第四百二章・バニー族の村は、ゴミ溜めの中?
SF企画、頓挫しました。次は何書こうかなぁ‥‥‥?
第四百二章・バニー族の村は、ゴミ溜めの中?
俺たちは、バニー族に案内されて、ゴミをどかしたところにある村へ連れて行ってもらった。
こんなところでも生活している人たちもいるのだな。
俺たちはもてなされた。
食事も出された。
「この辺、静かだな」
俺は食事をしながら、この辺りの環境を確かめるように、耳を澄ませた。
耳長族の女性が二人、俺たちのところへやって来た。
「初めまして、村長の娘、フォルテと申します」
この人も耳の長いローブを着ている。
もう一人、若い娘がお辞儀をした。
「初めまして、わたしはフォルティシモ。フォルテの姉です」
あのローブの下は、ウサギの耳のようになってるんだろうなぁと俺は思った。
「もてなしてもらって、ありがとう」
「いいえ。この村は訪ねてくる人が全然いなくて、あなたたちのような方は珍しいんですよ」
そうなのか。
まぁ、こんなゴミ溜めの中にある村に近づこうとする人なんて、ほとんどいないだろう。
「ここで生活してるなんて、大変だろう?」
俺はフォルティシモに訊いた。
「そうですね。わたしたちはゴミを寝床に廃棄物とともに生きてるんです。でも、ここから東の方に行けば、海に出ますし、海の幸には恵まれているんです」
「そうか。それで東に土地はあるのか?」
「海の向こうに大きな島があります。東国と呼ばれる和の国です」
和の国?
「そこに行くのに交通の手段は?」
「船が波止場から出てます」
「連絡便があるのか」
「はい。そこでは刀剣の匠の住むクニでして、この世界でも最強クラスの剣を造る場所として有名です」
「ほう!」
俺は興味を抱いた。
「和の国独特の鋼の刀剣が手に入ります」
ライフルよりは全然ファンタジーな感じじゃないか!
和風テイスト入ってるなんて、こういうのもまたオツだな。
「ファンタジーしてるじゃんか!」
「ファンタジー?」
「あ、いや、気にしないでくれ」
俺は苦笑いした。
「それで、剣を造ってくれるというなら、俺がコマドリに貸してる聖なる剣の代わりに、新しい忍者刀を造ってもらえるな」
「忍者刀?」
「ああ。コマドリは忍者なんだ。くの一って言うのかな?」
「くの一さんですか。それは珍しいお客人ですね」
コマドリは照れ臭そうに笑顔で答えた。
「コマドリ、良かったな。そこで新しい草履も一緒にもらうといい」
「ああ、そういえば草履も新しいのが欲しかったんだ。わたしだけ買ってもらえなかったからな」
「人聞きの悪い‥‥‥。お前だけ犬のフンを踏んでないからだろ?」
「運が付いたってやつか」
「そういう感じじゃないからな、言っとくけど。フンが付いて不運ですって方がしっくりくるな」
「不運か。リューイチは面白くないことは言えるのだな」
ほっとけ!
布団が〇っ飛んだ!みたいな、名ダジャレを期待するな!
「それで、一食一泊の恩で、俺たちは何をすればいい?」
「え?」
フォルテもフォルティシモも、キョトンとした。
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