第五十章・ウエルカム・トゥ・ジャングルって、別に招待されてないけどね!
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第五十章・ウエルカム・トゥ・ジャングルって、別に招待されてないけどね!
雨の降るジャングルの中を進む俺たち。
蒸し暑い。それに気分が悪くなる。
「もう、俺たちは敵の縄張りに足を踏み入れていると思う」
俺はそう言ったが、誰も聞いてないようだった。
「おい、みんな大丈夫か?」
俺は声をかける。
「大丈夫ですよ」
明らかに顔色が悪いイーゼルが、力なしに言ってくる。
ジャングルは見たことのない木や見たことのない葉っぱ、見たことのないキノコばかりが続いた。
行けども行けども、森は続いた。さすがにモンスターでもなけりゃ、住めないような環境だ。おそらく一万年ほどの歴史のある森なのだろう。原始的な森林だった。
それでも森の獣に出会うことはなかった。人間を避けているのか?
俺たちはもっと先へ進むと、獣道に出た。
これは動物の通った跡だな。
道なりに進む方が良さそうだ。こんなジャングルで遭難したら、ひとたまりもない。
「リューイチ、この道で合ってるのか?」と、訊いてくるコマドリ。
「たぶんな。ダ・ガールでもらったコンパスは、強力な磁場で狂ってしまってる」
「大丈夫なのか、本当に?」
「大丈夫さ!」
ちょっと自信満々に言ってしまったかもしれない。
あとになって違ってましたじゃ、怒られるだけでは済まないだろう。
さらに進んだ俺たちは、途中で休憩をはさんで、また進み始める。
「リューイチ、何か聞こえない?」
ルルチェが言った。
ん?
「聞こえるって何が?」
「ホラ、何かガサガサいう音よ」
「音?」
俺は耳を澄ませた。
確かに聞こえる。それも複数。何かが俺たちを囲んでいる。
「これは、森の精霊ゴブリンよ!」
現れたのは、確かに人型モンスターである邪悪な精霊ゴブリンだった。
俺は初めて見たのだが、勝手にああ、ゴブリンだ~と、悟った。
こいつらが人型モンスター?見た目より小さいな。
いや、違う。森を守る人型モンスターはこいつらじゃない。でも敵には変わりなかった。
「戦闘用意!」
俺は叫ぶ。
襲い掛かってくるゴブリン四体を、一人一倒で戦った。
俺は簡単に、一体のゴブリンをやっつけた。
コマドリもゴブリン相手に忍者刀で応戦して、倒していった。
イーゼルとルルチェは少し苦戦していた。ジャングルの中を逃げ回っている。
ああ、魔法を使うための呪文を唱えるヒマがないのだな。
俺とコマドリで、もう一体ずつ斬り倒していった。
「ヤバかったな」
「ヤバいどころじゃないわよ!こんな足場の悪いところで魔法を使うのはちょっとだけキツいのよ」
「すばしっこかったです。あんなに小さいんじゃ、物理攻撃もできないですし」
ルルチェとイーゼルが、それぞれ言い訳し出した。
「本当の敵はこいつらよりもっと強いと思うぞ。これしきでへこたれてたら、生きてこの森は出れない。そう思うぞ」
まぁ、ゴブリンの存在は意識してなかっただけ、油断していたが‥‥‥。
倒したゴブリンはコインへと変わった。
これでも数百リールにはなったな。
それにしても、この森は人型モンスターが住む森なんじゃないだろうか?
それじゃあ、ひょっとしたら……。
「どうも俺たちは、敵にとっては招かれざる客のようだ。そして逆に、殺して食べるためのエサとして招かれたと言うと正しいかもな。ようこそ、ジャングルへってトコか?」
その時、風を切るように素早い何かが、俺たちの体をかすめた。
来た!
この気配は、野生化した獣のような人型モンスターだ!!
殺るしかない。
最近は目を使い過ぎみたいで、目がしばしばします。目の疲れにはブルーベリーが良いとか。