第七十八章・モンスターがいっぱい。
たくさんの人たちに読んでもらえて光栄です!!読者の皆様、幸あれ!!
第七十八章・モンスターがいっぱい。
グリズリーは五頭いた。狂暴な奴らなのはもう、見た目で分かる。こいつらはモンスターなのだ。グリズリーといえばハイイログマとも呼ぶのだが、それは俺の前世の世界での話だ。こいつらはモンスターのグリズリーなので、倒すしかないのだ。
「来い、化け物!」
俺はダ・ガールの剣を構えた。
しかし、その前にイーゼルのミサイル魔法がグリズリー二頭を爆破した。こんなところでミサイル使うとは‥‥‥。
俺は剣で一頭のグリズリーを倒す。残り二頭。
コマドリの忍者刀が一頭を倒した。あと一頭。
ルルチェが氷の魔法で最後の一頭のグリズリーを凍らせた。
これで全部倒したようだ。倒れたグリズリーはコインに変わる。一応もらっとく。
「早くここから離れよう。ここでグズグズしていると、また出てきそうだ」
俺が皆に言う。グリズリーはこれだけということはあるまい。もっと出てこられたら困る。というのも、ここは低酸素濃度なので、長期の戦闘は無理だ。というか、俺がけっこう苦しい。
たぶん、イーゼルやコマドリも同じだろう。皆、顔色が悪い。
ここで戦闘していると、俺たちはもっと体力を失うことになるだろう。それは危険だ。それにここまで助けに来る人なんかいない。もし皆が倒れても、レスキュー出来る者はここまで来れないだろうし、こちらからお世話になることもできないのだ。
自分たちの命は自分たちで監督するしかない。
それだけ危険な場所にいるのだ。
「ルルチェ、この先はどう行くんだ?」
「えっと、この先にはつり橋があるわ。それで対岸の岸壁まで移動が出来る」
「そうか」
「この辺までは、たどり着いた人もけっこういたみたいね。つり橋の先はまた、さらに危険地帯になっているみたいよ」
「これ以上の危険って何だ?」
「その先に洞窟があるらしいのよ。そこにはまた、別のコウモリモンスターの群れがいて、その洞窟を抜けないと、先には進めないみたい」
「こんな高いところで次々にモンスターと遭遇するのか‥‥‥」
「だからきっと、遺跡を探しに来た人たちが戻ってこれなかったことの理由なのよ」
「情報だけはあるんだな。先に進めば何が待ち受けているかってのが、先に分かっているなんてな」
「そこまで攻略した人がいるのよ。でも、シャーロット遺跡にまで到達した人はいない。そういうことよ」
「なるほどな」
俺たちは出来るだけ呼吸を整えると、先に進んだ。やがて、つり橋が見えてくる。
「あれがそうか」
「そう。つり橋よ。たぶん、昔からあるんだと思う」と、ルルチェ。
つり橋はロープと鉄の線の両方を使って作られていた。けっこう頑丈そうだ。てか、こんなところで強度に詰めを甘くして作られたら、こちらとしても困る。
つり橋は出来るだけ揺れないような構造になってた。強風でも吹かなければ大きく揺れることも無い。強度のあるつり橋だ。
まぁ、戻る時もここを通るのだから、つり橋が落ちてはたまらないしな。
無事につり橋を渡り終えた俺たちは、そこから先の洞窟を見つけ、入ろうとする。
「す、すみません。洞窟はやっぱりちょっと‥‥‥」と、言い出したのは暗いところが苦手なイーゼルだった。
「いや、ここ通れないと、山は抜けられないんだけど‥‥‥」
「で、でもわたし、ダンジョンとかこういう洞窟とかもですけど、ダメなんです!」
そうだったな。イーゼルはこういうところがダメで、怖がりだったな。
また説得しなくちゃいけないのか‥‥‥。
面倒だが仕方がないか。
俺はイーゼルの肩を引き寄せて、言った。
「勇気を出して。俺がお前を守るから。な?」
「は、はい」
赤面するイーゼル。
ちょっとキザだったか?でも俺は、ここで男を見せる。
「大丈夫だ。俺が必ず守る!」
イーゼルを説得した俺は、イーゼルのそばにいながら洞窟へと入った。それに続くルルチェとコマドリ。
洞窟は鍾乳石で囲まれている天然のトンネルになっていた。道は悪いがそれも仕方がない。俺たちは先に進む。
コマドリがずっと、天井を見ながら歩いた。
何気ない気配を感じているようだった。
そこからもっと先に行くと、ネバネバした粘液にまみれた足場に来た。
「気をつけろ。ここに何かいる」と、コマドリが言う。天井を見上げていた。暗くてよく見えないが、コマドリは忍者だ。暗い所でも敏感に目が利くのだろう。
確かにいる。これはお約束のコウモリ軍団だ。
「気をつけろ!」コマドリが叫んだ!
更新が少し遅れてすみません。感想やレビューなんかもよろしくお願いします!!