第三十九章・ベアトリアース・フェルベって誰?
買い置きのDVDを観ながら書いてます。執筆が遅れて申し訳ありません。
第三十九章・ベアトリアース・フェルベって誰?
ダンジョンに崩壊というものはゲームや映画でも定番だが、これは本気でヤバイ!
そんな時、魔女のイーゼルが呪文を口にする。
「イエペリスタル・ホーマー・ザン・カルテギストーマ・レアレステル・リーマ」
俺たち全員、倒れているゴーレムも含めて、光り出した。
そしてダンジョンが崩れ落ちる時には、もう俺たちはそこにはいなかった。
これは瞬間移動の魔法か?いや、ダンジョン急速脱出の魔法だ!
気がつくと、俺たちは全員外の滝のそばの岩場にいた。
「すげぇ…。イーゼル、お前こんな魔法、いつの間に?」
「ただ魔導書を読んだだけですよ?でも成功してよかったです。呪文を読むときに噛んでしまってたら一巻の終わりでした」
「あ、そう?」
でも、感謝だ。
「助かったのか?」と、コマドリは言う。
「助かったみたいね」
ルルチェも周りの景色を見ながらそう言った。
* * *
ルルチェはゴーレムにヒーリング魔法をかけて、俺に斬られた足を治していた。
「ありがとう、あたいの友達まで助けてくれて」
リルエはルルチェに感謝した。
「いいのよ、このくらい」
「ダンジョンは崩れてしまったがな」と、コマドリが言う。
「でも、みんな助かってよかったな。イーゼルがいてくれて良かった」
俺も感心した。そうだな。今回はホント、イーゼル万歳だ。
リルエの話の続きを再び聞いた。
「軍事支配されているカルデッド島は、3年ほど前にリタ・エール軍がやって来たのが始まりなの。島の天然資源の搾取が目的だったらしいけど‥‥‥」
「リタ・エールなら俺たちにとっては敵じゃないぞ。俺一人でも全滅させられるぜ?」
「それだけじゃないのよ。リタ・エールは、食いっぱぐれた魔族たちを兵隊にしている。その頭領の名はすなわち、ベアトリアース・フェルベ」
なんかまた気味の悪い名前が出てきたぞ‥‥‥。
「リタ・エール軍のリーダーはドーゴンなの。リタ・エール・ド・ドーゴン。そいつが今は島を治めているわ。そいつは人間」
「つまり、ドーゴンってやつが、魔族を連れて島を占領しているということか」
「そう。魔族もトロールや呪術師、魔法を操る連中が、ドーゴンの下で働いてる」
「人間の下で働く魔族か‥‥‥。それは強敵だな」
「あんたたちはレベルでも互角には戦えると思うの。でも本当に汚いのは人間だから」
「分かったよ。じゃあリルエ、お前が島を案内してくれ。俺とイーゼルだけでは心もとない」
「父さん母さんを救うためなら何でもするよ」
「ああ。じゃあ行くか!」
「ベアトリアースは島に結界を張っているから、その結界を解いてもらってほしいよ」
「分かった!イーゼルがいれば大丈夫だろ」
俺とイーゼルは、リルエの案内でカルテッド島に行くことになった。
ルルチェとコマドリには、このドムブの滝で待機してもらうことにした。
* * *
この世界にも気球はあるんだなと感心した俺だった。
リルエのガイドで、気球乗り場に着いた。
「ここから、その島まで行けるのか?」
「そうだよ。唯一の渡島手段だ」
気球は一日に一本しか便がないらしい。
1500リールを払って、俺たちは気球に乗った。これで今日中には島に着くだろう。
定刻になると、気球は俺たちを乗せて、空へと上昇していく。
これでカルデッド島に行ける。
二時間後、雲の隙間から小さな島が見えてきた。
あれがカルデッド島か。
読んでくれる読者様に感謝しています!!今後もお付き合いください!!