第四百四十一章・リドアの診察
昨日はちょっと体調がキツかったですね。今日は午後まで寝ていました。
第四百四十一章・リドアの診察
再びパニック発作に襲われたイーゼルを、部屋に残して、俺たちは食料の調達に出た。
一応、ルルチェが心配して、イーゼルのそばに残ることにした。
買い物の間にも、俺はイーゼルを心配した。
「イーゼルのやつ、どうにかして治ればいいのにな」
つい言ってしまう俺だった。
「イーゼルのことは皆が心配しているさ」
コマドリがフォローしてくれるが、俺は納得していなかった。
「代わってやりたいよ。ホントに」
まぁ、口ではそう言うが、俺たちに出来ることは何もなかった。
買い物を終えて、宿に戻ると、イーゼルとルルチェが迎えてくれた。
「買い物ご苦労様」
ルルチェが俺とコマドリに言う。
イーゼルも椅子に座って俺たちの帰還を喜んだ。
戦争帰りじゃないんだけどな‥‥‥。
「買い物ありがとうです」
イーゼルは頭を下げた。
そんなに気を遣うなと言いたい。
「今日は目の色が良いな。前は魚の死んだような目だったのに」
俺はイーゼルの目を見て言った。
「そうですか。魚の死んだ目‥‥‥」
「あ、いや、そういう意味じゃないんだ。見た目の良さが変わったって言いたかったんだよ」
「そうですか‥‥‥」
しまった。
イーゼルにそういう言葉はNGだ。
俺は反省する。
「ちょっと俺、手洗いに行ってくるよ」
場の雰囲気が変わらない内に、俺は部屋を抜け出す。
実際に手洗いには行かなかった。
宿のロビーで時間を潰す。
その時だった。
宿の入り口から入って来たのは、旅の医師、リドアだった。
またこんなところで会うなんて、偶然にしちゃ出来過ぎてないか?
いや、さっきレベル確認して思ったんだ。
俺の運の良さは無限大だったのを忘れていた。
ご都合主義もまんざらでもなかったということだ。
「リドア!」
俺は声をかける。
「あら、冒険者さん。また会うなんて、奇遇過ぎるわね」
ご都合主義だからな。
俺の転生してからの利点は活かしてもいいはずだ。
女神ルシフィーネからのチート特典だからな。
「リドア、実は診てもらいたい子がいるんだが‥‥‥」
「ああ、ちょっと待ってね。チェックインしてから伺うわ」
そう言うと、リドアはカウンターへと足を伸ばした。
数分後、リドアのチェックインが終わると、俺はイーゼルがいる部屋へ、リドアを連れて行く。
「今度は何の病気なの?」
「ああ、仲間の一人が病に冒されているんだ。診て欲しい」
「急がなくても、わたしは逃げたりしないわよ?」
「まぁ、そうだけど、一応はな」
「せめて荷物だけは置かせてもらえないかしら?あ、でも医療道具はカバンの中だし、いいわ。もう、直接その子のところへ行きましょ」
リドアは荷物を持ったまま、イーゼルたちの部屋へ入っていった。
イーゼルのことは、医者に訊くのが一番だ。
餅は餅屋と言うしな。
診療をリドアに頼むことにした。
淡い期待を込めて‥‥‥。
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