第四百六十章・対アトマスフィア!!〈前編〉
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第四百六十章・対アトマスフィア!!〈前編〉
戦闘だと言ったが、アトマスフィアはダ・ガールの城下から三時間の距離にいるとのことだった。
斥候の一人が見つけてきたようだ。
敵は西側からやって来ているのが見えた。
俺とイーゼル、コマドリ、ルルチェは西へ移動していく。
「あれがアトマスフィアか。ホントに大気だな」
雲が空を覆っていた。
目が二つあり、口もあった。
口があるって、何か食うのか、あのモンスターは?
こういう時、波動砲でもあれば、あんな雲は普通に貫けるけどな。
あ、波動砲なんて知ってる方は、かなりのオッサンです、はい。
「最後の超級モンスターか」
俺はアトマスフィアの下へ行くと、奴を見上げた。
ホンマに空の上にいらっしゃるわ。
これ、どうやって戦うの?
届かへんがな。
訛っちまった。
俺は福岡人なんだがな。
まぁいい。
「イーゼル、魔法でどうにかしてくれ」
「えっ?」
俺はイーゼルに攻撃を頼んだ。
剣が届かないんじゃ、俺もコマドリもお手上げだ。
「奴はデカいぞ!」
見れば分かることを、俺は見上げて言った。
そうこうしているうちに、アトマスフィアの方から攻撃が始まった。
大雨だ。
いや、バケツの水をひっくり返したような、土砂降りだった。
雨は重かった。
これは呼吸に困る量の雨だ。
服着たままシャワーを浴びた方がマシだ。
「こいつ、こんな攻撃を‥‥‥」
愚痴るヒマがあったら、攻撃したい。
でも出来ない。
「イーゼル、出来そうか?」
「はい!風の魔法で竜巻を起こして、火の魔法を竜巻に乗せれば、相手に火の魔法が届きます」
イーゼルは詠唱した。
炎が空へ舞い上がっていく。
しかし、敵も風を起こして炎をかき消していく。
アトマスフィアは風も起こせるのか。
「ダメです。攻撃が相殺されてます」
イーゼルは一旦、魔法攻撃を中断した。
ダメか‥‥‥。
今度はアトマスフィアが、雷を起こしてきた。
電撃攻撃か!
俺は落雷を避けつつ、作戦を考える。
アトマスフィアって奴は、爆弾低気圧のようなモンだ。
と、言っても天気は自然のものなので、どうすることも出来ない。
考えろ。
考えるんだ!
そうだ、凍らせたらどうだ?
「ルルチェ、イーゼル、氷系の魔法で攻撃してくれ!」
その手があったよ!
ルルチェとイーゼルは、同時に氷系の魔法を使い、空へ放った。
アトマスフィアが凍る。
倒したか?
大雨が凍って、ヒョウとなり、俺とコマドリの頭に降り注ぐ。
痛い痛い!!
中二病的なイタいじゃないよ?
物理的に痛いんだ。
それでも俺は、剣を構え続けた。
戦いはまだ、続いているのだ。
読者の皆様に幸あれ!!




