第95話(疑惑への対応)
お待たせしました。
今回は、イルマ達が疑惑を持たれる話になります。(普通は子供が活躍して町を救った話なんて直ぐ信じられませんからね)
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
王都の光景に目を奪われていたイルマ達。
そんなイルマ達だが、王都の入り口の門を警備している兵士にガネック伯爵達が王都に入る手続きを済んでは王都の中に入っていったので、イルマ達が乗っている馬車も共に王都の中に入って行く。
「「「────うわぁ(おおっ)ーー!!??」」」
「これが王都───────凄い」
『ハァ~~、凄く広くて人も大勢いる町ですね。これが人の王様がいる町、王都ですか~~』
王都の中に入ったイルマ達の目の前に広がる景色に感嘆の声を上げていた。
イルマ達が王都に入って先ず目に着いたのは外からも見えていた王都の中央にそびえ立つ王城とその王城を囲む城壁であり、その周りには御者の人が言っていた通りゴーレムと数人の兵士が徘徊して警備に当たっていた。
そして王都の方はというと、馬車等が対面で走っても人が歩くのに全然邪魔にならない位広い道が王都の至る所に通っている。その道の前には剣や防具を取り扱う武具屋、魔法の品を扱う魔法店、日常品や道具を揃えている道具屋、豪華な服が飾っている服屋、美味しそうな匂いを漂わせていて大人数が来店しても入れそうな食べ物屋、大きな二階建ての宿屋、女性が好きそうな装飾品が置いてある装飾店等様々なお店が幾つも建ち並んでいた。
そして、人もそんなお店に何を買おうか、何処のお店が良いものを置いているのかと利用する為や、仕事なのか荷物を持って急いで走っている人、王都の治安を守る為にパトロールする兵士等大勢の人が王都の中を歩いていたのである。
そんな王都の様子にイルマ達は感嘆の声を上げていて少し寄って行きたい気持ちを抱いたが、その願いは残念ながらガネック伯爵がスライムロードの件を報告する為に王城に呼ばれていることもあって王城に直行するので、着いてくるように言われていたイルマ達も王城に直行しないと行けず、イルマ達を乗せている馬車も王都の広い道を通っては町の中央にそびえ立つ王城に向かうのであった。
◆◇◆◇
「……面倒な話になった」
「………面倒な話………ですか?スライムロードの件を報告した際に何か問題でも起きたのですか?」
「うむ………。」
王城に到着したガネック伯爵達とイルマ達だったが、王城の中にはガネック伯爵と数人の人間のみしか入ることが出来ず、それ以外の人間や護衛の人間にイルマ達は王城の外に待機していないといけず、その為護衛の人間やイルマ達は王城の外にある控え室に待機していた。
そして待機していたイルマ達の元に、スライムロードの一件を報告を終えて戻ってきたたガネック伯爵だったが、ガネック伯爵はイルマ達と内密の話をする為に部屋に居た他の人間を退室させてからイルマ達に面倒な話になったと告げてきたのだ。
イルマ達もガネック伯爵の様子と発言から何かあったことは分かったが、それ以上のことは分からないのでガネック伯爵に詳しい話を聞く。
そして、
「───────つまり、大臣との話をまとめると、①スライムロードの件が本当なのか?②本当にその者達がスライムロードを倒したのか?③又スライムロードを倒した者達の力はどれくらいなのか?④その者達の力を見せろ⑤その為に今度王都の闘技場で開催される大会に参加しろ、の5つでよろしいですか?」
「うむ。その通りだ。①に関してはスライムロードの死体から採取した素材から疑惑は解消されたのだが、他のことについては大臣の中で本当の話なのかとまだ疑惑を持たれている状態だ。特に君達子供がスライムロードを倒したことに疑いが強いみたいだ。
────────それで、大臣からその疑惑を解消するにも今度王都にある闘技場で開かれる大会に君達を大会に参加させろとのことだ。そうすれば、君達の力を確認出来る上に大会も盛り上がる!っと言われては半ば強制的に君達の大会参加を了承させられたよ。すまないね」
「………いえ、ガネック伯爵が悪い訳じゃあないので問題はありません」
「そうか、ありがとう」
大臣がガネック伯爵のスライムロードの一件についての報告に疑惑を覚え、その結果イルマ達が半ば強制的に今度王都にある闘技場で開かれる大会に参加させられることになったと謝るガネック伯爵。
そんなガネック伯爵にガネック伯爵が悪い訳じゃあないので、と謝罪を受け入れたイルマはそのまま状況を整理する為に1人口を閉ざしては今後について集中して考え込む。
ガネック伯爵は「何かあれば言ってくれ。大臣側からしたら当然の対応かもしれないが、君達からしたら突然のことだから私の力及ぶことなら相談に乗る」と言って口を閉ざしては考え込むイルマの邪魔をしないように部屋から退室していく。
