第七十六章・エルドアード山岳って、初心者でも登れるの?
インディ・ジョーンズのシリーズや、ハムナプトラのシリーズ観て、冒険活劇について勉強してます。
第七十六章・エルドアード山岳って、初心者でも登れるの?
その日の夜になって、列車は目的地のランドバール駅に着いた。
俺は列車に揺られて眠りこけていた。コマドリに起こされる俺。
俺たちはそこで列車を下りた。
「着いたのか?」
「ああ。もう遅いから宿屋に泊まるそうだぞ」
「そうか。じゃあ、翌日からエルドアード山岳に入るんだな?」
「そうらしい」
俺はコマドリの後に続き、先頭を行くルルチェに連れられて宿屋へと向かった。
* * *
〝腹が減っては戦は出来ぬ″ということわざがある。俺たちは宿屋の食堂へ行くと、たくさん食べた。食っても食っても食い足りない。食べられるうちに食べておこうという、越冬に備えたクマの心境だ。
「ちょっとリューイチ、食べ過ぎですよ」と、イーゼルが言う。
「次に向かうのは山岳地帯だぞ?俺は山男じゃないんだ。体力付けておかないと」
「それは分かりますが‥‥‥」
イーゼルはもともと胃が小さいのか、食が細かったので、食べる量も少なかった。
コマドリは腹八分目が普通。ルルチェは庶民の食べる料理に興味があるので、けっこう満腹感を感じるまで食べていた。
「エルドアード山岳ってのは、プロ向けの山なのか?」
「プロ向けって?」と、ルルチェ。
「この世界にはいないのか?その、登山家みたいな人は」
「ああ、そういうこと!いるんじゃない?でも、登山にあの山岳を選ぶ人はいないと思うけど」
「何で?」
「だいたい落ちて死ぬから」
おい!登山家が避けるような山登りを俺たちはするハメになったのか?
「それって、初心者にも登れる山なのか?」
「さぁ‥‥‥。わたしも行ったことないし」
「そんなんで大丈夫なのかよ?」
「わたしも小さい頃、山岳のふもとまではつれていてもらったことはあるんだけど、山に登ったことは一度もないし‥‥‥。行ってみるまでよく分からない」
「じゃあ、あともう一つ」
「何?」
「シャーロット遺跡ってのは本当にあるのか?何だか情報が不鮮明なんだが」
「伝説上はね。古代人が住んでいたといわれる、天空の神殿とその町の跡があるという話で、代々言い伝えがあるの」
「じゃあ、それを見た者はいないんだな?」
「というより、かつてそのシャーロット文明で生きていたという人の子孫が、下界にいることから、その存在の確認をしようとしてるワケ。でも、文明が滅んでから800年、その遺跡を見た者はいない。だから伝説なの」
「待て。それを確認して、地図に記してどうなるんだ?」
「いい質問!わたしたちでその遺跡を見つければ、何十年かのち、科学技術が発展して、人間も簡単に高いところまで行けるようになった時のために、その祖先であるわたしたちの行いで、遺跡の場所を研究できるための先駆けとなることが目的なの」
「それって、科学技術が発展してからじゃダメなのか?」
「まぁ、戦争したりするようなコトよりはよっぽど建設的なのかもな」と、コマドリが口を挟んだ。
「そうね。わたしたちは冒険者だから、冒険するのが仕事だしね」
「そうだな。ありがたいよな。こうして冒険が出来るのも、ダ・ガールの直属の冒険者をやってるからだしな」
「そういう依頼はよく来るしね」
「冒険者はもう流行らない時代だってのにな」
「冒険は人が夢を見るために、いいえ、夢を目指す限り、終わらないわ」
「確かにな。いちいち気遅れしてたら冒険者はやってはいけないしな」
俺たちは食事を終えると、解散した。
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