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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
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第92話(エピローグ・養成所の卒業)

ついに第4章冒険者養成所編の完結になります。


図らずも世間の卒業シーズンとこの異世界トラブルの卒業式が被り、自分は少し嬉しいです。


では、異世界トラブルの卒園式を楽しみ下さい。



「もう俺達、この養成所を卒業なのかよ………。此処に来ていつの間にか3年も時が経っていたのか………」


「ダン、何よアンタ1人で黄昏ているのよ?」


「だってよ~………メラは寂しくないのか?俺達、この養成所を今日で卒業しちまうだぞ………」


「………そうね、確かにダンの言う通り少し寂しくなるわね」


「だろ?」



養成所を卒業することが()()したダンは、そのことで寂しさを覚えて1人で養成所の建物を見ては黄昏ていた所にメラが来てダンに何黄昏ているのか問いかけると、問いかけられたダンはメラに寂しくならないかと逆に問いかける。


ダンに養成所を卒業することが寂しくないのかと逆に問いかけられたメラは、ダンと同じように養成所の建物を見ながらダンの気持ちに同調し、2人で養成所の建物を見ながら養成所の日々を思い出して寂しさを感じて暗くなっていた。


そして、そんな養成所の建物を見ては寂しさを感じて暗くなっている2人の元にある2人(+1人)が来ては2人に声を掛ける。



「ダン、メラ」


「そろそろ始まるよ2人とも」


『最後の日に遅刻ですか2人とも?やりますね~』


──ピクッ!?──


──ピクッ!?─


「………………別に」


「………シーラにイルマか」


『私もいますよダンさん!』


「……ああ、悪いミルン」


「「………………………………」」


イルマ達に声を掛けられたメラとダンだが、2人はイルマ達に声を掛けられたが先程の気持ちを引きずってたこともあって黙り込んでいた。そしてその2人にシーラが何をしていたのか声を掛ける。



「………2人は何していたの?」ジーー


「……………はぁ───。………実はね、さっきダンに養成所を卒業することを言われたことでそのことを実感しちゃって…………つい寂しくなって落ち込んでいたの」


「だから2人ともそれで養成所の建物を見てたの?」


『なる程!だからメラさんとダンさんの2人は先程から暗かったんですね!』


「ッ何だよ?お前らは寂しくないのかよ!」



シーラやイルマとミルンに養成所を卒業することに寂しさを感じていたことを打ち明けたダンとメラは、そのことにあまり気にしていない様子のイルマ達に養成所を卒業することが寂しくないのかと少し怒りの感情を込めてイルマ達に問いかける。



「……………2人とも、それは僕も同じ気持ちだよ?」


「………私も2人と一緒で同じ気持ちを感じてる」


『私もです!3年間も此処で過ごしてきたんですから、明日からは此処を離れないといけないなんて寂しいです!』


「「ッ!?っなら──」」



そんなダンの問いかけに、イルマ達もメラとダンが感じている寂しい気持ちに共感を示す。



「(メラとダンが暗くなるのも仕方ないか……。確かに養成所で過ごしてきた3年の間には色々なことがあったから、そんな色々な出来事があった養成所を今日で卒業して離れるってなったら寂しくなって暗くなるのは普通なことだ………でも)」


イルマはメラとダンが養成所を卒業することで寂しさを感じていることや、その寂しさから暗くなっていることに理解や共感をしたが、イルマはメラとダンがそんな寂しさから暗くなっていたら駄目なことを伝えようと大事なことを2人に伝えようと言葉を掛ける。



「でもねメラ、ダン。その気持ちは僕達が此処でしっかり過ごしてきた証なんだよ?だから、その寂しさを感じる程の此処で過ごしてきた日々をこれからに繋げる為にもその気持ちを大事にして頑張るんだよ」


「………うん」『………ですね』

──コクッ──


「「ッ───」」



イルマがダンとメラに寂しく思う気持ちはそれだけ日々の生活をしっかり過ごしてきた証であり、その証をこれからに繋げる為にもその寂しくなる気持ちを大事にして頑張るのだと伝え、シーラとミルンがイルマの言葉に同意するように頷く。