そしてメラ達は、退室するガネック伯爵に頭を下げてはイルマが考えが纏まるまで邪魔をしないようにその場で黙って待っていた。
◆◇◆◇
(………確かに大臣の疑惑もごもっともと思う。スライムロードを倒す者が子供と聞けば誰もが本当なのかと疑うのは無理もない。それに大会への参加も別に構わない。ただ問題は、王都にある闘技場で開かれる大会の内容とそれに参加する者達の実力だ。その大会の内容や参加する人間の実力次第では大臣の疑惑を晴らすことが出来ない可能性は………うん、十分にあり得る。国の首都である王都で開かれる大会だ。そんな王都で開く大会だから国中から腕に自信が有る人が集まるだろう。なら、そんな大会で僕らが活躍出来ない可能性は内容や参加する者達の実力次第で十分にあり得る。で、もし僕らが大会で活躍出来なかったその場合はどうなるんだろう?
─────その場合は間違いなくガネック伯爵が、王や大臣に虚偽の報告をしたと思われるのは間違いない。
それだけならまだ良い方か?最悪の場合、僕らもガネック伯爵の虚偽の片棒を担いだとして処罰される可能性もあるか?
………その辺の問題はガネック伯爵としっかり話をしては此方まで処罰されることが無いように頼むとして、今僕らが出来ることは大会で大臣の疑惑が解消されるレベルで活躍をすること。………………なら、先ずすることはガネック伯爵に大会の内容や大会に参加する者達について確認し、大会で活躍する方法を今から早速考えたり準備して大会に備えないと!!)
ガネック伯爵から詳しい話を聞いたイルマは、1人で状況の整理と対応について考え込んでいる際、大臣の疑惑は無理もないことや大会への参加も別に問題無いと考える。
問題は、もし自分達がその大会で活躍出来なかった場合ガネック伯爵が虚偽の報告をしたと思われて何か処罰を受けるだけじゃなくて、自分達も虚偽の報告の手伝いをしたとみなされて一緒に処罰されることだと考えては、処罰される事態を回避する為にガネック伯爵に大会について詳細を確認や万が一の場合について話をしようと考え込むのを止めて顔を上げる。
「………あれ?ガネック伯爵は?」
これからについて考えに没頭していたイルマだが、考えが纏まりガネック伯爵と話をしようと顔を上げた時には考え込む前には居たガネック伯爵の姿はなくてその場に居たのは、考えに没頭していたイルマとイルマの方を見ているメラ達だけだった。
「やっと1人で考え込んでいるのから戻ってきたわね?」
「ガネック伯爵なら部屋から出て行ったぞ?お前が考え込むからその邪魔をしないように気を利かせてくれてな」
「………イルマ、俺が言うのも何だけど、考え込むのも分かるけどガネック伯爵をほったらかしにするのは良くないぞ」
「………ガネック伯爵は怒ってなかったけど、相手が相手なら不敬罪物。気を付ける」
「ご、ごめん」
メラ達は、考えに没頭していたイルマに考え込んでガネック伯爵をほったらかしにしたのは不味いと注意する。
イルマも流石にガネック伯爵、雇い主をほったらかしにしてしまったことは不味かったと気付き直ぐにメラ達に謝罪する。
『で、イルマさんは何をそこまで考え込んでいたのですか?』
そこにミルンがイルマに何を考えていたのか聞いてきた。
メラ達もミルンと同じことを思っていたこともあってイルマにどうなのかと聞いてきた。
「え、ああ、そのことだけど………」
その質問にイルマはメラ達に先程まで考えていたことを話す。
「───────ってことが考えられるから、もし、大会で活躍出来なかった場合はかなり不味いことになるかもしれないってこと」
「…………うん。イルマの言うことは十分考えられるわね」
「不味いな。確かに、もし養成所の筆記試験みたいな知識が必要な場合だと活躍出来ない可能性が目茶苦茶あり得るぞ?」
「……それはダンだけ。その場合ならダン以外は大丈夫だから」
「そうね、その場合ダンだけ心配ね」
「何だと~~!そんなこと言うならお前らは、もし大会で体力が必要な内容の場合だったら不味いだろ!!」ビシッ
「その場合は魔法でカバー出来る」グッ
「アンタの場合と違って、こっちは何とでもなるのよ」フンッ
「な、何おぉ~~ッ!?」メラメラッ
メラとシーラに頭の賢さについて弄られたダンは怒りの炎を身体から滾らせる。
「はいはいはい。そこまでそこまで!」
そんなメラ達にイルマが間に入って仲裁をしようとする。
だが、そんなイルマの仲裁はミルンによって失敗する。
『メラさん、シーラさん、ダンさんを苛めたら駄目ですよ!!幾らダンさんの頭のレベルが心配なのが事実なことでもそんな真っ直ぐに言うなんて………「おい、コラァッ!!ミルン、お前が一番酷いことを言っているぞ!!」あれ?………ごめんなさい!!ダンさん私、思ったことをそのまま口に出してしまいました!!』アワワワ
「余計酷いわッ!!」バンッ
───ごめんなさい~~!!
