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第三章・カッコいいとこ見せたいだけだよ!

朝起きるのが辛い……。まぁ、それでも続きは書きますけどね。

第三章・カッコいいとこ見せたいだけだよ!



 イーゼルと俺は、広い草原まで来た。ここはモンスターなどはいないだろう。

まぁ、いても俺は最強なのだから、全然怖くなんかないけど。


でも待てよ?


 俺って∞の数値しかないんだけど、その強さは自分では分からない。いっそ、モンスターの一匹や二匹でも都合よく出現してくれないと、どんなに最強なのか知ることはできない。

ま、平和が訪れたのなら、俺はこの能力を人に見せるのもあまり意味はないんだが。

どうする?


 そこへ、仲間になった、魔女のイーゼルが話しかけてきた。

「え~と、愚者さん?」

 

 違ぇよ!

 いや、ステータス的にはそうだけど。


「俺はリューイチって名だ。それに勇者だ。覚えとけ」

「自分を勇者とか偽る悲しい人間のリューイチ。あなたのレベルはいくつぐらいなんですか?」


 いきなり訊いてきた!しかも最初の悲しい人間って何だ?

いちいち俺、死にたくなるんだけど!

恥ずかしい。

てか、俺に腹斬らせる気かよ、この魔女?

介錯頼むぞコラ!

まぁ、別にいいけどな。


「俺の数値が気になるのか?」

「当然です。これから一緒に冒険するんですから」


 冒険……。世の中がこんなに、安息と平和を手に入れている世界だというのに。

やっぱ動乱のひとつでも起こらないかな?と、物騒なことを妄想してみる。

いや、そうじゃない。旅の仲間が質問してきたのだ。答えねば!


「まぁ、俺のレベルは無限大だがな」

「じゃあ、あなたのカードを見せてもらっていいでしょうか?」

「ああ、いいよ。ステータスカードね」


 ちなみに俺は、ステータスが載っているので、そのカードをステータスカードと呼んでいる。


「見ろ」

 俺は魔女に自分のカードを見せた。

「何ですか、この『∞』って文字は?」

「それが無限大という意味なんだよ」

「つまり、あなたはその年で無限大というスキルを身に着けているんですか?」

 イーゼルは当然、驚いているみたいだった。

そうだろう。この世界に無限大というレベルは存在しない。レベルMAXでも99までだろう。俺のレベルはさらにその先を行っているのだ。


「そうだよ。無限大なのさ」

「それっていったいどうやってそこまでのレベルに達したのですか?」


 えっ?


 いっぺん死んで、それが手違いで、女神から特典という形で与えられた能力だというのはどう説明すりゃいいのか………。


「ま、まぁ、俺には才能があったってだけかな。特に修行なんかしたことも無いし」

「それは納得できませんね」

「え?」

 魔女は少し怒ってるようだった。

「普通、厳しい修行によって、腕が磨かれ、強くなっていく。それも地道な努力で。それをすっ飛ばしてレベル無限大を手に入れてるってことですか?」

「ま、そうなるのかな?」

「信じられません。あなたは神なのですか?」

「いや、違うけど………」


 神って何だ?


「では、リューイチ。わたしと一度、勝負してもらえませんか?」

 

 この魔女、何か突然、妙なこと言い出したぞ?


「勝負かよ!」

「そうです。わたしの魔法と戦ってください。そしてその無限大とやらの実力を見せてください」


 本気か?でも仲間になったばかりだというのに、いきなり腕試しを提案してくるとは、このレベル3だったかな?その小娘が。厚かましいな。まぁいい。


「じゃあ、どう勝負すればいい?」


 仕方なく、俺は勝負を受けることに決めた。でも、最初の相手がモンスターとか魔族ではなく、初めての仲間で年下の女子とは……。


「わたしが持ち得る最強魔法をどうにかして無効化、あるいは防ぐか避けてみてください」

「よ~し」


 ここは広い草原地帯だ。俺とイーゼル以外は誰もいない。やってみるか。


「いいぞ、来い!」


 イーゼルは懐から魔導書を出した。そしてページを開く。

 

 え?魔法って呪文とか魔力を形に変えて出すものじゃないの?

