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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
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第91話(勧誘の返事・周りの反応)

大変お待たせしました!


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




「…………ガネック伯爵様。僕達、ガネック伯爵様の勧誘は……………」


「………………(私の勧誘を受けるか受けないか、どっちを選択するか!)」



イルマが勧誘の答えをゆっくり話す間、ガネック伯爵はイルマが自分の勧誘を受けるか受けないかどちらだっ!と少し身体を前屈みになりながらイルマの答えを待つ。


「………受けさせてもらいます」


「「「『ッ!』」」」 「ッ!」


「そうかッ!、そうかッ!君は、君達は私の勧誘を受けてくれるのかねッ!」

──ハハハッ!よかったよかった!


とイルマが自分の勧誘を受けると答えてくれたことでガネック伯爵は上機嫌でよかったと声を上げる。


メラ達はイルマの選択に元々はガネック伯爵の勧誘を受けない考えだったので勧誘を受けたことに驚くが、ガネック伯爵が言っていた勧誘を受けた場合のメリットと、デメリットが自分達的にあまり無いこと、いざっていう時は契約を切る交渉や契約を定期的に更新する形なので勧誘を受けて納得する。



「君達が勧誘を受けてくれて本当によかった!なら早速、君達の気が変わらない内に契約書を用意してあるからそれにサインしてもらうとしよう」


ガネック伯爵はイルマ達の気が変わらない内に契約をする為に、部下を呼んでは用意してあった契約書を二部持って来させる。


そしてイルマ達の目の前にガネック伯爵の部下が持って来た契約書が二部置かれる。ガネック伯爵はその契約書の詳細をイルマ達がサインする前に契約書を見ながら説明を行い、イルマ達もガネック伯爵の説明を聴きながらもその契約書に書いてある内容が何か自分達に不利益が書いていないかをサインする前にしっかり確認する。


ただ、その契約書の内容を確認していたらダンが


「アーッ!──俺に細かいこととか難しいことの確認なんて向いてねぇッ!そういうことはイルマ達に任した!」


と最初はイルマ達と一緒に契約書の内容を確認していたダンが、段々頭から煙を出してはその確認作業を放棄したのだ。


そんなダンにイルマ達は


「はぁ~~」


「ダン、アンタねぇ~~これぐらい……………はぁ、もういいわ。後は私達でしとくからアンタは黙ってそこにいなさい」


「…………………はぁ」


『………イルマさん達ファイトです。(ダンさんはホントにいつも………)』


「?──おう、皆頼んだ!」


イルマ達はそんなことを言うダンに呆れ、そして自分達の態度を見ても気付かないことに更に呆れるのである。


そして



「はい。契約書に問題無いです。此処にサインをしたら宜しかったでしょうかガネック伯爵様」


「ふむ。それはよかった。うむ、そこで間違いない」


契約書の内容を確かめたイルマ達は契約書にサインする場所をガネック伯爵に確かめる。


ガネック伯爵はサインする場所に問題無いことを確認した後、イルマに間違いと答える。


そして、ガネック伯爵の言葉を聞いたイルマは契約書にサインを二部とも行いガネック伯爵に契約書を渡す。



「………ふむ。どちらの契約書も問題は無い。」



イルマからサインした契約書を渡されたガネック伯爵は、そのサインした二部の契約書の一部をイルマに渡す。



「そちらの契約書は君達が控えとして保管しておくように」


「はい。分かりました」


「………うむ。では、これからは宜しく頼むよイルマ君、ダン君、メラ君、シーラ君」


「此方こそ宜しくお願いします。ガネック伯爵様」


「「「宜しく(お願いします)!」」」


『無事にいってよかったですね皆さん!!』


イルマ達はガネック伯爵と無事に契約を交わすことが出来た。


そして、イルマ達とガネック伯爵はお互いに友好にしていこうっと握手を行う。

その後イルマ達と残っていたナミノ教官は、ガネック伯爵に挨拶をしてから今度こそ部屋を退室するのであった。



ガネック伯爵からの勧誘が無事に終わったイルマ達。

イルマ達はガネック伯爵と契約しなかったナミノ教官に養成所まで一緒に帰える間、契約を交わして貴族のお抱えになった場合の付き合い方について話を聞きながらこれからについてを考えるのであった。





◆◇◆◇






その後イルマ達はナミノ教官から聞いた貴族のお抱えになった場合の注意点を気を付けながらも、今まで通りに養成所での日々に加えてガネック伯爵との付き合いをする日々を過ごすのである。


勿論、イルマ達がガネック伯爵と契約をしてはお抱えになったことについては、パーティーに参加していた者達から養成所内に話は広がり、イルマ達の元に色んな人間がその話を聞きに来た。



