第八十一章・オイオイ、これはデートですか?〈前編〉
今日は仕事で、ちょっと更新が遅れました。すみません。
第八十一章・オイオイ、これはデートですか?〈前編〉
俺たちは日が暮れないうちにエルドアード山岳を下山していった。本日最後のロープウェイに飛び乗ることが出来た俺たちは、ゴンドラの中で肩を下ろした。
俺たちは登山家でも山男でもないのだ。無理が今になって出てきたのか、疲れた顔になる俺たち。
「ミッション・コンプリートだな」
俺は言った。
「ミッション・コンプリート?何だそれ?」
コマドリが訊いてくる。
あれ、この世界ではどこまで英語が精通しているのだろう?
まぁ、いいや。
「任務完了って意味だ。俺がいた世界での言葉だ」
「妙な言葉だな。リューイチのいた世界って不思議なところだったんだな」
「俺からしてみれば、この世界の方が不思議だよ」
俺たちはランドバール駅がある、ランドバールの街で、宿を取った。
翌日になると、皆が元気を取り戻した。
「さ、列車で帰るわよ」
と、ルルチェが仕切る。
「もう帰るのか?ちょっと街でも歩いてみようぜ」
俺はすぐに帰るのを反対した。
「他に予定でもあるの?」
「いや。でもそんなに急いで帰ることもないだろ?」
「それはそうだけど‥‥‥」
「ちょっとだけいいじゃないか」
「じゃあ、切符をあげるから、その辺観光でもしていって。わたしたちは帰るから」
俺は差し出された列車の切符を受け取った。
「たまには冒険以外のことも楽しみたいって思っただけなんだけどな」
「じゃあ、お一人でどうぞ」
その時、イーゼルが、「わたしもリューイチと観光してきます」と、言った。
「ルルチェとコマドリは先にダ・ガールへ戻ってください」
ルルチェとコマドリは、駅へと向かった。
俺とイーゼルは、ランドバールに残った。
「イーゼル、俺と観光なんていいのか?」
「いいですよ。リューイチこそわたしが邪魔ではありませんか?」
「んなことないぞ」
「そうですか。良かったです」
ん?こ、これはまさか、女の子と一緒に出回るなんて、マジか?
こ、これはデ、デデデ、デートと言うんじゃないのか?
女の子と一緒で二人だけってのは、いいのか?俺でいいのか?
イーゼル、俺と一緒でいいんですか?
その時、イーゼルが街に張られているポスターを指さした。
「リューイチ、ここ行ってみませんか?」
「え?」
ポスターには、セカイダケという恐ろしいほどに大きなキノコが生えてある観光名所が、近くのロマスという高原にあると書いてあった。イラスト、といっても、ものすごい画力で描かれているのだが、もあった。
『一万年前から生えている、伝説のキノコで世界樹と並ぶ巨大なキノコ』というものらしい。
「ほう、行ってみるか。行きたいか、イーゼル?」
軽くうなずくイーゼル。
「よし、行こう!」
俺は主導権を握って、イーゼルの手を引いた。
なんか張り切ってるなぁ、俺。
今日はもう一回、更新しようと思います。