメラとシーラの2人もイルマと同じ考えみたいでコクッと頷いては購入を同意してきた。皆の購入の同意を得たイルマはヤマお婆さんに先程の商品をくださいと伝える。


イルマ達が自分が選んだ商品の購入する返事を聞いたヤマお婆さんは、商品を纏めてイルマに渡す。その商品を渡す際ヤマお婆さんは気を付けるんだよっとイルマ達の安全を気遣ってくれた。


「ヤマお婆さんありがとう(ヤマお婆さんの為にも頑張るよ!)」


「ヤマ婆さん心配すんな!ヤマ婆さんが安心出来るようこの鉄の剣でもっと強くなるからな!」


「ヤマお婆さんありがとう」


「………ありがとう」



イルマ達は心配してくれるヤマお婆さんに各自お礼を言ってからお店を出るのであった。




ーー今回イルマ達が手に入れた物ーー


【イルマ】&【ダン】

【鉄の剣】(中古)×2

・鉄製の剣。銅製の剣よりも強度や、切れ味は上。


【ダン】

【皮の盾】(中古)

・魔物や動物の皮を貼り付けた盾。重さは軽いが、その分防御力は低い。


【メラ】&【シーラ】

【子供用のローブ】(中古)×2

・普通の子供用のローブ。身を覆うので寒さを凌げたり、虫等に刺されずらくなる。


【メラ】

【護身棒】(中古)

・護身用の棒。携帯性に優れた軽い棒。


【シーラ】

【ナイフ】(中古)

・普通のナイフ。


【全員】

【薬草】×4

・魔力を含んでおり、傷を癒す効果がある。


【パーティーの所有物】

【毒消し草】

・毒消しの効果が含まれた草。軽い毒素なら消す効果がある。



他の村の子供とかも出してみようかと思ってます

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