第四百四十三章・サラマンダーのところへ!
最近はコーヒーをたくさん飲むので、夜、寝られません‥‥‥。
第四百四十三章・サラマンダーのところへ!
俺たち一行は、宿を朝方に出た。
リドアはその前からもう、宿を出ていた。
イーゼルを診てくれたお礼を言うつもりだったが、あの人は朝に強い人だ。
またどこかへ診療の旅へ出たのだろう。
街の賑わう前に、俺たちは街を出る。
行き先はサラマンダーが最後に確認された、リーディアルの山だ。
「ルルチェ、ここからリーディアルの山までどのくらいの距離だ?」
「歩いて三日のところね」
「三日か」
「そう。山の上にいるらしいわ」
「超級モンスターか‥‥‥」
「初めて戦う相手ね」
「そうだな。でもリリー・プラド・ハモレミストでも、一体倒せたくらいだから、そこまで警戒しなくてもいいんじゃないか?」
「考えが甘いわね。超級モンスターってくらいだから、たった四人で戦って、勝てるかどうかは怪しいモンだわ」
「もちろん、油断はしないさ」
「リューイチは自分がチートスキルの持ち主だから、簡単に倒せるみたいに思っているところがあるわ、実際」
「そうか?」
チートスキルは当然だけど、こうして聖なる剣を手に入れたり、仲間のレベル上げに付き合ったりして、自分だけの力に酔っているつもりは、さらさらないのだがな。
あ、さらさらないってのは、ちょっとおこがましいか。
傲慢だな、俺も。
「サラマンダーを倒すには、俺の力だけじゃダメさ。氷系魔法が使えるルルチェとイーゼルが必要だ」
「そう言ってくれて、嬉しいわ」
ルルチェは戦闘になると不利だから、今まではあまり戦いに直接参加はさせなかったが、今回は違う。
ルルチェにも前線に出てもらうつもりだ。
サラマンダーという超級モンスターがどんな奴か分からないが、当然危険は承知のはずだ。
これもクレアスフィアを手に入れるために必要なことだ。
それはパーティー全員の問題でもある。
全員で力を合わせれば、きっと勝てるさ。
* * *
三日後、俺たちはようやくリーディアルの山へとたどり着いた。
普通の山に見える。
火山のようでもなかった。
こんなところにサラマンダーがいるのか?
俺たちは山道を見つけ、山を登る。
頂上付近に人影もモンスターの気配もない。
本当にここでいいのか?
「ルルチェ」
「わたしばっかり呼ばないでよ」
ルルチェがむくれた。
「いや、お前は賢者だしな。お前に掛かってるんだぞ?」
「言ってくれるわね。わたしも完璧じゃないのよ?」
「まぁ、それも込みで、お前を買ってるんだけどな」
「はいはい、それはどうも」
ルルチェは山の頂上から下を見下ろした。
「どうだ、ここは普通の山だろ?」
俺はルルチェに言う。
「そうね。普通の山だわ」
その言葉にズッコケるような気持になったのは、俺だけか?
「で、サラマンダーの奴はどこにいるんだ?」
「分からない‥‥‥」
「もしかして、間違えたとか?」
「いいえ、ここで合ってるわよ」
俺とルルチェが話していると、イーゼルが近くにあった洞窟を見つけた。
「リューイチ、ここにモンスターの気配がします」
俺たちはその洞窟に行った。
「ここが巣かもな」
俺は聖なる剣を抜いた。
「サラマンダーさんよ、ここで死んでもらう。さぁ、出てこい!」
俺は洞窟の奥に向かって声を張り上げた。
「そんなに俺に死んでほしいの?」
後ろで声がした。
全員が振り向くと、そこには全身炎に包まれたサラマンダーが、体をグルグル巻きながら、俺たちに声をかけてきた。
どっから現れた?
てか、そんなことはどうでもいい。
出現してくれてありがとう。
さぁ、楽しい戦闘をおっぱじめようじゃないか!
俺は意気込んだ。
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