第四百二十四章・ヤマトのクニ
今日は仕事に行ってきました。ふぅ、疲れた‥‥‥。
第四百二十四章・ヤマトのクニ
俺たちは山賊団の村を出て行くと、別の山を登った。
「あ~、頂上は気持ちいいなぁ」
俺は美味い空気をたくさん吸った。
「で、山の下に見えるのが、ヤマトのクニか?」
山の上から見下ろせるところに、海に面した村があった。
毒蛇の村は、小さかったが、この島の村は通常クニと呼ばれているのが多い。
「あそこまで行けば、強力な剣を造ってもらえるだろうな」
俺はコマドリに言った。
コマドリもうなずく。
「今後の戦いに必要な武器だ。いつまでもリューイチの剣である聖なる剣を使わせてもらうわけにはいかない」
「まぁ、そういうわけで、行くとするか!」
俺たちは山を下りた。
* * *
ヤマトのクニに入ると、どうしてか俺たちは、熱烈に歓迎された。
ムサシのクニとは違うようだった。
ムサシのクニではこんな人たちはいなかった。
皆、縦に長い人々ばかりで、昔の香港映画を観てるような気分になった。
それにここでは、女の人がクニをまとめてるみたいだ。
鋼のナタを持つ女性が、俺たちを歓迎してくれた。
「ようこそ、伝説のパーティー様。あなた方が来るのを長らく待っておりました」
伝説のパーティー?
「ここでは近くの小島に住んでいるオーガーたちの蹂躙に遭っています。それを退治してくれる者たちが現れるとの予言は実在したんですね」
は?
「あなたたちがそうなんですね?」
「あの、あなたは?」
「わたしはヤマトのクニの女王、イト・イヨ」
「イト・イヨ?」
何とも愉快な名前だ。
いや、それは別にいい。
「それで、どうして俺たちがそんな役目を?」
「このクニの業物である、玉鋼の剣は、小太刀ですけど、とても威力があるのです。これを使える者が現れるのを待ってました」
「玉鋼の剣?」
「これでオーガーを倒して欲しいんです。よろしく」
よろしくじゃねーよ!
いきなり来た俺たちに何を言うんだ?
「この玉鋼の剣を使い、オーガーを倒してください!」
それに反応したのは、当然コマドリだった。
「リューイチ、聖なる剣は返すぞ!わたしの新しい剣だ!」
「いや、話を聞いてたか?オーガーって奴を倒さなければならないんだぞ?」
「じゃあ、すぐに倒しに行こう!剣の試し斬りにもちょうど良さそうだし」
こいつの物騒なトコは、ルルチェ並みだな。
「それで、そのオーガーってのは、どんな奴なんだ?」
「鬼ヶ島という小さな島にいる、一本角のオーガーと、二本角のオーガーの二匹いるんです。ルエルガとザイアです」
「つまり、鬼ってことか‥‥‥」
「鬼なら、わたしの忍者の山でも伝わっている、伝説の怪物だな」
と、コマドリ。
「鬼ヶ島の鬼退治か。桃太郎じゃあるまいし」
俺は呆れた。
「でも、そのオーガーたちを倒せば、玉鋼の剣は俺たちの物になるってことか」
「そうです。剣はあなた方に差し上げましょう」
これは二つ返事でOKするしかないだろう。
武器が手に入るんだ。
条件付きだが、足りぬ話でもあるまい。
願ったりかもしれない。
「ではその、玉鋼の剣というのを、コマドリに渡してくれ。オーガー退治に行ってくるよ」
「コマドリとは、そこの女忍者の方のようですね?」
「ああ、そうだ」
「分かりました。吉さん!」
吉という名の男が、玉鋼の剣を持ってきた。
「これをどうぞ」
剣を受け取るコマドリ。
「さぁ、これで戦う準備は出来た」
俺は言った。
「でも、その前に、食べるものは食べなきゃな」
そう、食事を俺は要求した。
腹が減ってるので、そちらも歓迎してくれ‥‥‥。
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