そんなイルマの言葉に目を大きく開くメラとダン。



「(………そうよ、イルマの言う通りね。此処での今までしてきた日々の努力を裏切らない為にも、これから頑張って行くためにも、養成所を卒業することに寂しくなって暗くなっているだけじゃなくて前を向いて頑張らないと!)ごめんなさい。確かにその通りだわ。寂しさから暗くなっていたら駄目ね」


「(………だぁあっ!情けないな俺!イルマの言う通りだぜ。養成所を卒業することに寂しさを感じること自体は別にいいけど、その気持ちに引きずられて暗くなっていたら駄目じゃねえか!………よしゃっ!イルマの言う通り気持ちを入れ替えて、これからの為にもやる気を出していくぜ!!)悪い、つい弱音を吐いちまった!」



イルマの言葉で寂しくなることはいいとして、暗くなることは駄目なことに気付いたメラとダンは先程まで暗くなっていた自分の態度に反省をし、メラとダンの2人は気持ちを入れ替えてイルマ達に謝罪するのである。



「良いよ。メラとダンが暗くなってしまうのは仕方ないぐらい此処での日々は濃い時間と内容だったからね」


「……毎年、何かしらのトラブルがあって大変だった……」


『ですね!1年生の時はクエストで荒くれの男達がクエスト達成の邪魔をしてきたり、2年生の時は貴族であるトルクさんと揉めて、3年生の時は町中に大量のスライムが発生して、挙げ句スライムロードまで生まれては討伐して、その後に領主様と契約を交わして………』


「「「「『………(俺(僕)(私)達、どれだけ毎年トラブルに巻き込まれているだ!?)』」」」」


養成所での日々を思い出していたイルマ達は、養成所に来てから毎年あったトラブルの数々に今更ツッコミを入れていた。


そしてイルマ達は毎年巻き込まれていたトラブルに同時にツッコミを入れ、そんな全員が同時にツッコミを入れる行為に大きく吹き出して笑い、先程まであった暗い空気を吹き飛ばしていた。



















◇◆◇◆


その後暫く笑っていたイルマ達には先程まであった暗い空気はすっかり消えており、明るくなったイルマ達は卒業が決まった者達が集まる予定の場所に向かいながら先日行った卒業試験について話をしていた。



「そういえばイルマ、卒業試験でやった人工ダンジョンの攻略サバイバルって、俺達がトルクとの勝負でやった人工ダンジョンの実験の成果が組み込まれていたよな?」


「確か………戦闘能力を確認するために人工ダンジョン内に罠を設置した上で、一部の強化された魔物を倒したり人工ダンジョン内を一週間の間過ごすことで、卒業試験を受けた全員の戦闘能力にサバイバル能力、索敵能力や罠回避、罠解除等冒険者としての能力を見たのよね」


「………それにダンジョン攻略の妨害で≪ゴーレム≫も出てきた」


『そうですよ!あの≪ゴーレム≫が私達のダンジョン攻略するまでの間人工ダンジョン内で彷徨いてダンジョン攻略の難度を上げていたんですよね!』



「あ~あ、あれね。教官達は今までしていた卒業試験の内容が、直接手合わせしたり卒業試験用のクエストの成功だったのを変更したかっただって。卒業試験の度に教官達が生徒全員と手合わせをしたり、卒業試験用のクエストを用意することが冒険者としての能力を適切に採点出来なかったたり手間だったりクエストの場合はイレギュラーの発生から事故があったことから、僕達がトルクさんと勝負するための場を人工ダンジョンの実験を行う理由で確保しようとした際にそれを利用して今回の人工ダンジョンを使っての卒業試験が出来ないかと思って許可が下りたみたい。で、その実験結果で問題が無いことを判明したことで今年から人工ダンジョンを使っての試験内容に変更したんだって。それとあの≪ゴーレム≫は教官達が用意した物らしく、幾ら人工ダンジョンの魔物の強化や罠を設置しても卒業試験を受ける者達からしたら人工ダンジョンの難度が低いこともあって、あの≪ゴーレム≫はそれを解決するために用意された物らしいよ?」



