第四十六章・いつの間に結婚話がやってきたんだ?
調子崩してしまいました。少しペースダウンしようと思います。更新は続けますのでよろしくお願いします。
第四十六章・いつの間に結婚話がやってきたんだ?
ダ・ガール城では、盛大な結婚があると聞いた。何とそれは、俺とイーゼルの結婚式とか言われた。どういうことだ、それ?
俺は王様のところへ行った。
「あの、これはどういうことでしょうか?」
「ああ、リューイチ君。君はパーティーにいる魔女のイーゼル嬢を好いておると、ルルチェに訊いたもんでな。ダ・ガールが仲人になって、結婚式を行おうと思って準備中なのだ。いや、君に儂のルルチェはやれん代わりに、イーゼル嬢と幸せになってくれたまえ」
王様、ちょっと待てよ!
「いや、あれはルルチェが勝手に言っているだけで、本当は違うんですよ」
何で俺は、弁解みたいなことしなきゃならんのだ?
「いきなり結婚とかやめてくださいよ」
「いやいや、君は女というものが分かってないようだな。こういうことはすぐにやらんと逃げられてしまうんだよ?結婚は神聖なものだし、あの子も喜ぶだろうしな。それにダ・ガールが直接、冠婚葬祭を上げるのを無下にする気なのかね?」
いや、イーゼルに逃げられたら困る。一緒に旅をする仲間だからな。でも、今はそういうことじゃない!
「いやー、あの‥‥‥、それはルルチェの勘違いというか、そうですね、俺もイーゼルのことは好きというか、その、でも仲間なだけで、愛とかじゃなくて‥‥‥」
なんかいい訳っぽくなってるっていうか、言いたいことが言葉として出てこなくて、変なこと言ってるぞ、俺。
だいたい女子ってそこまで知らんが、女子に告白はしたことあるっちゃあるが、普通に振られてばっかだった記憶しかないが‥‥‥。あ、前世での話ね。
それにしても、ホント余計なことしてくる王様だ。
いちいちくっ付けないと気が済まないのか?
だいたい俺とイーゼルの間にはそんな恋愛感情などないはずだ。
そうだ、イーゼルに直接訊けばいいんだ。
俺は、イーゼルを王の間に呼んでくるよう衛兵の一人に頼んだ。
数分後、なぜか俺のパーティー全員がやってきた。
「おい、イーゼルだけで良かったんだぜ?」
ほら、コマドリが、「そなた、イーゼルと結婚するのか?」と、訊いてくるじゃないか。
違う違うと、俺は弁明する。
「ああ、わたしの冗談だったわね」と、ルルチェが言った。
「そう。そうだよ。それを王様に言ってくれよ!」
「イーゼルはどうなのよ?」
ルルチェ、それ以上訊くな!
「わ、わたしは‥‥‥」
「ん?」
否定しないが、肯定もしない。ちゃんと言えよ。
「わたし、リューイチが好きです!と、友達として!!」
なんか、否定してくれはしてくれたものの、逆になんかショックだぞ?
「じゃ…なくて、友達から始めるのが順序かなって‥‥‥」
「え?」
おいおい、俺ってそんなこと言われたの初めてだよ?
いつもだったら、いや、いつもとかじゃなく、前世ではよく、「矢島くんって、いい人そうだけど、男の人として見ると、ちょっとねぇ‥‥‥」とか言われて、逆に男としての魅力はゼロって感じでやんわりと断られてきたんだけど。
「なので、結婚とかそんなのは、まだ早くて。リューイチはいい人です。でもその、いきなり結婚はわたしもどうかと思います」
うん、それでいい。あいまいな発言だが、この結婚式の準備とやらを早々にやめてもらえれば、とりあえずは良いのだ。
「王様、というわけなので、ダ・ガールでも突然の結婚式というのはやらないでいただきたいのです。これは本当にすみませんが‥‥‥」
「しかしな。もうウエディングドレスも用意してしまったしな。儂にキャンセルしろというのか、今さら?」
この王様はまったく‥‥‥。
「分かりました。では、この穴埋めに何か要求してください。俺にできることであれば‥‥‥」
「ううむ、そうか。では、一つ頼みがある。ベイカリーの森へ行って、倒してほしいモンスターがいるんだが」
「モンスター退治ですか。それなら何とか」
ちょっとホッとする俺。
「実はこのダ・ガールと、話し合いで同盟を結んだリタ・エールとともに共同事業で密林開発することになったジャングルがあるのだが、ちょいと困ったことに、その森にはモンスターがいて、開発を邪魔する奴がいるのだが、討伐に行ってきてくれないだろうか?」
「はぁ、それでいいんですよね?」
「そうだ。頼むぞ、冒険者リューイチ君」
なるほどね。森林開発か。この世界でもそういうのあるんだな。この場合、森を残す方と、開発する方は、どっちが正しいのやら。
俺のいた、前世の世界でも、永遠のテーマになってはいると思うけどな。
まぁ、モンスター一匹くらいなら倒してきてもバチは当たらないだろう。
気は進まない任務だが、しょうがない。結婚式をやめさせる口実だしな。
「分かりました。ではその仕事を引き受けます」
嫌な予感がまた、プンプンするなぁ‥‥‥。
そして予感は的中するというのが、俺の冒険の流れなのだ。
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