第四百二十五章・オーガー退治のために鬼ヶ島へ!
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第四百二十五章・オーガー退治のために鬼ヶ島へ!
俺たち一行は、鬼ヶ島に向かって歩く。
ヤマトのクニの吉さんが、俺たちを案内してくれることになったので、一緒に行くことにした。
ガイドはいた方がいい。
「それにしても、これじゃ桃太郎だよ」
俺はつぶやいた。
「誰それ?」
ルルチェが訊いてくる。
「イジメられていた亀をって、これは浦島太郎か。じゃなくて、え~と、昔々、おじいさんが山へ芝を刈りに、おばあさんが川で洗濯をしていると、川の上流から、ドンブラコと大きな桃が流れてきました。それを家に持ち帰ったおばあさんは、おじいさんが帰ってくると、その桃を一刀両断ざっくりと、桃にとどめを刺すかのように真っ二つにしました。そしたら中から赤ちゃんが‥‥‥」
「まさか、真っ二つに?グロ!」
「違う!」
「だって、一刀両断したら真っ二つでしょ?想像したくないわ」
「いや、それが無事でね」
「一生分の運をそこで使い果たしたみたいね」
「違うから。とにかく、その子はすくすくと育ち、立派な青年になったとさ」
「男の子だったのね。赤ちゃんの性別を教えてくれないから、女の子かと思っちゃった」
「桃太郎って言ったろ!太郎が付く女の子がいてたまるか!」
「そんな名前知らないわよ」
「で、とにかくその青年、桃太郎は鬼ヶ島へ、鬼退治に行くことにしました」
「どうして?」
「さぁ‥‥‥。正義のヒーローだからじゃないか?」
「鬼退治に行く前からヒーローだったの?」
「そうなんじゃないか?トニー・〇ャーが「僕がやります!」って言って、タイ映画の『マッハ!!!!!!!!』の主役になったように、自分から名乗り出たんだろ?たぶんな」
「それで?」
「ああ、途中で出会った犬、猿、キジを仲間に連れて、鬼退治に行って、鬼を倒して、あ、今は倒すんじゃなくて、泣いて謝る鬼を許すんだっけな。それで宝物をもらって国に帰る、そういうお話さ」
「待って。犬、猿、キジが、何で一緒に連れて行くの?それで戦力になったの?」
「そうなんじゃないか?」
「どうして仲間になったの?」
「きびだんごという食べ物で買収したとか‥‥‥」
「なにそれ、美味しいの?命を賭けて食べるほどの価値がある食べ物なの?珍味?」
「知らん!俺も食ったことは無い」
「それに鬼を退治して、宝物を奪うなんて、略奪行為じゃないの?そこに正義はあるの?そこに愛はあるの?鬼だから倒すの?それって正しい行いだったの?」
「それも知らん」
だんだんメンド臭くなったな。
「とにかく、聖なる剣は俺の手に戻ってきたし、コマドリも玉鋼の剣を得たし、パワーアップは完了したわけだ。俺たちの鬼退治が、今、始まったわけだ」
「それでも、このままもらい逃げせずに、オーガーたちを退治にいくのね」
「当たり前だ!もらってトンズラするもんか!俺は腐っても冒険者だぞ」
「フフッ、冗談よ」
「頑張ろうぜ、鬼退治!」
「オーガー退治ね」
「そうとも言う」
俺たちは最強装備でオーガーを退治に行くのだ。
やってやろうじゃないか!
待ってろよ、オーガーども!!
俺は気を引き締めた。
読者の皆様に幸あれ!!