メラ達はイルマから卒業試験についての詳細を聞いて納得と、イルマが卒業試験について思ってたよりも詳しい裏話を知ってたことに疑問を思いその情報の出所を確認する。



「それ何処情報だよ?」


「ナミノ教官だよ」


イルマは何処情報かを即答でナミノ教官と答える。


「何でナミノ教官がイルマに、何時そのことを教えたのよ?」


「卒業試験が終わった後だよ。何か利用した形になったことから、お詫びに詳しい話を教えてくれたんだ。後、言わなくても気付きそうって理由もあったらしいよ?」



そしてメラがイルマに何故ナミノ教官がイルマにその情報を何時教えたのかとイルマに問いイルマがその理由とタイミングを答える。


メラ達はそのことを聞いてイルマが何故卒業試験の裏話を知っていたのかの疑問が解けて納得した様子だ。


そしてイルマ達はその後も雑談をしながら卒業が決まった者達が集まる予定の場所に到着する。



「───おおおっ!皆集まっているな!」



ダンが養成所を卒業する者達が集まる予定の場所、大勢で何か演習する時に集まる養成所の外にある訓練場に到着したら、そこにはイルマ達以外の卒業試験を合格した者達と教官達が既に集まっていた。



「──それに周りには養成所の1年生や2年生、それに今回の卒業試験で落ちた皆もいるわね」


「…………皆、養成所を卒業する私達の姿を見るために集まったみたい」


そして、メラやシーラは訓練場の周りに卒業する者達を観ようと集まっている者達の存在に気付く。



『皆さん!そろそろ私達も他の集まっている卒業する達の所に行かないと教官さんに怒られちゃいますよ?』



そんな周りの存在に気付いて足を止めているイルマ達にミルンが既に卒業試験を合格した者達に養成所の卒業を告げる為に集まっている教官達の存在を伝えては、イルマ達に自分達も早く行かないと怒られることを告げて早く行くように急かす。


そんなミルンの言葉にイルマ達はそれは不味いって言いながらも笑いながら既に集まっている卒業試験を合格した者達の所に向かって走り出す。


そしてイルマ達が走って集まっている者達の中で最後に来たのを卒業する生徒の中にいたトイやマルクス達は「遅いぞイルマ達!」「最後まで目立つなお前ら………」っと声を掛け、そんな生徒の前でいたナミノ教官もそんなイルマ達に「ったく、アイツらは最後まで………」っと呟くもイルマ達が集合時間には遅れていないことや今日が最後ということもあってそのまま全員が集まったことで卒業式を始める。



「…………あーー、これで卒業する全員が集まったな?ならもう卒業式を始めるぞ!」


「「「「はい!!!」」」」



ナミノ教官が卒業する者達の大半の担当教官であることや教官達の中でもベテランであることで集まっていた教官達の代表で前に出ては卒業式の進行を行う。



「よし。なら始めに卒業するお前らに渡す物が有る。あれを────全員受けとったか?」



ナミノ教官は目で後ろに控えていた教官達に卒業する生徒達に有る物を渡すよう指示し、生徒達はその教官達から有る物を渡される。



「「「「「……これは?」」」」」



生徒達は教官達から各々冒険者カードと養成所のシンボルが描かれたカードを受けとる。



「───それが養成所を卒業した者の証だ」


「「「「「これがっ!!??」」」」」



ナミノ教官は生徒達に今渡した物が養成所の卒業の証であると告げる。そして卒業の証を受けとった生徒達は、今受けとったカードが卒業の証と知りカードをまじまじと見るのである。


そんな生徒達の様子を見たナミノ教官はゴホッン、と咳払いしては卒業の証であるカードに夢中に見ている生徒達の視線を自分に向けさせる。



「その養成所を卒業した証であるカードは≪冒険者カード≫と言って、お前らがこの養成所を卒業して優秀な者達だと証明するだけじゃなく、普通の冒険者が冒険者ギルドから配られるステータスカードと違い有る機能が備わっている」


