第四百六十九章・雪山を登れ!そして城へ入れ!!
今日から十連休ですね。
第四百六十九章・雪山を登れ!そして城へ入れ!!
未開の地にある雪山のふもとに来た俺たちは、山を登ることにした。
寒さで防寒着が必要だったので、途中で会った行商人から寒さよけの上着を買っておいた。
元勇者に会いに行くのか、魔王として倒しに行くか分からない目的だったが、ゴール地点は同じだ。
道なき道を歩いて雪山を登る俺たち。
「で、元勇者ってことは、ルルチェの師匠の大賢者様とは仲間だったんじゃないか?」
俺はルルチェに訊く。
「そうね。でも大賢者様は勇者のことは、50年前に世の中が平和になってから、一度も会ってないって言っていたわ」
「そうなのか」
「聖なる剣の持ち主の戦士は、けっこう前に亡くなったとか‥‥‥」
「それをアンジェリカ・プラットが剣だけ引き継いだのか」
「元勇者っていっても、人は変わるものよ。相手は新しい魔王ってことを忘れないでね」
「分かってるよ」
「魔王の城は、今は観光地になってるはずだから、人質がいないか気になるんだけど」
「どうだかな。そんなもの取らなくても、実力は強いんだと思うぞ?」
「それはそうね。それは大事なことだわ」
「理解が早くて助かるよ」
元勇者とは、もう言わないでおこう。
今は魔王なのだ。
てか、魔王が50年の歳月を経て、再び現れたということなのだ。
魔王がいないから冒険やめたなんて言ってられない。
冒険が始まるに等しいのだ。
俺はこの日を待っていたのだ。
戦える相手がいるということは、もう闇の中に光を見つけたようなものだ。
実際は物騒なことだが、魔王がいれば、俺たちは燃える。
新たなる野望を断ち切るために!
雪山を登っていくと、山頂には大きくて黒くて固そうな城がビンビンに建っていた。
これだけ聞くと下ネタだが、実際にそうなのだから、否定はしまい。
ここがグレン城だ。
ここに元勇者がいるのだ。
なんか、『ア〇と雪の女王』みたいな雪山の城みたいだが、ここから中に入れば、魔王に会えるってことだ。
魔王エイールよ、ここがお前の死に場所だ!
大きな扉を、俺とイーゼルが右側を、コマドリとルルチェが左側を押して、開けた。
堅固な造りだよ、まったく。
中に入ると、一階には誰もいないようだった。
何なんだここは?
「ホントにここが、魔王の城なのか?」
俺はルルチェの方を向いて訊いた。
「魔王なんて、討伐されれば、あとは住んでた城なんて、こんなものよ」
「ふ~ん」
特に納得はしなかったが、そういうものかと思った。
俺はもっと、世間を知るべきだ。
管理人くらいはいるのだと思っていたが、違ったようだ。
続いて二階を調べると、そこにも誰一人いない。
「魔王はどこにいるんだ?」
「魔王がいるとすれば、どう思う?探す場所はどこだと思うの?」
妙な問いかけだな。
「ああ、魔王はラスボスってわけか‥‥‥。それなら‥‥‥」
「らすぼすって何?」
ラストのボスキャラのことだが、通じないか。
「魔王の代名詞ってとこだよ」
「ふ~ん、ラスボスね‥‥‥」
「それより、魔王がいるのなら、最上階だろう!」
「その通りよ」
こいつは俺をバカにしてるのか?
俺はゲーマーではないが、こういうRPGゲームみたいなのは、どう考えても一番上に最強キャラがいるだろう。
知らないとでも思うのかオイ!
俺たちは城の最上階を目指した。
そして最後の扉を、俺たちは開こうとしていた。
令和をまたぐかもしれません。




