第五十三章・剣術修行が必要だったな、忘れてた!
毎日たくさんのアクセスをありがとうございます!!読者の皆様に良いことがたくさんありますように!!
第五十三章・剣術修行が必要だったな、忘れてた!
ダ・ガール城に戻った俺たちは、王様に適当に説明した。中でもルルチェが率先して説明に尽力してくれた。
サンキュな、ルルチェ。
ベイカリーの森のことに関しては、何とか王様は理解を示してくれたようだ。
ダ・ガールとリタ・エールの共同事業は取りやめとなる書簡を出すダ・ガール。
これでいい。解決だ。
* * *
翌日、俺はコマドリに剣術を習うことになった。
コマドリは逆手持ちの忍者刀しか使えないので、剣の基本を習うことにする。
「リューイチ、いいか?そなたにとって剣とはどういうものか、まずは言ってみて」
俺は右手にダ・ガールの剣を持ち、その剣を眺めた。
「う~ん、剣か。剣を力で振って、相手に斬り込む。そういう戦い方ということとか?」
「40点」
「ええ?」
違うんかい!残りの60点は何だ?
忍者刀を正眼の構えで持つコマドリ。
「逆手持ち以外は疎いんだが、基本は同じだ。剣で大事なのは剣そのものではないんだよ」
「そ、そうなのか?」
体育の授業で習った剣道では、そういうことは全然教わってなかったな。
「では、剣とはいかに?それは武器の扱いより、身のこなしにある」
「身のこなし?」
「そうだ。剣を構える時はまず、立ち位置を決めることだ」
「立ち位置?」
コマドリは剣を構える時に、体を少しねじる様に足を出した。
「ほとんどの場合、剣は構える時に半身の姿勢になる」
「半身?」
「大事なのは剣よりもまずは、足の構えにある。じゃあ、やってみてくれ」
俺はコマドリの真似をして、足の位置を正確にしながら立ってみた。
「リューイチ、それではバランスが取れないぞ」
「え?は、はい!」
俺は足を肩幅ほどの位置で止めた。
「そうだ。それでいい。それにもっと腰を落とせ」
言う通りにスッと腰を落とした。
「もっと、ヒザでバランスを取るようなイメージで!」
「はい!」
俺はバランスを気にしながら立つ。
「そんな感じだ。それでは足でバランスを意識しながら動いてみろ!」
「はいっ!」
俺は動いてみる。
「腰を回すように、足の捌きで動くんだ」
「足の捌き?」
「ああ。足の運びとも言う。剣は足から出るんだ」
「そんなに足が大事なのか?」
「すべての武術や格闘技はそうだ。基本は全部、足にある」
そ、そうだったんか?
剣って腕でブンブン振り回すイメージだったんだが‥‥‥。
「剣法とは足で始まり、足で残心を取るものだ。分かったか?」
「残心って何だ?」
「心を残すと書く。相手を斬ったあとでも、まだ油断しないように、最後までキッチリ相手を見て、構えは崩さないということだ」
「な、なるほど」
カンフー映画とかでよくある、相手を倒したあとに、カッコよくキメのポーズを取っているアレか!あれってカッコつけてるワケじゃないんだ!!
あれを残心と呼ぶのか!知らんかった。
「まだ、それだけじゃないぞ。剣は攻撃にも防御にも対応できるように設計されている。剣を使う時に大切なのは、剣を攻撃と防御の一体でとらえることだ」
「難しいな‥‥‥」
「つまり、攻撃は防御であり、防御は攻撃につながるということだ。その攻防一体が剣を武器に変えるものなのだ」
「う~ん、分かったようなよく分からないような‥‥‥」
「まぁ、しばらくは剣を置いて、足の運びの練習を続けることだ。いいな、リューイチ」
「これの続きは?」
「あせるな。続きは足でも体捌きが出来るようになってからだ」
コマドリは厳しくも分りやすく教えようとしてるようだった。チンプンカンプンさは否めなかったが‥‥‥。
さて、じゃあ、動きの練習を続けるか!
足捌きの練習は、二週間以上続いた。
先は長いようだな。
冒険の時代は終わったとは思いません。これからも冒険を探していきます!!