第八十三章・温泉旅行は混浴から?
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第八十三章・温泉旅行は混浴から?
リズール駅に着いた俺とイーゼルは、そこで宿泊することにした。部屋は当然、別々だが。ここから一日でダ・ガールに着く。その前に少し休息だ。
俺はそこが火山の近くの温泉街であることを知った。
なるほどな。日本も温泉大国だったが、ここも硫黄の匂いがする。
玉子の腐った匂いと言ってもいい。
俺はここが気に入った。ちょっとした小旅行のようだ。夜になったら行くところに行くか。それはもちろん温泉に入ることだ。ここの宿も当然のように温泉があるので、食事の前に入ることにした。でも、この宿は利用客が意外に少ない気もするのだが。
俺は温泉に入った。かなりの大風呂だ。体の疲れを癒すのには最適だ。湯には薬草成分が混じっているらしく、緑色に濁っていた。
温泉に浸かると、少々熱いが、気持ちが軽くなるようだった。それはそうか。日本の温泉でもそういう効果があったからな。
俺は風呂嫌いではないし、かといって、好きってほどでもない。特に熱い風呂はそんなに好きではない。だから、そんなに長く入ってはいられない。そろそろ出ようかと思っていた矢先、別に他の誰か入浴者がいるのが湯けむりの隙間から見えた。
それは他でもないイーゼルだった。華奢な体が目に入る。
って、ここは混浴だったのか?
俺は気づかれないうちに出ようかと思って、慌てて湯舟から上がろうとして、音を立ててしまい、イーゼルに気付かれた。
「リ、リューイチ?」
俺は言い訳を思いつかずに、また湯舟に体を沈めた。
「よ、よう」と、俺はイーゼルに気まずいながらも声をかける。もうヤケクソだ。
「ここって何ですか?混浴ですか?」イーゼルは言う。
「そうみたいだな。俺も知らなかったんだけどな」
「わたしたち、同じ湯舟に浸かっているのですか?」
「ああ、そうらしいな‥‥‥」
イーゼルは口元辺りまで、身を温泉に浸かる。
そりゃ当然、恥ずかしいよな。俺も恥ずかしい。てか、この状況で心臓の鼓動がバクバクだ。血の巡りが良くなる。でも、このまま湯に沈んでいても熱さに参ってしまうだけだ。
「イーゼルは出ないのか?」
「えっ、わたしですか?いいえ、リューイチ、先に上がってください。わたしはあとで出ますから」
「そうか。でも、のぼせたら最悪、倒れてしまうぞ?」
「で、でも‥‥‥」
どっちかが先に上がらないと、どっちも出るに出られなくなる。俺は意を決して、立ち上がると、腰にタオルというか布の手ぬぐいのようなものを巻くと、そそくさと湯舟を出た。イーゼルはまだ湯舟に深く沈んでいるようだった。
なんてイベントだよ、オイ!
お互い裸体を見られたようではなかったが、もし見られたら、今後の旅に支障が出ることは確かだ。それが無かっただけでも良しとするか。しかし、なんて体験をしてしまうんだ、俺は。
これでもし、コマドリやルルチェが一緒だったら、リンチものだ。湯舟に血が浮かぶ。
部屋に戻った俺は、食事を済ませてから、ゆっくりした。部屋に常時置いてある本を読むと、そこには観光ガイドがいっぱい載っていた。イーゼルと一緒に行ったロマスの巨大キノコも載っていた。キノコの世界樹のようなものだ。
次はどこへ行こうかな?冒険もいいけど、観光も楽しいじゃないか。海は俺が溺れた経験から、水が怖くなったので行きたくはないが。
今はプラドの海賊というのが広大な海を荒らしているらしい。海賊は毎年、数百人の人間の命を奪っていると書いてある。その中でも最悪な奴が、リリー・プラド・ハモレミストという女海賊らしい。いずれ出会うこともあるかもしれない。運命がそう決めたのならそうなるだろう。俺は一つひとつを克服するように心がけようと思った。
読み物をしながら、眠りにつく俺。イーゼルはまだ起きているだろう。俺は深い眠りへと、意識を消していった。
今日も頑張って書きます!!