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文鳥と私の死

作者: ふしきの

文鳥が死んだ時、家族は全員こう言った。

「誰かが面倒を見ていたと思っていた」と

籾殻だけの餌入れは風で吹き飛んだ。

300円握った汗だくの手のひら。がらがらと揺れる自転車を立ち漕ぎして、スーパーのおばちゃんに汗を狼狽えられながら「いんこのえさ」でもええよ」といわれてその店の大袋を買った。

家の前の、青い葉っぱを汁が垂れて汚いと罵られ、

「水はこぼすな」と廊下に落ちる水滴のことで後で蹴りあげられた。

群がる文鳥はやがて全羽静かになった。

餌を喉煮詰まらせて死んだ文鳥も地面に埋めた。

私の自転車の補助輪も。

足のすねが血と泥に染みて、野良に食われないように懸命に手で掘って埋め固めた。

父は無関心にテレビを観ていた。


離婚話が終わる頃、最後のとりで確認された。

「お前のことは気が付かなかった」と全員が言った。

私は生きて殺された。


もうひとつは学級会。

班訳をそつなくこなしあとは自分がどこに入れてもらえるか、壇上で見ていた。

先生は「仕事が早くて楽だ」と終わりにした。

全員が次に移ろうと面倒な男女共同班訳の終了を確認した。

私は壇上でずっと泣いた。

「誰か可愛そうだから入れてあげてください」

『お前のことは忘れていた』と、屈託なく笑おうとした。

それがとても憎かった。

私はその程度の人間でしかないのを理解するのも嫌だった。

このはなしをのせるのはバン食らうかもしれませんが、述べたかったからです。


「誰からももう愛されない」今なにしてほしいの答えに私は「誰かに頭を撫でてほしい」と言ったのです。


電話があったとき「息子そっちつれていっていい」と言ったのでええよ。ええけど二匹とおはようからお休みまで同じお布団で寝てもらうコースだよ。


「息子 童貞が焼いたクッキー送ったら食べる」に「食う」って即返事を送った。既読された。


同じ人にされたことです。

私とはそういう扱いなようです。

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