第四百三章・深夜のG
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第四百三章・深夜のG
「別に何もしなくてもよろしいんですよ?」
フォルテが言った。
「でもなぁ‥‥‥」
「もうゴミ溜めの中で暮らしてるわたしたちバニー族なんですよ?」
「そうか‥‥‥。このゴミ溜めをどかしてやりたいが、俺たちだけじゃどうにもならない」
「ああ、そう言っていただけると、それだけでも嬉しいです。でも、このゴミ溜めはもう解決できないですよ」
「そうなのか?」
「はい。長年降り積もった雪のように、もうゴミ溜めは積もり切っていて、氷のように固まっているのです」
「それは解決しようにも、出来ない話だな」
「お気持ちは大変嬉しいのですが‥‥‥」
「そりゃ悪かった。スマンな、期待させるようなことを言って」
「いいえ。長年こうなので、わたしたちも諦めていますから」
まぁ、これはカピーナ・テュルユークのライフル密造工場と、ジ・フォードのせいなんだよな。
冒険者として助けたいのはやまやまなのだが、如何せん規模が大き過ぎる。
* * *
俺たちは村の空き家を寝床にさせてもらった。
部屋は二つ。イーゼルとコマドリが一緒の部屋になり、俺はルルチェと同じ部屋と、割り合った。
俺とイーゼルを同じ部屋にしたら、俺が変なことでもするんじゃないかと思っての部屋割りだった。
失敬な!
俺ってそういう評価なの?
まぁ、男は皆、狼だろうからな。
仕方ないか‥‥‥。
ま、ルルチェのような奴が同じ部屋の方がいいだろう。
襲ったりしたら、ギロチン刑だろうからな。
ダ・ガールはそう甘くない。
首が飛んだら最悪だし。
いや、クビが飛ぶというのは物理的な意味で。
* * *
夜も更けて、丑三つ時になると、暗い部屋で何かカサカサした音が聞こえた。
俺はその音に気づいて目を覚ます。
ルルチェも目を開けた。
「ルルチェ、何か聞こえないか?」
「聞こえる」
ルルチェはランプの火を付けて、部屋を明るくする。
何と、部屋中にあのGで始まる害虫が!
ルルチェはとても姫とは思えない声で、悲鳴を上げた。
「にぎゃ~!!」
やかましいな、Gぐらいで。
でも飛んだりしたら嫌だな。
隣の部屋でも悲鳴が聞こえる。
あっちもか‥‥‥。
しかし、パニックを起こすズッコケ三人女は、テンションが上がってて、部屋から飛び出していった。
ああ、これでまた、眠れない夜が来たよ。
まったく、Gが出るとは、この土地がゴミ溜めの中であることを、再認識した。
バニー族はいつも、こんなところで生活してるのか。
俺たちの知らないところで、何ということだろう。
俺は逃げた三人を追うこともせず、一人、部屋へ戻っていった。
この寒さなら、あいつらもすぐ戻ってくるだろう。
俺は眠いんだ。
さ、戻って寝よう。
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