第四百五十章・イーゼルのパニック発作と狂鬼病。
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第四百五十章・イーゼルのパニック発作と狂鬼病。
俺たち一行は、ジ・フォードにあるフリントロークの街へと、足を運んだ。
歩いていると、急にイーゼルが苦しみだした。
狂鬼病だ。
パニック発作に耐えるイーゼル。
「イーゼル、薬は?」
「カバンの中です」
俺はイーゼルのカバンを開けた。
途端にルルチェが俺をどかして、カバンの中を漁る。
「何だよ?」
「女子のカバンを男が漁っちゃダメよ。パンツとか生理用品が入ってるんだから」
俺は赤くなった。
そうだな。
女子のカバンは漁っちゃダメだ。
以前、というか生前、キャンプに行った時に、俺は女子が巾着の中からティッシュペーパーみたいのを取り出しているのを見たが、その女子が、慌ててそれをしまう場面に遭遇したことがあるが、あれはおそらくそういうものだったのだろうと、思い出していた。
でも想像しちゃう俺は変態かな?
いや、男子はそういうものだから、キモイかもしれないが、ここは赤裸々に語っておこう。
それにしても、狂鬼病か‥‥‥。
治るといいのにな。
そう思うのは当然か。
イーゼルが抱えているものは、俺にも分かるぞ。
分かるんだけど、これは何度も言うが、心の病気なのだ。
いや、イーゼルが心が弱いというわけでは無い。
狂鬼病にかかるというのがそういうものだというだけのことだ。
治療法は見つからず、病にかかった人は、訳も分からず苦しむ。
たまに、精神の病気は心の病気だから、病は気からという奴がいるだろう。
要するに気持ちの問題だと。
それで治るのなら、そんな病気は元から存在しないことになるし、医者もいなけりゃ病院も薬も無いことになる。
本人の気持ちの問題?
そんなわけない!
これだけは言っておこう。
メンタルの病気は脳の中の神経の病気であるし、それに特効薬があるわけでもない。
従って、気持ちでは絶対に解決しないのだ!
それを俺は知っている。
イーゼルもそれで苦しんでいる。
だから、イーゼルを足手まとい扱いなどしないんだ。
そして、イーゼルの発作がひどい時には、ゆっくり休ませてあげる。
決して怠けているわけでは無いのだから。
見た目にはそう深刻そうには見えないから、ただの根性無しと言われることもあるが、責めるなら病気を責めて、その人本人は責めないことだ。
今後イーゼルがどうなるのかは、まだ分からないが、こんなに苦しんでいるのだ。
俺はイーゼルとともに、これからも生きてやる!
それが俺に言えるヘタレなりの言葉だ。
分かったかコンチクショウ!
って、誰に言ってるんだ俺は?
まぁいい。
ちょっと熱くなっちまったな。
冷静になって、これから宿を探してイーゼルを休ませよう。
ついでに俺も休もう。
疲れは癒さないと、気持ちが晴れないからな。
読者の皆様に幸あれ!!