 カンニングかよ?


 イーゼルは開いたページの文字を読み始める。

「トロニトログリセリン・ミスールズ・ブロウ・アウト!」


 突然、イーゼルの頭上にロケットミサイルが三本現れる。

「ファイヤウィル!」


ええ~。魔法って火炎とか電撃とか氷で攻撃するんじゃないの~?

何でミサイル?


 俺に向かってイーゼルが放ったミサイル三本が飛んでくる。

とっさに俺は、持っていた剣を抜き、一本目のミサイルを真っ二つにした。すぐさま二本目を手ではじいて弾道をそらせる。最後に三本目が俺に直撃した。


 草原の三か所でミサイルの爆発が起こる。食らったのは一本だけだ。あとは防御や回避で当たってはない。

ちなみに最後の一本のミサイルは、わざと食らってやった。当然自分の防御力を確かめたかったからだ。だが、俺は傷一つ負ってなかった。


 フッ、こんな程度か。ミサイル魔法、効かぬ効かぬ。恐るるに足らず!


「リューイチ、あなた、本当に本物のレベル無限大だったんですね?」

「だからそう言ったろう。どうだ?俺、カッコよくね?」

「カッコいいとかそういう誉め言葉はともかく、恐れ入りました。ヘタレにしか見えない顔で見事に上級魔法を退けるなんて」


 今、何か失礼なこと言われた気がするが、上級魔法って?


「あ、わたし魔導書を使えばレベル30ぐらいの魔法は使えるんですよ」


 …………。

 ってことは、カンニングすれば、魔法での攻撃力上がるってことじゃん……。


「でも、これで魔力値はかなり激減するので、連発は出来ませんが、ともかく今のがわたしの出来得る最強の魔法です」

「そうか。頼もしいな。せいぜい活躍してくれ。使い道もないだろうがな」

「卑屈ですね」

「うるせーよ。だいたい魔王いねーんだから、俺の最強も、君の魔法もあったって全然意味ないだろ!これからの人生、俺は真面目に考えてんだよ。何していればいいんだ、この世界では。冒険したって意味ないんだし」

「わたしはどっちにしろ、里を出たのでこれから独り立ちしていかないといけないんです。まずはこの世界で生きることですね」


 ああ、至極まっとうな意見をありがとう。生きていく……か。


 イーゼルは魔導書をしまう。

俺も剣を納めようとしたが、その時、二つの手裏剣が俺たちに向かって飛んできた。

俺は剣でそれらをはじいた。


「敵か?」

「いえ、そんなはずは……。こんなところにモンスターなんかはいないはずです」

「何言ってんだ、よく見ろ!こいつは忍者が使う手裏剣という武器だ。近くに忍者がいる」


 俺は遠くを見た。白い道着に白い袴のポニーテールをした黒髪の女が立っているのに気づいた。歳は十七といったところか。けっこう可愛い。

「あいつか!」

 俺は戦闘準備にかかった。と言っても剣を構えるだけだが。

その女は近づいてくる。そして、声をかけてきた。

「そなたらは誰?なぜ爆発魔法でわたしを攻撃してきた?」


 俺はそのセリフを聞いて悟った。さっきはじいたミサイルの一本が、あの女の近くで爆発したのだな。もし当たってたら死んでたかもしれない。


「我が名はコマドリ。忍者の山より冒険の旅に出た和術忍者!よくもわたしの日向ぼっこを邪魔してくれたな!愚か者が。この愚者め!わたしの忍者刀でちょん切ってやろうか?」


 何を?


しかしまた、厄介なのが出てきたな。俺は呆れた。

しかも、初対面で俺を愚者呼ばわりか。まぁ、いいけど。さて、どうしよう?



ちょっと変則的な魔法かなとは思ったんですが、ま、いいか。

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