第八十四章・まじない師の仕業だったのか!
今日もたくさんのアクセス数をありがとうございます!!
第八十四章・まじない師の仕業だったのか!
俺とイーゼルはダ・ガールに戻った。城にはコマドリとルルチェがいなかった。二人はシャーロット遺跡の位置を記した地図を渡したあと、近くのヴァンガードの町で発生したらしい疫病の治療に向かったというのだ。
それから数日後、ルルチェとコマドリは戻ってきた。
二人とも疲れた顔をしていた。
「どうしたんだ、お前ら?」
俺は二人の姿を見て言った。
「ルビの町での疫病のことを覚えている?」
と、ルルチェは俺とイーゼルに言う。
「そりゃ当然、覚えているさ。あれはイーゼルを侮辱した忌まわしい事件だったしな」
「ヴァンガードの町で、それとまったく同じの疫病が発生していたの。わたしたちで対処したけど、実は疫病を起こした奴を見つけて討伐したのよ」
どうも聞いた話だと、ヴァンガードの町で起こった疫病はやはり、呪いの混じった病だたそうだ。ちょうどダ・ガールにエルフのマイナリースも買い出しの帰りに寄っていたということで、一緒に連れて行って、薬草で病にかかった人たちを治していったらしい。
「それで?」
「ベアトリアースも一緒に来てくれたの。それで、魔族のまじない師がこの騒ぎを起こしたことも分かったのよ。犯人をベアトリアースとわたしで捕らえたの」
「おい、じゃあそのまじない師ってのは‥‥‥」
「もうこの国へ連行して、城の地下牢に閉じ込めているわ」
「そりゃ大変だったな」
「わたしとコマドリも呪いをかけられてしまったからね。でも、解呪は早く魔法で済ませたから、無事で済んだけどね。それでも危なかったわ」
「町の人の解呪も?」
「ええ、大丈夫だった。対処が早かったから」
「その、まじない師ってのは?」
「グイードっていう名の人間よ。十七歳の少女」
「人間の少女が呪いのかかった疫病をばらまいたってのか?」
「そうよ」
「そうか‥‥‥」
「ちょっと、ショックだったわ。あんな子が疫病の宿主だったなんて」
「どうなるんだ、その子は?」
「人間に不満があったようね。黒魔術と悪魔崇拝に精通した存在だったようで、これからおそらくダ・ガールで裁判を行うことになるわ。わたしの見立てでは、懲役十年くらいは固いと思うわ」
「そこは即、ギロチン刑じゃないんだな‥‥‥」
「何でギロチン刑?」
「お前、ギロチン刑好きだろ。てか、王族は皆、ギロチン刑や火刑が好きなんだと思ってたがな」
「そうね。それに縛り首も付けておくわ」
「いや、付けんでいいよ。物騒だな」
「ああ、縛り首といえば、海賊が縛り首をよくするわ」
この世界でも、海のギャングは縛り首になるんだな‥‥‥。
「それで、わたしたちにまた任務が要請されたの」
「嫌な予感しかしない発言はやめてくれ」
「何で?」
「フラグになるんだよ」
「え?」
「いや、忘れてくれ。それで?」
「次はリリー・プラド・ハモレミストの討伐よ」
ああ、あのガイドブックに載っていたやつか。やっぱりフラグだったな。
「いや、やめよう」
「どうして?」
「俺が嫌なんだ」
「意気地がないのね‥‥‥」
「そんなんじゃないよ。ただ‥‥‥」
「何よ?」
「俺は泳げないし、水が怖いんだよ。荒波の海なんて当然、論外だ!」
はい、カミングアウト終わり。これで分かってくれるだろうか?
もちろん克服出来ることならやるさ。でも、いきなり荒療治は嫌だ。
俺は海には出られない。
読者の皆様に幸あれ!!