第四百五十七章・軽くデートでもどうかな?〈前編〉
「ダイ・ハード」DVDで観ながら書いてます(笑)
第四百五十七章・軽くデートでもどうかな?〈前編〉
俺はある日、イーゼルと城下の街へ出かけることになった。
イーゼルにとっても良い気晴らしになるだろうと思ってだ。
街の噴水がある広場で待ち合わせをした。
まるでデートだ。
いや、デートだ。
男と女が出掛けるなんて、デートでしかない。
俺も気分がウキウキする。
ウキウキっていっても猿じゃないよ?
こんなつまらん冗談も熱く語れる想いでデートに臨む俺。
イーゼルが普段とは違う服を着て、やって来たぞ。
これからはデートタイムだ。
薄いピンクのワンピースに麦わら帽子の格好で、良く似合っていた。
「よう、イーゼル」
「どうも、リューイチ」
「久々に一緒に出掛けるな」
「はい!」
「じゃあ、行こうか?」
「ええ」
俺は男らしくエスコートしようと努めた。
さて、昼も近いし、『ガルーダの食堂』で食事でもするか。
おっと、その前にイーゼルの行きたいところへ行くのが筋ってモンだ。
「イーゼル、どこか行きたいところはあるか?」
「そうですね、可愛い物屋さんに行きたいです」
と、女の子らしい面を!
「じゃあ、行くか」
「はい」
イーゼルは明るい顔で、街中を歩いていく。
とても狂鬼病に冒されているようには見えないな。
病気といっても、心の病なのだから、見た目には出ないものなのだ。
きっとイーゼルも、予期不安に怯えることも少なくなったのだと思う。
イーゼルの要望通り、可愛い物屋さんといっていいのか分からんが、そういう小物やぬいぐるみがたくさん置いてある店に入っていく。
ホントに可愛い物ばかりの店があったのか。
まぁ、俺のいた世界でも、出身地福岡の博多キャ〇ルシティにも、そういう店があったな。
入ったことは無いが。
ひと通り店の中を見て回ると、俺たちは『ガルーダの食堂』へと足を運んだ。
店に入ると、セーラとクララがいた。
「おっ、お兄さん、魔女さんと二人でデートかい?」
デリカシーが無いのは女も同じか?
冷やかさないでくれよ、恥ずいから。
「お前らは二人揃って休日か?」
「そうだよ。今日はクララも連れて、この店に来たんだ」
「なぜこの店を選んだ?」
「ゾミースープをクララに飲んでもらおうと思ってね」
あのみそ汁か‥‥‥。
「まぁ、俺たちはテーブル席に座るから」
俺はイーゼルとテーブル席に座った。
「邪魔はしないよ、お兄さん」
「ああ。あ、それよりヴァーラントの時はありがとな!」
「ああ、今ごろ礼を言わなくてもいいよ。あの時にも言われたしな」
「そうだったか?」
「ああ」
まぁいいや。
俺はオムライスを注文した。
イーゼルは明太子スパゲティーを注文する。
明太子がこの世界にあるのかよ‥‥‥。
どこから入手できるんだそれ?
俺はそれがすごく気になってしまった。
読者の皆様に幸あれ!!




