第五十七章・旅は魔族と一緒に。
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第五十七章・旅は魔族と一緒に。
俺たちは久々に一堂に会した。広間のテーブルに座る俺たち。
「んで、誰だそのポラリス姫ってのは?」
俺はルルチェに回答を求めた。
「ポラリスはわたしより一つ下のいとこよ。聞いたところ、ダン・ルーエの王子と結婚するそうよ」
また新しい名の王朝が出た。どこだよダン・ルーエって?
「ポラリス姫ってのはカル・デールで、結婚相手はダン・ルーエか。覚えきれないな。俺もイーゼルと一緒で暗記が苦手なんだ」
「聞き捨てならないですね、リューイチ」
イーゼルが言った。お互い暗記は苦手だろ?
「ルルチェが俺たちも一緒にって王様に言ったんだが、俺たちのような王族でもない者も参列していいのか、ちょっと思うところはあるがな」
「わたしは他人の結婚式に出るのはやぶさかではないけどな」と、コマドリが言った。
「お前、ただの結婚式じゃないんだぞ?王族の結婚式だぞ?」
「結婚式というのは忍者の山でも普通にやってる。それはそれは質素なものだけれど」
「たぶん、規模が違うぞ。ホラ、俺とイーゼルが結婚するとかいう話があっただろ?その時も派手に準備してたじゃないか。あれの規模だ」
「なるほど!それは壮大だな」
ルルチェが俺たちに忠告した。
「いい?あなたたちはわたしと一緒に来るけど、品のある態度でお願いね。たとえ冒険者でも、それなりの品位は保ってほしいの」
「ああ。俺たちはお前の従者みたいな感じでふるまえばいいんだな?」
「まぁ、そういうこと。ポラリスは珍しいものに興味があるの。この時代に冒険者なんて珍しくて、あなたたちを歓迎すると思うわ。だからこそ気をつけてほしいの。あなたたちはわたしの仲間なんだから」
「でも、それってルルチェのメンツもかかてるんじゃないのか?」
「その通りよ!」
「即答しやがって」
「それと」
「ん?」
「ベアトリアースも一緒に行くことになったの」
え?なぜ、あの魔族のロリっ子が?
「魔族にも関心があるみたいで、紹介だけしておこうと思って」
「それはベアトリアースも承諾を得ているのか?」
「あとで話すわ」
「見世物かよ、魔族‥‥‥」
「ちゃんとダ・ガールに所属する専属の魔族ってことで紹介するから大丈夫!」
「そうなのか?」
「まだ、契約は交わしてないけどね」
「それ、重要じゃないのか?」
「今日、このあと話すわ。それに契約もする。だから心配しないで」
「ルルチェがそこまで言うなら‥‥‥」
「今回は州をまたぐから、馬車での移動になるから」
「まぁ、遠いなら馬車でもいいよな」
「ええ、手配はしてある」
「それにしても、魔族も同行とはね」
「ポラリスも魔族が来るとなったら喜んでくれるわ」
「ポラリス様はミーハーなんだな」
「リューイチ、ミーハーって何?」
「いや、忘れてくれ。まぁ、いいんじゃないか?お姫様の自由だ」
「ポラリスのこと言ってるの?」
「いや、お前だよ。ダ・ガール・フォー・ルルチェ姫!」
「わたしは今は、賢者よ」
「でも、姫でもあるだろ?お父様とのやりとり、聞いてたぜ」
「盗み聞き?」
「いや、お前に会いに行ったら聞こえたってだけだよ」
「ま、いいけどね」
それは俺がよく使う言葉だ!
前向きになる時に使うのが、その「ま、いいけど」ってやつだ。
ま、いいけどね。
そんなこんなで、俺たちはカル・デールへと向かうことになった。プラス魔族が一人。
続きの予定は夕方くらいになると思います。どうぞよろしく!!