第四百五十二章・イーゼルの体調
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第四百五十二章・イーゼルの体調
イーゼルは睡眠導入剤を飲んで、寝ていたが、朝の遅くに目が覚めた。
イーゼルがトイレに行った帰りに、宿の廊下で俺と出くわした。
「イーゼル」
「リューイチ」
互いの顔を見合わせる。
「調子の方はどうだ?」
俺は気づかいから、訊いてみた。
「ええ、今日は調子が良いです」
「そうか。なら良かった」
俺はイーゼルと、食事部屋に行った。
ルルチェとコマドリが一緒にブレックファストを食べていた。
ちなみに朝食のことをわざわざブレックファストと呼ぶのが、粋だと思って俺は使っている。
中二病?
うるせーよ!
俺とイーゼルも座って食事をとることにした。
「ルルチェ、コマドリ、おはようございます」
「うん、おはよ」
「おはよう」
ルルチェとコマドリは、気兼ねなく挨拶した。
「わたしのせいで、この宿に三日も四日も‥‥‥」
イーゼルのネガティブ発言。
まぁ、無理もないか。
「イーゼルのせいなんて、思って無いわよ」
ルルチェが言った。
「うむ。苦労は分かち合わなければな」
コマドリも言った。
「それで、今はどうなの?」
「はい、前は頭痛がしたり、眠れなかったり、手足がしびれたり、きつかったんですが、薬が合ったのか、今は調子が良いです」
イーゼルの顔色が良くなっていた。
前は青白い表情になっていたりしたのに。
「でも、心臓がバクバクする時もありますが、以前よりは落ち着きました」
それを聞いたルルチェが、少し心配する。
「それはおそらく、症状の安定期に入ったからじゃない?」
「安定期?」
「そう。狂鬼病の症状には波があると聞いてるわ」
「波‥‥‥ですか」
「つまり、良かったり悪かったりを繰り返すの」
「じゃあ、今は‥‥‥」
「まぁ、予期不安に怯えるよりも、気持ちをそらすのが一番よ」
「気持ちをそらす、ですか?」
「ええ。予期不安は気をそらすだけでも効果があるというわ」
「そうなんですか!」
「気持ちを一点に集中させていると、意識してしまうのよ。確か精神交互作用とか言ったかな?ずっと心を縛らせると、それがグルグルと思い詰めるループにはまり込んでしまうのよ。そうならないためにも、気をそらすのが、意識しないコツなの」
「ルルチェは博識ですね」
「賢者だから」
「そうですか。そうですね」
「戦いも旅の一つだけど、休息も旅の一つよ」
「ありがとう、ルルチェ」
イーゼルはルルチェに感謝した。
「さ、食事をしたら?」
「はい」
イーゼルは食事を始めた。
俺もイーゼルと一緒に食事をする。
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