第四百六十八章・イーゼルの不調で何か問題でも?
連休中でも執筆は続けるつもりです。
第四百六十八章・イーゼルの不調で何か問題でも?
いきなりだが、イーゼルは狂鬼病で不調を訴えて来た。
本当に急だが、これだけはどうしようもなかった。
イーゼルは胸を押さえてうずくまる。
「イーゼル、苦しいのか?」
俺はイーゼルの背中をさすった。
しばらく無言だったが、イーゼルは苦しい中で、深呼吸する。
「だ、大丈夫です」
「そうか。ならいいんだが‥‥‥」
「わたしが足手まといですみません」
「何を言ってるんだ?そんなこと思って無いぞ?」
「ご、ごめんなさい」
「まったく‥‥‥」
「でも‥‥‥」
「お前が悔やむことじゃない。頑張らなくていい。それだけだ」
「リューイチ‥‥‥」
「でも、お前はどうしてロードラの塔では‥‥‥」
「わたしはあなたに苦労をかけたくないからです」
「そんなことは無いぞ。俺は苦労なんて思ってない」
「ホントですか?」
「ああ。皆も一緒さ!」
ルルチェも、「わたしたちに何も出来なくてごめんなさい」と、謝ってきた。
「わたしもだ。まかり間違えれば、わたしだって狂鬼病にかかってたのかもしれないしな」
と、コマドリも言う。
「苦労かけたな」
コマドリは頭を下げた。
「そんな‥‥‥、わたしは病気になったから、悪いのはわたしのはずです」
イーゼルはまだそんなことを言ってきた。
「イーゼル、いい加減にしろ!俺たちは仲間だろ?」
「は、はい」
「苦しい時には俺たちに相談しろ。分かったな?」
「分かりました」
「で、今は苦しいのか?」
「えっ?」
イーゼルは自分の胸元を見た。
押さえていたところが、普通に戻っていた。
「だ、大丈夫みたいです」
発作が収まっているようだった。
「気にしなければ、放っておくと、その間に気持ちが落ち着くようだな」
「そうみたいです」
聞いたことがある。
気持ちを逸らせるだけでも、発作が気にならなくなる時があるというのだ。
もっとも、いつもそうであるということは無いらしいが。
でも、少しだけでも発作が気にならなくなるのなら、それに越したことはないのだ。
俺たちも狂鬼病について学ばなければならないな。
イーゼルの発作は、次第に消えた。
また発作が起こるような予期不安が、イーゼルの恐怖を割り増したが、イーゼルは気持ちを落ち着かせるように息をする。
やがてイーゼルの呼吸はゆっくりになった。
「もう大丈夫です」
良かった!
死ぬ病気ではないが、タチの悪い症状が繰り返す病だ。
これでもイーゼルは病気と闘ってるのだ。
これ以上頑張らなくてもいい。
「イーゼル、冒険は続けられそうか?」
「えっ?」
「あ、いや、辛いのなら、馬車で待っててもいいんだぞ?」
「そ、それは‥‥‥」
いずれ訊かれることだったのだろうな。
イーゼルを休ませたいのは事実だからだ。
「わたしは行きます!一緒に」
俺はうなずいた。
よし、とうとう魔王の城がある雪山の上へと、目指すメドが立った。
この旅の最後の目的だ。
魔王がいるという雪山へGOだ!
俺たちは先を急いだ。
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