「すげぇーッ!」


「おいッ!羨ましいぞコノヤロウッ!」


「ちょっと、どんなことを領主様から頼まれたりするのよ?」


「俺達にも領主様に声を掛けてくれ~」


「どんな、どんな風に話があったんだ?貴族様と契約するためにはどうしたらいいんだ?」



等、養成所の皆はイルマ達に羨ましがったり、どんなことを頼まれたり、自分も領主様に声を掛けて欲しがったり等イルマ達に声を掛けて来る。


他にも……


「流石イルマ先輩達だ!」


「僕ももっと気合いを入れないと………」


「…………この結果には納得だ。あの時………イルマ達が、最も活躍したのだからな」


「はぁ~、流石ですね~」


「マルクスーッ!!私達も貴族から声が掛かる位活躍するわよッ!!」


「お、落ち着け!?…………わ、分かった、分かったからその為にも訓練やクエストを今よりも増やしてチャンスを作るぞ!」



勧誘の場にいたナミノ教官以外のイルマ達と交流が深い者達は、イルマ達がガネック伯爵に勧誘を受けて契約した事実に 喜んだり、納得したり、悔しがったり、自分達も追い付く為に訓練やクエストを増やしてたりとそれぞれ違う反応をしてはイルマ達に追いつこうと今までよりも訓練やクエストに励むのであった。


そしてイルマ達はそんな生徒達らに対応に四苦八苦しながらも行い、養成所での残り少ない期間の間で出来る限り自分達の能力を向上させたり、ガネック伯爵との付き合いもしてバタバタと忙しい日々を過ごしていた。


その為イルマ達は幾ら規格外の体力や回復力が有っても、そんなバタバタとした忙しい日々を短い期間の間で過ごしていては困憊状態になっていた。しかし、ガネック伯爵と契約を交わしたその選択を後悔していなかった。


当初の予定と変わってガネック伯爵と契約をしたイルマ達だったが、好待遇を約束すると言ったガネック伯爵はその約束通りイルマ達が不利益を生じることをイルマ達に要求することもなく、逆にガネック伯爵の他のお抱えの実力者達との手合わせや訓練等をイルマ達が都合が良い時に合わして用意して行ってくれて、そして今の所ガネック伯爵がイルマ達に要求することはイルマ達のその実力をガネック伯爵に見せることや簡単なクエストを頼んで来ることぐらいであった。


その要求も契約にあった月一の報酬とは別に要求を受ける毎に報酬を頂けて、イルマ達は養成所の他の生徒達と比べて金銭面でも大きな差を生むことになり、貴重な様々な上級冒険者との訓練や希少や優れたアイテムに装備、それらをイルマ達はガネック伯爵との付き合いで得ることが出来たイルマ達はこれから冒険者を始めるに至って、他の生徒達と比べても大きなスタートダッシュを得ることが出来ていたからだ。



(本当、考えを改めてガネック伯爵からの勧誘を受けて正解だったね。流石伯爵様だよ。こんなにも契約して恩恵を受けれることが出来るなんてね)



その為イルマは当初の予定を変えてガネック伯爵からの勧誘を受けた判断が正しかったっと実感するのであった。







そんなイルマ達がガネック伯爵と契約を交わした後バタバタしていた頃、他の場所では…………





【ポルカ村の場合】


──タタタタッ!バタンッ!──


「ギルドマスターーッ!」


「フォッッ!?────ど、どうしたんじゃ、そんなにバタバタして何かあったかのデルよ?」


「────イ────やって───」


「?なんじゃ?イやって???」


「───イル坊達やってくれたよッ!!チユルの町中でまさか大量のスライムや複数体のジェネラルスライム、それにスライムロードが発生したのをイル坊達が倒したみたいだよ!!」


「フォッッ!?…………大量のスライムや複数体のジェネラルスライムに加えてスライムロードがチユルの町中に発生したじゃとッ!?しかも、それをイルマ達が倒したじゃとッ!!?」


「ああ、そうだい。正確には討伐隊の皆で大量のスライムは倒したみたいだけど、ジェネラルスライムやスライムロードはイル坊達が倒したみたいだね」


「いやいやいやいや!チユルの町中でスライムとはいえど魔物が発生したことにも驚きじゃが、大量のスライムは別でも、複数体のジェネラルスライムにスライムロードをイルマ達だけで倒したことにワシは驚きじゃわいッ!!」


「だからやってくれたって言ったのよ。───元気でやっているのねイル坊達………!」


「(いや、あのね?デルよ。ジェネラルスライムやスライムロードを倒したことを聞いて思うことが元気にやってるってどうなんじゃ?…………ジェネラルスライムは魔物の難易度で言えばBランクの魔物じゃし、スライムロードなんて確実にAランク以上の魔物じゃッ!────それを子供ながら倒したイルマ達もおかしいが、それを聞いて元気にやっていると思うお主もおかしいと思うのはワシだけじゃろうか…………?」


ギルドマスターであるモロンはデルからチユルの町中で大量のスライムが発生したことにも驚くが、それに加えてBランクの魔物である複数体のジェネラルスライムやAランク以上のスライムロードが発生し、そのジェネラルスライム達やスライムロードをイルマ達が倒した事態とそれを聞いて元気にやっていると思うデルにおかしいと思うのであった。


その後、モロンはイルマ達が元気にやっていると喜んでいるデルとは違い、町中でスライムロードというAランク以上の魔物が発生したというとんでもない事態に、イル坊達が元気にやっていると喜んでいるデルが使い物にならない状態になっていることもあって、こんな事態の把握をするためにモロンはギルドマスターなのに1人でチユルの町にあるギルドに連絡を取るのであった。




