第六十五章・結婚式は盛大に!
ナショナルジオグラフィックって番組がケーブルで観れるんですが、すごく面白いです。こういうの私は好きなんですよ。
第六十五章・結婚式は盛大に!
カル・デール・エ・ポラリス姫は、結婚式のウエディングドレスを着て、チャペルにやってきた。カル・デールの王とお妃が見守る中、ダン・ルーエ王朝から来たダン・ルーエ・タ・トドス王子がポラリスを神前で待っていた。
聖歌を歌い、神に祈りを捧げ、滞りなく結婚式は進んでいった。
誓いの言葉とキスを終えたポラリスとトドスは、集まった人たちに感謝の言葉を述べた。
その後、大広間に移動すると、豪勢な料理が待っていた。
俺は余興のことを考えながら、適当に料理を楽しむ。さて、どうするか‥‥‥。
突然、広間に入って来たのは、例のエトカニア騎士軍団だった。いや、話にしか聞いてなかったが、連中を見た途端、俺はそいつらがエトカニア軍団だと確信した。
100人の甲冑集団だったからな。それに禍々しい雰囲気を醸し出していたのは、隠せないからな。
「あれがエトカニア騎士軍団か」
俺のつぶやきを聞いていたのか、イーゼルが、「あんな連中とわたしたちは戦うのですか?」と、こっそり言った。
「まぁ、余興だからな。手加減はするだろう。お互いに」
「でも、そんな雰囲気じゃないようですよ。何だか怖いです」
「確かにな‥‥‥」
「わたしたちに敵意を抱いているみたいですよ」
確かに、そう言われればそんな感じだ。
「相手が手加減してくれるという保証はありませんよ?」
「そうだな。でも余興だから手合わせ程度で済ましてくれるかもだぞ」
「リューイチには危機感が足りませんね」
「ほっとけ!」
「いきなり戦って、勝てると思いますか?」
「分からんが、大丈夫だろ」
俺はチートだから、心配無用だ。心配なのはイーゼルだ。
俺たちは、呼ばれるまで待った。そして、司会の人が、「この結婚披露宴も、かなり賑わいましたが、もっと盛り上がる余興を用意しています。冒険者様と我が軍最強のエトカニア騎士軍団とのお手合わせです!」
「オイオイ、本当にやるのかよ。俺はどのぐらいの力で相手すりゃいいんだ?」
エトカニア騎士軍団の団長が前に出てきて、俺たちに言った。
「お互いに戦いの世界に生きる者同士、遠慮はいらない。我々を本気で倒しにかかって来てくれて構わないよ」
「それは‥‥‥」
「まさか、恐れているわけではないのだろう、君は?」
いや、そういうわけではないのだが‥‥‥。
「じゃあ、剣は置いて、素手で」
「君は我々をナメているのか?我々は最強の‥‥‥」
「いや、それは分かっています。でも、こんな余興でどんな風に立ち回っていいのやら‥‥‥」
「もちろん、全力対全力だ!」
なるほど、この場で思いっ切り戦いたいというのだな。なら、手加減は無用。
俺はダ・ガールの剣を抜いた。
披露宴会場のど真ん中で、俺たちとエトカニア騎士軍団は向き合った。
会場にいるギャラリーは皆、壁まで下がった。
3対100か。
俺はコマドリとイーゼルに「殺すなよ?」と、小声で言った。
「ミサイル使ってもいいですか?」
イーゼルは魔導書を開いていた。戦闘モードか。
「風の魔法では吹き飛びませんね、あいつら」
「じゃあ、吹き飛ばせる魔法を使うことを許す!」
「では、ミサイル使います」
「うん、やれ!」
俺は派手に倒すことを許した。結婚式は盛り上がらなきゃな!
盛り上げてやる!
「いけ、イーゼル!」
イーゼルの得意魔法、ミサイル。
「ファイヤウィル!」
ミサイルがエトカニア騎士軍団に当たり、ドッカーンと広間で爆発が起こる。一気に三分の一の騎士が倒された。さすがに強力だ。殺してないだろうな?
残りの騎士が、俺たちに斬りかかる。
俺とコマドリの剣の腕を思い知れ!
俺はコマドリに教わった剣術を初披露した。細かい動きで相手をどんどん弾き飛ばしていく。面白いほどエトカニア騎士軍団の連中は、よく飛んだ。たまにはこういうのも、楽しいな。
俺は「俺Tueeeeeeeeee!!!!!!」と、叫びたくなった。
チートである俺には人間では絶対にかなわないのだ!
文字通り、結婚式を盛り上げてやったぜ。気分はサイコーだ!!
書くのに夢中で、更新するの忘れていました。スミマセン。