第四百七十四章・全面戦争〈中編〉
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第四百七十四章・全面戦争〈中編〉
俺たちに襲い掛かってくるリヴァイアサンに向かって、トドスとガブリエル、スライ・ロトヴェキアの三人が、剣で向かい討とうとする。
「この化け物は俺たちに任せてくれ!」
騎士クラスの戦闘力を持つ三人は、リヴァイアサンにかかっていく。
頼もしいな。
こっちも他の皆で、魔王軍十万に対して大白兵戦を展開させるのは必至。
大戦闘は確実だ。
俺は聖なる剣を出した。
コマドリも玉鋼の剣を抜く。
ルルチェは魔法でバリアを張って、敵を寄せ付けないようにした。
魔王軍は大魔王エリーの「進め!」の一言で、走り出した。
ぶつかるのは当然だ。
雪原は互いの大群同士が激突する。
血は見たくない俺だが、白兵戦はこれまでで一番すごかった。
エミリディアとその部下の戦力も欲しかったが、魔族に魔王軍と戦ってもらうのは、いささか気が引けたので、呼ばなくて良かったと思う。
合戦なんて、戦国時代じゃあるまいし、ここは魔法や魔術も飛び交っていた。
敵もバリヤでガードしてるのが見えた。
俺は存分に聖なる剣で、魔王軍の連中を斬っていった。
それはコマドリも同じだった。
「敵さん、なかなか出来るのですね」
余裕な表情を見せる大魔王エリー。
「戦いなんて、わたしは初めてですよ。これが戦争なんですね。血がたぎりますわ」
俺は大魔王エリーに向かっていった。
「大魔王、覚悟しろ!」
俺は大声で叫ぶ。
「しゃらくせぇですわ」
と、大魔王エリー。
しゃらくせいって、女の子が言うのは妙な感じだな。
まぁ、大魔王なんだから、しょうがないな。
当然ぶっ潰して、平和をこの手にしてやる!
と、その前に大魔王エリーの周りには、強固なバリヤが張ってある。
あれを破らなければな。
聖なる剣でバリヤを打った。
さすがに壊れないな。
「エリー、俺はお前を斬る!」
「やってごらんなさい、愚者」
「愚者じゃない!それはこの世界に来た時の職業だ!いや、あん時も愚者じゃねーよと言いたかったが、今は俺は正真正銘、勇者だ。覚えておけ!!」
「自分で勇者と言うなんて、イタいですね」
「自分で大魔王なんて言うお前も、けっこうイタいと思うぞ?」
「わたしは正真正銘の大魔王ですから」
「ならけっこう。倒しても恨みっこ無しだな。この聖なる剣のサビになれ!」
「聖なる剣ごときで大魔王のバリヤが破れるとでも?魔王クラスなら効くでしょうけどね」
「大魔王は魔王を凌駕しているんだな?」
「そうです。魔王を倒したのは、かつての勇者とその仲間たち。大魔王たるわたしではありません」
「大魔王ってのは、そこまで強力な奴なのか?」
「あなたがバリヤを破れないのが、その証拠」
「なるほどな」
「このままバリヤを押しても、壊れないですよ」
「聖なる剣ではお前には敵わないわけか」
「その通りです」
聖なる剣は、バリヤを破れずに、刀身がポキッと折れた。
やはり折れたか。
「どうです?聖なる剣のサビはどうなりましたか?これが結果ですよ?」
「聖なる剣の強度はこんなものだ。でも、俺はチートなんだよ!」
「チートって何です?」
「俺は女神ルシフィーネにもらった最強の能力者なんだ。これを見ても、俺を買い被るか?」
俺は拳を振り上げた。
バリヤに一撃を加えると、バリヤにヒビが入り、パーンと割れる。
「これがチートってヤツだよコンチクショウ!」
あっけにとられる大魔王エリー。
「チート‥‥‥。これが?」
「ああ。目に焼き付けておけ。十秒後にはお前も昇天してるだろうがな」
俺は拳を再び振り上げる。
「わ、わたしを殺すのですか?」
大魔王エリーは、手で防御態勢になる。
「やめて!」
俺は拳を止めてしまった。
その隙に、エリーは俺の方に手を出し、呪文を詠唱した。
「バン!」
俺はその場から吹っ飛ぶ。
今の魔法は、前にイーゼルが使った魔法だ。
同じ魔法が撃てるのか?
雪原に倒れ込む俺。
立ち上がれる余裕はあったが、これはかなりのダメージだ。
拳を叩き込まなければ、大魔王は倒せない。
勝負はこれからだよ、あのアマ!
今日はここまで更新します。読者の皆様に幸あれ!!




