第四百七十三章・全面戦争〈前編〉
最終決戦です。
第四百七十三章・全面戦争〈前編〉
最後の戦いが始まる。
とうとうその日が来たのだ。
敵は十万。
どうする?
リヴァイアサンがこちらに向かってきてるところへに、俺たちの後ろに誰かが現れるのに気が付いた。
「元シア・ラースの騎士、ガブリエル参上!」
剣を持ったガブリエルが立っていた。
「来てくれたか」
俺はニヤリと笑む。
「セーラから手紙を受け取ったからね。魔王軍を片付けるんだろ?」
「ああ。手伝ってくれるか?」
「そのためにここへ来たんじゃないか」
「それもそうだな」
「援軍はもう、皆到着してるぞ」
「えっ?」
俺たちの後ろに、カンダタとレラが来ていた。
「二人とも!」
「来ましたよ。武道の達人が、戦う理由は人助けですから」
その理由に乾杯したいぜ!
さらにはトドス王子やダン・ルーエの海軍将軍トゥエル、女海賊リリー・プラド・ハモレミストも駆けつけてくれていた。
「あんたら!」
トゥエルは剣を抜いて、戦いに備えた。
「手を貸して欲しいと思ってね」
リリー・プラド・ハモレミストも、部下たちを連れて、雪原に立つ。
「わたしらにも戦わせてくれ」
トドス王子も剣士であるため、駆けつけてくれたのだ。
「ポラリスには言ってある。存分に戦って来いとね」
「サンキュ、皆!」
まだ来る。
山賊だったフラーヴァとその一味も、やって来た。
「借りを返しに来たぞ!」
マーガレット・ミシェルと元騎士のスライ・ロトヴェキアも推参してきた。
コマドリの先輩の薙刀使い、スミレも立っている。
人型モンスターのラブフもいた。
まだ来る。
プロコト砂漠でのエヴァ王女と、その部下の兵士たち。
ファティア・エミリア・プロコトと、その一味もいる。
さらには、タリル族の族長ミーシャと、その仲間もやって来た。
ダン・ルーエの陸軍将軍クリスティーナまでいた。
手紙でお知らせをした連中以外にも、まるで回覧板でも回したんじゃないかというくらいに、呼んでも無いのにやって来たメンツもいる。
援軍を頼んでおいて何だけど、どうなってるんだ、こりゃ?
まぁ、全員で魔王軍十万を相手に戦おうってんだ。
これだけ味方がいれば、互角に戦えるはずだ。
北から東から、西からも大多数の兵たちが、魔王軍を囲んだ。
ここで決着を付けるつもりらしい。
「皆、ありがとな!」
その時、イーゼルが狂鬼病の症状でうずくまった。
「大丈夫か、イーゼル?」
「はい、すみません。こんな時に‥‥‥」
イーゼルは苦しそうだ。
心臓がバクバク鳴っているのだろう。
不整脈になった様子だ。
有事の際にこれはマズい。
その時、イーゼルの後ろに現れたのは、リドアだった。
都合良過ぎるだろ!
「この子はわたしが診ます。あなた方は敵と戦って!」
「ホントにあんたは突然だな」
「都合が良過ぎるのがわたしのアイデンティティーです」
じゃあ、仕方ない。
イーゼルのことはリドアに任せて、俺たちは全面戦争だ!
来い、魔王軍!!
続きます。




