第四十一章・本当にヤバかった、カルデッド島。
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第四十一章・本当にヤバかった、カルデッド島。
宮殿に着いた俺たちの前には、魔族の門番が二人いた。
先頭を歩いていたイーゼルが、宮殿の外観を見回した。
「リューイチ、ここには呪いの結界があるようです」
「呪いの結界?」
俺とリルエが顔を見合わせる。
「それってどんなもの?」
「これはルルチェのような賢者の分野かもしれませんが、わたしも魔女です。呪いには少しだけ精通しています」
「近づけないのか?」
「ええ。これ以上近寄れば、呪われます。呪われたら最期です」
「どうなる?」
「死にます。リューイチのようなレベル無限大でも呪いには勝てないでしょう」
「では、どうすれば?」
「ルルチェを呼んだ方がいいですね。結界解除の魔法に関してはルルチェの方が得意なはず」
「ルルチェか‥‥‥」
「わたしは本来、攻撃魔法が得意なので、呪いが消えれば戦えます」
「じゃあ、これ以上は進めないってことか。この宮殿にベアトリアースがいるのは確かかもしれんが‥‥‥」
「そうですね。結界の中に魔族はいると思いますから」
「ベアトリアースを倒さなければ、リタ・エール・ド・ドーゴンのところへは行けないな」
「そうだと思います」
「じゃあ、戻ろう。ルルチェとコマドリを連れてくるんだ」
「そうですね。戻りましょう。今はここは大変危険ですから」
俺たちは来た道を戻った。
怪しまれずにこの島を出るのは、ちょっと難しい。
町を通る時も、リタ・エール軍の兵隊たちや、魔族の類だと思われる奴らがけっこういた。ジロジロと、俺たちを観察する奴らもいる。
目立ってるな‥‥‥。
さて、どうしたものか?
「帰りの気球に間に合えば、島からは出られるんだけどね」
と、リルエが言う。
「それ以外でここを出る手段はないってことか‥‥‥」
「いや、一般の奴は乗れないが、貨物用の船があるはずだ。港に行けば‥‥‥」
その時、魔族の衛兵と思われる連中が十人ほど、俺たちの方に向かってやって来るのが見えた。
マズいな。敵は俺たちに気付いたぞ!
「走って逃げろ!」
俺はダ・ガールの剣を抜いた。
「足止めはしてやる!」
俺は剣で、敵に斬りかかった。
魔族十人と言っても、そんなに強い連中じゃないはずだ。
ズバズバと敵を斬りまくる俺。
ダ・ガールの剣はよく斬れるな。さすが、オリハルコニウム製。
まぁ、オリハルコニウムがどんな素材かは知らんが。
チートの俺には最適の剣だった。
ゴーレムの足も斬れたからな。
いい剣をもらったもんだ。
あっという間に全員を片付けた。
ヘッ、ざまーみろ!!
俺たちは逃げた。
「リューイチ、この先には分厚い結界があります!出られない結界です。わたしが呪文で結界を破りたいと思います」
「ああ。やってくれ!今しかない」
イーゼルは魔導書を開いた。「結界解除の魔法は‥‥‥」
そうこうしているうちに、また二十人くらいの敵がやって来た。
今度はリタ・エール軍の兵隊たちだった。
一振り五人として、四回振れば全滅させられる。
俺は、時間稼ぎに連中を薙ぎ払った。
兵隊たちはあっさりとやられていった。
「フン、俺はチートなのだ。覚えとけ!」
イーゼルが魔法の呪文を唱えた。
「クライエス・テン・ゲールドライド・ラン・パーゾン・クルテ!」
島を覆っていた結界が、ガラスが割れるようにヒビが入ると同時に全部が砕け散った。
分厚い結界は破られた。
「やった!」
リルエが叫ぶ。
「よーし、今度こそ逃げるぞ!」
俺は二人を連れて、先を急いだ。
その先は港だった。停泊しているナオ船が一隻あった。
「あれに乗り込むのか?」
「ああ。気球より速い」
間一髪、俺たちはその定期便に乗って、島からずらかることに成功した。
危なかったな‥‥‥。
最近はよく、コーヒーをブラックで飲んで、気を奮い立たせてます!!