第七十章・魔族よりひどい人間もいるってことさ。
これからちょっと病院に行くので、少し早く更新させていただきます。宜しくお願い致します。
第七十章・魔族よりひどい人間もいるってことさ。
俺は転生者と対峙した。相手はルシフィーネ教の教祖様だ。でも俺は違う。冒険者だ。
「俺の名はリューイチ」
「ほう。俺は通称カンダタ。前世の名はタケシだ」
「日本人か!」
「そうだ!」
なるほどな。やっぱりルシフィーネに間違って死なせられた者か。
「お前はなぜ、前世で死んだんだ?」
「交通事故だ。それまでは高校に通う、普通の高校生だった」
「そうか。俺は心不全だ。まぁ、俺の場合、イジメられて不登校になった身なんだが」
「何だ、お前いじめられっ子だったのか?」
何だかカンダタは、笑っているように見える。
「イジメられることの何が可笑しい?」
「面白いさ。だって俺はイジメっ子だったんだからな。自称だが」
「何だと?」
俺の心をドス黒い気持ちが蔓延する。これが憎しみの感情?
「リューイチ、お前イジメられっ子だったのなら、俺に生意気な口聞くんじゃねーよ!」
こいつ、本物のイジメ野郎だ。
「タメ口禁止な?それに俺はこの世界が平和になってるというのは居心地が悪いんでな、女神ルシフィーネ様を敬い、尊び、俺にこの世界へ転生させてくれたあと、俺は魔族を支配させてもらうことにした。ここまではいいな?」
「いや、俺はお前を倒したくなったぜ」
「だーかーらーよ!タメ口聞くんじゃねーって言ってんじゃねーかよ、コラ!誰にモノ言ってるんだ、この‥‥‥」
カンダタは俺を不愉快に思ったようだ。まぁ、そうか。こいつにとって俺はいじめの対象になってもおかしくないような存在に見えるのだろう。
「ウルセー奴だ。俺がそんなに怖いのか、お前?」
おれはちょいと啖呵を切ってみた。
「貴様、こいつ、お前‥‥‥。誰に向かって口聞いてんだ?」
おお、怒ってる怒ってる。ホントにこいつはガチでイジメっ子気質だ。
「イジメは悪いと思ってやってるのか、え?タケシ」
「気安く呼んでんじゃねーぞ、リューイチ!俺はカンダタだぞ。それに俺のことを?お前″とか言うな!」
「お前なんか、〝お前″で十分だ、タケシ!」
「タケシ言うなって言ってんだろ、テメェ!それにな、イジメなんて、弱いからやられるんだよ。隙があるからイジメられるんだ。悪いのはイジメられる奴の方だ。原因はイジメられる奴にあるんだよ」
俺は怒りがこみ上げた。
「そうか。お前の理屈では、イジメられる方に問題があるという、アレか?」
「ああ、そうだよ。お前に問題があるからイジメに遭ったんだよ」
「イジメが原因で自殺する者がたくさんいても、イジメられる方に問題があるを理由に自殺する奴なんているか?」
「‥‥‥」
「お前の自慰行為のせいでイジメられる人がたくさんいても、お前は反省すらせずに、そのうち忘れて、自分の生活を楽しくリア充に過ごすんだろうな。それに引き換えイジメられて一生苦しむ者は、その苦しむことを原因に、気がおかしくなって、適応障害にでもなって、ドス黒いものを抱えたまま生きていくことになるんだぞ?」
「悲劇の主人公の屁理屈だな。しょうもねー」
「お前はたぶん、小学生の頃、給食の時に、配膳を無視して自分ばっかり美味しいものを自分の皿に勝手に盛って、それを自分だけたくさん食べて、それを注意したらそいつをイジメるって奴なんだろ!」
「ああ、そういうこともあったかもな。それがどうした?」
「〝それがどうした″って程度のことなんだろうな、お前にとっては」
「それが支配者なんだから、しょうがないだろ?」
「支配者とか、自分で言うな、このクズ野郎!」
「誰がクズだ、この野郎!」
「俺の能力はチートスキルなんだぞ?俺とやって勝てると思うか?」
「ほう、俺のルシフィーネ様からの贈り物は、この世界でもっとも最強である体術だ。俺とガチで戦いたくば、それ相応の力量をもって挑んでくるんだな!」
こいつは許すまじ!俺はそんなに残酷な男ではないが、これは無視できない。魔族相手でも、迫害をやめさせなければ、本当の平和は訪れない。
「じゃあ、俺とタイマンしろ、カンダタ!」
俺は一対一の勝負を申し込んだ。
俺は、あいつに勝つ!!
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