第四百五十五章・最後のクレアスフィアはどこだ?
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第四百五十五章・最後のクレアスフィアはどこだ?
俺たちは、八つ目のクレアスフィアを持つ、アトマスフィアを探すために、緊急会議を始めた。
会議室の一つを使わせてくれたダ・ガールに感謝!
俺とイーゼル、ルルチェにコマドリ、あとベアトリアースやリエットにアビゲイルが出席した。
皆、俺の仲間だ。
信頼を持っている。
全員で話し合う場を設けたのだ。
「じゃあ、アトマスフィアはどう探せばいいのかを話し合おう」
司会進行は俺だったが、アビゲイルがいきなりその場を仕切り始めた。
「アビーに任せるのだ!アトマスフィアは雲の化け物だが、出現すると、大雨や雷などで攻撃してくるモンスターなのだ。危険なモンスターだということは、一応言っておくのだ」
こいつ、アトマスフィアに詳しいのか?
「知ってるのかよ、その超級モンスターの事を?」
俺はアビゲイルに訊いてみた。
「知ってるのだ!ア・レーアやクラ・ナーアでも、たびたび現れては災害を起こして去っていくことが多かったからなのだ」
「けっこう頻繁に現れるのか?」
「現れるところには現れるのだ。けっこうあちこちで目撃もされているのだからな」
UFOかよ?
てか、そんなに頻繁に出現してるらしいのに、俺はまだ見たこと一度も無いぞ?
「戦うにはどう攻略したらいいんだ、そいつは?」
「雲のモンスターなので、空から攻撃してくるのだ」
「なるほどな。飛行船の時と一緒か」
「リューイチたちは飛行船と戦ったのか?」
「ああ。結局はイーゼルの魔法しか相手には届かなかったんだがな」
「なら、魔法攻撃が一番良いのではないのか?」
その言葉に、俺とコマドリとルルチェは、イーゼルを見た。
狂鬼病に冒されているイーゼルを、戦いに参加させて良いのか?
いや、ここでイーゼルを補欠扱いされたら、イーゼルを失ってしまうことになる。
そう、補欠は辛いのだ。
少年時代に俺は、剣道サークルが草野球をしているところに参加したのだが、俺はすぐに補欠に回されて、俺より学年が下の奴ばかりが交代していたのに、結局試合が終わる時には、俺は一度たりとも打席に立つことも守備になることも無かった記憶がある。剣道サークルの指導者が、俺を一度も出さなかったおかげで、俺はベンチで座り続けるだけの存在になったのだ。あの寒空の中で、あの剣道の指導者め!今度どういう風に出会うか知らんが、会ったら地球から放り出すか、マグマに沈める。
空がいいか地下がいいか好きな方を選べコラ!
だから俺は、イーゼルを病気に冒されているからと言って、戦いの場には出さないという選択は無かった。
これは期待とは違う。
イーゼルは戦える。
いや、戦えなくてもいい。
のけ者には絶対にしないのだ。
それが俺の流儀だからだ。
いや、俺のパーティーはそういう間柄だからだ。
ろくでなしでもでくの坊でもない、俺は俺で、皆は皆なのだ。
「それにしても、イーゼル先輩が狂鬼病にかかってるなんて、わたしは信じられないですね」
リエットが言う。
「でも、イーゼル先輩はイーゼル先輩です!きっとアトマスフィアを退治出来ると思ってますよ」
俺はその言葉に、うなずいた。
「そうだ。この戦いの要はイーゼルだよ」
俺は言い切った。
読者の皆様に幸あれ!!