ミルンがイルマを見習って同じく仲裁しようとしたが、ドジってはダンの頭の出来についてそのまま口に出してしまい、ダンはそんなミルンの言葉に更に興奮してしまう。
そんなメラ達の様子にイルマはため息を吐き、真剣な話をしていたのになぁ~~っと考え込んでいたこともあって疲れた様子だ。
「………相変わらず単純。ダンを揶揄うのは簡単」フフフッ
「そうね。でも、そろそろこの辺で止めないとイルマに怒られちゃうわね」クスッ
──ホラ。
そんなダンを揶揄って遊ぶメラとシーラに、疲れた様子を見せていたイルマがジト目で2人を見ていた。
「…………メラ、シーラ。話の続きが出来ないから早くダンに謝って」
「「ごめん(なさい)」」
メラとシーラの2人は、イルマに怒られる前にイルマに謝った後、揶揄われて怒っているダンにも謝るのであった。
「───────だから、今から大会に向けて内容や参加する者達についてや、その大会で必要になる物が有るならガネック伯爵に相談しようと思ってるんだけど………」
それからイルマは、話の続きが出来るようになったので皆にこれからの対応について話する。
「………うん、確かにそうする必要があるわね」「だな。俺もそれで良いと思うぜ」「異議なし」『こうなったら大会で無双して大臣を驚かしてやりましょう!!』
「よし。なら早速ガネック伯爵と大会について相談しに行こう!」
「「「『おーう!』」」」
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イルマ達が大臣に自身達の疑惑を晴らす為に行動している頃、
「◯◯◯様。例の子供達がホープ王国の王都に到着しました」
「!そう。………で、その子達はちゃんと大会に参加させれるのかしら?」
スライムロードの一件でも裏で暗躍していた女と、その女に従う男が人知れず密談していた。
「はい。大臣の部下に忍び込ましている者に上手いこと大臣にその子供達の実力を確認することに大会に参加させるのが良いと言っては、◯◯◯様の命令通り子供達を大会に参加させることが出来たみたいです」
「よくやったわ。それで、大会は何時から始まるのだったかしら?」
どうやらイルマ達が大会に参加することになったのは女の命令に従う男の手先の仕業のようだ。
「一週間後になります」
「一週間後ね?分かったわ。なら一週間後にこのように始めることが出来るように準備しなさい」
「!?こ、これを…………ですか?」
「何?出来ないのかしら?」
─────ギロッ!!
女は男に出来ないのかと男を見る視線に力が入る。
「!!い、いえ。命令通りに、一週間後迄には出来るように準備をします!!」
「そう。なら早く行きなさい」
「は、はっ!!」スッ!
女の視線に宿る危険な気配を察知した男は、直ぐに女の命令を叶えると返事を返す。
そして男から自分の命令に従う返事を聞いた女は男に向けていた視線から危ない気配を消して、そのことに男はホッとして息を吐く。その後男は女の機嫌を損ねないよう女に言われたことをする為に直ぐに行動に移るのであった。
何か女が企んでいるようです。
この女は何をしようとしているのか?
続きは暫し先になります。
では、異世界トラブルの続きは予定通り話を見直し、修正や追加等してから行いますので、暫し投稿を休みます。
見直しが終了次第又投稿を再開しますのでお待ち頂けると助かります。