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第六十四章・戦いは結婚式の余興?

連休ですね。皆様はどうお過ごしでしょうか?わたしは小説書いてます。

第六十四章・戦いは結婚式の余興?



 カル・デール王朝の城下は賑わっていた。姫が結婚式を挙げるということで、姫から王女へと変わるのだから。パレードも行われていた。色とりどりのカラフルな紙吹雪が街にばらまかれている。盛大だな。


 この城下はエルフが多いな。店を出しているのはエルフばかりだった。

「何でこの国はエルフが多いんだ?」と、俺はルルチェに訊いた。

「ああ、ここは商業都市だし、エルフはいろいろなものを持っていて、この国に商品を売りに来ているんだよ」

「へー。じゃあ、エルフのほとんどは、商売のために外から来たのか」

「そういうコト!」


 城の前に来ると俺とイーゼル、コマドリとルルチェ、それにベアトリアースとエミリディアが、入城する。城の中を通された俺たちは、王女の間に来た。そこに座っていたのは、ルルチェのいとこのカル・デール・エ・ポラリス姫だった。ピンクのドレスが良く似合っている。高そうなドレスだ。胸元にはリボンが付いていた。

「ルルチェ、久しぶり!」

 ポラリスは、何にでも興味のある顔で、俺たちを見る。

「ルルチェ、何か変わったね。なんだか旅人くさい。そんなにここに来るまで道が悪かった?」

「あ、違うのよ。わたし、賢者になったの。わたしの後ろにいるのはわたしの仲間」

「へー。噂通りね。ルルチェは賢者様のところで修行していたって話は本当のことだったのね」

「そう。それと、冒険はまだ終わってないし」

「魔王がいなくなってから、冒険者は廃れていったと聞いたわ」

「わたしを冒険に連れて行ってくれたのは、この男の人、リューイチよ」

 俺は袖を引っ張られて前に出る。

「お、おい。俺は‥‥‥」

「この人が、この世界でまた旅をしていたリューイチ」

「いや、俺は‥‥‥」

「リューイチ、挨拶して。わたしのいとこのポラリスよ」

「あ、どうも。冒険者やってますリューイチと言います」

 緊張する俺。

 しかし、俺がルルチェを冒険に連れて行ったというのはちょっと語弊がある気がする。

 断ればギロチン刑だったのだからな。


「本日は俺たちのパーティーを全員、結婚式に呼んでいただいて、大変光栄です」

 挨拶ってのは、こういうのでいいのか?あんまりこういうのは得意じゃないんだけどな。


 さらに仲間をポラリスに紹介する。

「こいつは俺の最初の仲間、魔女のイーゼル」

「よろしく‥‥‥」

 イーゼルもこういうのは苦手らしい。もともとはおとなしい性格なので、こういう場面には不慣れだったようだ。

「こっちの女忍者はコマドリ。忍者刀と手裏剣の達人です」

 達人でいいのかな?コマドリもレベルが上がっているはずなので、少しは強いだろう。

「こんにちは。お招きに感謝します」

 頭を深々と下げるコマドリ。

「あと、えっと‥‥‥」

 魔族を普通に紹介してもいいのだろうか?


 ルルチェが続ける。

「後ろの二人が、魔族のベアトリアースとエミリディア」

「え、魔族?」と、驚くポラリス。

「大丈夫。二人とも知り合いだから」

「あなた、魔族をたずさえているの?それともダ・ガールの」

「最近ね」

「すごい!そちらの魔族さん、どちらかカル・デール王朝直属の魔族にならない?生活に不自由させないわよ?」


いきなり本題に入った!


 俺はちょっと感心する。興味本位にもほどがあるだろう。ウーパールーパーを初めて見た人の反応に見える。

「そう思って、連れてきたの。こっちのエミリディアが、カル・デールに興味があるみたいよ」

「そうなの?ここはいい国よ。実は魔族も城下の住んでるってお話も聞いたことあるし」

「えっ、魔族が?」

「角やしっぽを隠してるようだったらしいから、見た目には人間にしか見えない者もいるらしいし」


 このポラリス姫もちょっと大胆なところがあるな。魔族がいるって、サラッと言ってるし。それに自分の国のすべては雑にしか把握してないようだった。ほとんどが噂話だったのが、それを物語っている。


「この国のいいところは、エルフも魔族も、もちろん人間も対等に扱うってことよ。わたしの役目はこの国の公平さを管理することなの」


え?実はけっこうちゃんとしてるの?


「わたしは秩序と平和を望んでいるの」

 ルルチェが、「お父様に聞かせてやりたいわ。ダ・ガールでは貧富の差があって、それをどうともしないんだから」

「それはいけないわね。わたしが書簡を出してあげるわ」

「ありがと!」

「それで、結婚式では何を披露してくれるのかしら?」


何だ、その余興の芸を求めているような話は?


「それにしても、結婚式は午後だけど、思ったよりここまで来るのに時間がかかったようね?」

「まぁ、寄り道してたからね」と言うルルチェ。

 俺たちはエミリディアの方を向いた。バツの悪そうな顔をするエミリディア。

「まぁ、魔族が支配していた集落をわたしたち、いえ、ベアトリアースが率先してだけど、その集落から魔族を退けていたから、遅くなったんだよ。ホント、ギリギリに着いてゴメンね」

 その言葉に感銘を受けるポラリス。

「それは素晴らしいわ!人として、それを最優先にしたあなたたちは本当に勇気がある選択をしたのね?たとえ結婚式に遅れたとしても、そっちを優先したのは実に誇らしいことよ!」

「え、それで良かったのか?」と、俺は言った。

「結婚式が何ですか!それよりも冒険者として、結婚式よりも魔族の支配を止めることの方が、よっぽどすごいと思うよ」

 ポラリスは俺たちを気に入ったようだ。悪い気はしない。


「あ、それで結婚式の余興だけど、冒険者様、あなた方にはあなた方の戦いを見せて欲しいのです。ウチの王国が統べる騎士軍団エトカニアと戦ってみてくださいね、リューイチ、コマドリ、それにイーゼル」


ええっ?戦うの?俺たちが?


「エトカニアって何です?」

 俺は訊いた。

「エトカニアっていうのは、我が軍のもっとも優秀な騎士、総勢100人から成る選りすぐりの戦闘集団です。そこら辺の兵士など相手にならないほど強いんですよ。あまりに優秀過ぎるので、やられた騎士は即、火刑にしますので」


マジでそいつらと戦うのか?そんな物騒な余興は聞いたことがないぞ!

てか、今この姫は火刑とか言わなかったか?聞き違いか?


「火刑って、そんなに重い罰を課しているのですかね、ポラリス姫」

 俺は、恐れ恐れ、尋ねてみる。

「それはそうですよ。選りすぐりの騎士をこれだけ集めたんだんですから、最強を誇ってるんです。本来なら戦って死ぬのも辞さない者たちなのです。こんな余興で倒されるのなら、それは騎士ではありませんから」


 この世界の姫ってのは、どいつもこいつもこんなのばっかなのか?

ルルチェだけが異常なだけかと思ったわ。こいつもギロチン刑好きだからなぁ‥‥‥。

火刑とか、ジャンヌ・ダルクくらいしか知らないが、生きたまま火にかけられるというアレだ!

 まったく、姫ってのはホントにもう‥‥‥。



今日も明日も小説書き三昧です。疲れますが、なんとかやりますので、応援よろしくお願いします!!

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