【イルマ達が住んでる国の王都の場合】


「大臣、大臣ッ!」


「なんじゃ?忙しない。一体何事じゃ?」


「はぁはぁ、大ニュースです!チユルの町でスライムロードが発生しました!!」


「な、何ーーッ!?スライムロードしゃとッ!?そ、それでち、チユルの町は!スライムロードは今どうなっているのじゃッ!?」


「そ、それが………スライムロードが発生はしたけど、既にスライムロード含め複数体のジェネラルスライムに大量のスライムをチユル町に大きな被害を出さずに討伐したそうです!!」


「な、何ーーッ!?既に討伐しているじゃとッ!?」


「は、はい(……とても口に出せないけど、大臣同じリアクションを二度取っていて面白いな)」


「………あ、あそこチユルの町を治めているのはガネック伯爵じゃったな?事態の詳細を聞きたいからガネック伯爵を王都に来るように呼んで参れ!」


「は、伯爵様を呼び出す!?──だ、大臣。そんなことをしなくてもチユルの町にある冒険者ギルドに詳細を確認すれば済むますし、それに急に伯爵様を王都に呼び出すのは時間が掛かります………」


「勿論冒険者ギルドには詳細を確認するわい!土地を治める領主であるガネック伯爵にもそんな事態を王に報告する義務があるが…………じゃが、確かに急に伯爵を王都に呼び出すのは時間がいるのぅ……。よし、今から伯爵に手紙を書くからそれを伯爵に届けるのじゃ!」


「わ、分かりました」




【謎の女の場合】


「報告します〇〇〇様!」


「……何かしら?」


女は自分の前に現れた男に興味がなさげに用件を問う。


「スライムロードを倒した者達についてです!以前の報告から調査を続けて詳しい情報が判明したのですが………あまりにも疑わしい情報だったので今まで時間を掛けて調査を続け、その結果を報告に上がりました」


男は以前女が興味を抱いた情報の調査結果を報告しに来たと女に伝える。


「疑わしい情報?」


女は男が調べた情報が疑わしいと告げたことに興味を示し、男にその調べた情報の続きを報告するよう促す。


男は女が調べた情報の結果を促したことで「……信じられないことですが事実です」と告げてから女に調査の結果を報告しだす。


「はい。なんと………スライムロードや複数体のジェネラルスライムを倒したのがまだ冒険者にもなっていない子供達ということだったのです」


男は自分の調べた調査結果を女に報告しながらも、その情報を調べた自分でも未だに信じられない様子でいた。


「………確かに疑うような情報ね。で、その子供達の名前は?」


女は男の調査結果を聞いて確かに疑うような情報だと認め、その子供達の名前を男に確認する。


男は女が疑わしい情報を報告したことに機嫌を損なうことがなかったことにホッとし、女の次の質問に調べた情報を確認する。


「はい。その子供達の名前は………【イルマ】【メラ】【ダン】【シーラ】の養成所の生徒である4名です」


「ふ~ん。子供の名前は【イルマ】【メラ】【ダン】【シーラ】で、数は4人ね?………分かったわ。報告は以上?なら、下がっていいわよ」


「はっ!」

──スゥ──


「……………!ちょっと待ちなさい」


──ピタッ──



「?どうかされましたか〇〇〇様?」


男は報告が終わり女の言葉を聞いて立ち去ろうとしたが、女が自分を呼び止めたので直ぐに立ち去ろうとした身体の動きを止める。そして女に呼び止めた理由を伺う。


「そういえば何ヵ月後だったか忘れたけど、確か、王都で大会が有ったわよね?」


「?はい。確かに後3ヶ月後に王都で冒険者向けの大会が有ります。それが何か?」


「ふふふ。その大会にその子達を参加させることは出来るかしら?」


「???その大会の参加にその子達を参加させるように仕向けるのは可能ですが………」


「出来るのね?ならそうしなさい」


「はい。分かりました。………ですが、何故?」


「ふ、ふふふふ。内緒。ほら早く行きなさい」


「!──はっ!」


男は女に急かされては女の命令に疑問を感じながらも女の命令を実行するためにその場を立ち去るのである。


そして、男が自分の命令を実行するためにいなくなったことで1人になった女は笑っていた。


(これでスライムロードやジェネラルスライム達を倒した子達を直接その力を見ることが出来そうね?───ふふふ。これでその子達が私の想像以上の実力を持っていたら



食べちゃおうかしら?)


──ふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふっ!!!!!



女はこれで3ヶ月後にはイルマ達のことを実力含めて直接見ることが出来ることを楽しみにし、もし、イルマ達が自分の想像以上の力を持っていた場合のことを想像しては不気味な笑い声を上げて、その場は女の不気味な笑い声が響き渡るのであった。









そして、そんなことを知らないイルマ達は忙しい日々を送りながらも養成所の卒業まで残り少ない期間を過ごし、ついにイルマ達3年生の生徒達は卒業の日を迎えるのであった。

次回でイルマ達は養成所を卒業になります。

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