「「「「「………有る機能?」」」」」


「ああ、有る機能とは冒険者ギルドへの通信機能だ。有事の際にその≪冒険者カード≫から有る条件を満たしている冒険者ギルドに直接通信することが出来る機能が備わっている。その条件についてはまた後で紙に詳しく書いて渡すが、その通信機能を使う際は注意して使え。その通信機能は優秀な冒険者を減らさないように冒険者ギルドが上級以上の冒険者のステータスカードに設けられている機能であり、無暗に矢鱈に使って冒険者ギルドの業務を妨害しないよう有事以外で通信機能を使うことは禁止されている。だからそのルールを破れば罰則が設けられているからな………それと、その≪冒険者カード≫を持つお前らは冒険者としての能力が優秀なことが先程も言っていた通り認められていることだから、冒険者ギルドに冒険者として登録の際に最初からCランク(中級)冒険者として登録が出来る特典があるぞ」


「「「「「おおおおおっ!!!」」」」」



ナミノ教官から卒業の証である≪冒険者カード≫についての説明を聞いた生徒達は、その≪冒険者カード≫の機能と特典に興奮する。


勿論イルマ達も≪冒険者カード≫の機能と特典を聞いて、特にダンが「すげぇっ!!」と興奮して喜んでいた。


そんな≪冒険者カード≫の機能と特典に興奮している生徒達に、ナミノ教官はゴホッンッ!!っと生徒達の視線を自分に向けさせる為に再度先程よりも強い咳払いを行う。


そして生徒達の視線が自分に向いたのを確認したナミノ教官は生徒達に「渡す物は以上だ」と伝えた後に卒業する生徒達全員に「卒業おめでとう」「よく頑張ったな」「これからも訓練を怠るなよ」と伝えると他の教官達も卒業する生徒達に各々言葉を投げ掛けていく。それを聞いた卒業する生徒達は、自分達担当教官や世話になった教官達からの言葉に養成所を卒業することを強く感じては下を向いて涙ぐむ……。



そんな下を向いて涙ぐんでいる生徒達に向かってナミノ教官が「最後に卒業する君達に言いたいことがある」と告げると、涙ぐんでいた生徒達はそのナミノ教官の言葉を聞いてはまだ目に涙を浮かべながらもナミノ教官の方に顔を向けて言葉を待つ。




そしてそんな生徒達の姿を見てはナミノ教官や他の教官達も目に涙を浮かべそうになるが、出てくる涙を押さえては卒業する生徒達に最後にある言葉を告げる。




「─────最後に卒業する君達は私達が冒険者として優秀と認めた者達だ! だから──顔を上げて胸を張って、堂々とした姿で此処を卒業して欲しい!!

そして、他所に行ってもそれぞれが訓練を怠らずに私達よりも成長して仲間と手を合わせては…………っ…此処にいる私達まで君達の活躍を届けくれるのを待っているっ!!


──────私達はこれから先!優秀な冒険者になる君達の活躍を此処からずーーっと!期待しているぞーーっ!!!」


「「「「「──────はいッ!!!」」」」」



ナミノ教官の卒業する生徒達に向けた最後の激励の言葉に生徒達は先程よりも目から涙を流しながらも激励の言葉に強い返事を返すのである。そんな生徒達の姿を見たナミノ教官や他の教官達はついに涙を堪えきれず目から涙を流すのである。



「───ッ以上で卒業式は終わりだっ!



─────────卒業、おめでとう!!!」


「「「「ッ卒業おめでとう!!!」」」」


「「「「「───ッありがとうございました!!!」」」」」



そして目から涙を流しながらもナミノ教官や他の教官達は卒業する生徒達に卒業式の終了の言葉と卒業をおめでとうと告げる。


「「「──ッお前ら(貴方達)卒業、おめでとうっ!!俺達も来年には絶対に卒業するから先に待っていろ(いなさい)!!」」」


「「「───卒業してからの活躍期待していますっ!!」」」


「「「先輩達!卒業おめでとうございます!!!」」」



そしてイルマ達卒業する生徒達の周りに集まっていた卒業合格を逃した同期や後輩達も卒業する自分達に激励や祝いの言葉を投げ掛けて来るのであった。








その後イルマ達卒業する生徒達は、教官達やそんな生徒達の言葉をその身に受け止めながらこの優秀な冒険者を育成する場所である養成所を卒業していくのであった。


冒険者養成所編終了。


この後、冒険者養成所編の設定集や小話を少ししてから次の章になります。


イルマ達の無双を期待している方々は次の章で既に気付いているかも知れませんが、ある大会に参加するイルマ達の無双回を期待してお待ち下さい。

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