第四百四十九章・さらば、ボルケーノ!
更新時間に間に合いませんでした。すみません。
第四百四十九章・さらば、ボルケーノ!
イーゼルが氷系の魔法でボルケーノの火山口を凍らせた。
こいつには魔法が効きやすいな。
ルルチェのバリヤで、コマドリは火山弾を受けることなく、ボルケーノの左目のところまで来た。
「これでお寝んねしろ!」
コマドリは玉鋼の剣で、ボルケーノの左目を刺す。
「ぎゃああああああああ!!!!!」
再び悲鳴を上げるボルケーノ。
と、その時、すさまじい地震に襲われる俺たち。
「何だ?」
俺は体のバランスを崩した。
「危ねー!」
地震とともに、ボルケーノの凍り付いた部分を含む火山口が、大きな爆発を起こし、すさまじい噴煙を上げた。
その噴煙は、何千度という高熱を帯びた巨大噴煙となって、ものすごい勢いで俺たちに迫る。
火砕流だ!
俺が生前にいた日本では、火山大国だったために、しばしば火砕流噴煙のニュースも取り上げられていた。
それがあれなのか。
一秒間に百メートルくらいの速さで、追ってくるその噴煙を、ルルチェのバリヤが全員を包み込み、まともに噴煙を浴びるのを防いでいた。
俺のそばに虫の息のサラマンダーが転がっているのを、見つけた。
こいつ、まだ死んでないんじゃん!
だが、火砕流はサラマンダーを飲み込んだ。
サラマンダーの体はボンッと大量のコインに変わり、奴は完全に死んだ。
合掌。
てことで、もう一度ボルケーノに戻るが、奴は破れかぶれで噴煙をまき散らしているようだった。
なんてこった、これではいつ、ルルチェのバリヤが破られるのか分かったもんじゃないぞ!
俺はそれでも、どうすることも出来なかった。
「ルルチェ、持つか?」
「大丈夫!あと数十分くらいなら‥‥‥」
それって大丈夫なのか?
とにかく、ボルケーノの奴にとどめを刺さないといけないらしい。
「よし、俺がとどめの一撃を刺してくる。噴煙の中を通るから、ルルチェ、俺が受けるダメージを、あとで回復魔法で治してくれ!」
「分かったわ。死なないでよ?」
「こんなところで死ねないさ。俺が死んだら、誰が俺の寒いギャグにツッコみ入れるんだってんだ!」
「わたしたちはツッコみのために一緒にいるわけじゃないんだけど‥‥‥」
「そのツッコみに感謝!」
そう言うと、俺は一人、バリヤを抜け出し、噴煙の中をボルケーノの額の部分へと登っていく。
さすがに高熱だな。
チートでもダメージは避けられないか。
前がよく見えなかったが、アタリは付けてある。
俺は聖なる剣で、ここが急所だなと思うところに剣を押し当てる。
ブスッと剣が刺さった。
「ぎゃああああああああ!!!!!」
また同じような悲鳴が響いて、ボルケーノはコインに変わった。
山が一つ無くなったので、俺はその高さから落ちて、スタッと着地する。
コインの雨が、俺の頭に降り注ぐ。
カジノでラッキーセブンが当たって、コインが大量に出てくるような感じだなぁと思った。
そのコインに混じって、クレアスフィアが俺の足元に落ちて来た。
おお、ラッキーだな!
探す手間が省けたな。
さらば、サラマンダー。さらば、ボルケーノ。さらば、少年の日。
古い旅が終わり、また新しい旅が始まる。
さらば、銀河鉄道‥‥‥。
いや、もういいや。
このギャグ分かるヤツはオッサンだしな。
これでクレアスフィアは七個。
あと一つで集め終わる。
その前にひとっ風呂浴びて、休みたい。
俺は少々のダメージと、黒煙のせいで服が汚れてしまった。
まぁ、超級モンスターを二体も倒せたんだし、良しとしよう。
俺は仲間の元へ戻っていった。
読者の皆様には感謝しか無いです!!




