第三百九十五章・散策中の悲劇
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第三百九十五章・散策中の悲劇
スガベスラの街の宿に泊まった俺たちは、朝までぐっすり眠った。
疲れが溜まっていたのだろう。
起きるのも遅かった。
遅めの朝食を取った俺たちは、街を軽く歩いてみることにした。
「カジノの街だからか、営業している店も、けっこうチラホラって感じだな」
俺は午前中の街の感想を言ってみる。
「公園が近くにあった気がするぞ」
コマドリが指さして言う。
その人差し指がさしている方向が、公園があるっていう場所なのだな?
俺たちはその方向へ行った。
確かに公園があった。
しかもかなり大きい。
午前中なのに、そんなに人はいなかったが、たまに散歩に来ている人には出会った。
中には犬を連れている老人もいた。
犬のフンの始末くらいはしているのだろうか?
俺は小学生の時、学校への登校時に、グループで登校をしていたのだが、犬のフンを踏んだ同級生が、そのまま俺の靴にそれをなすり付けて、えんがちょ呼ばわりされた上に、一緒のグループの全員から逃げられて、一人ポツンと犬のフンをぬぐって、トボトボ登校したことがあったが、それを今でも忘れていない。屈辱的な出来事だったからな。
嫌な目に遭ったぜ。
まぁ、そのことはともかく、犬のフンくらいはちゃんと始末した方が、ちゃんとした大人のすることであろう。
と、その時、イーゼルの足元に犬のウンコが!
「イーゼル、踏んでるぞ!」
危機的な状況だったことは、俺も認めよう。
イーゼルはすぐさま、足をどけたが、靴にはしっかりと犬のウンコがこびりついていた。
ああ、イーゼルが‥‥‥。
魔女が‥‥‥。
ぷ~んという匂いが俺たちの鼻を襲った。
これは一大事だ。
「イーゼル、その靴、洗った方がいいぞ」
イーゼルは何とも言えない顔で、落ち葉を使ってフンをぬぐった。
「残念です。こんなマナーのなってない人がいるなんて」
その意見は当然だ。
一体誰だ。
イーゼルに悲劇をもたらした奴は?
まぁ、犯人捜しするよりも、この悲劇を繰り返さないことの方が重要だ。
俺はイーゼルに新しい靴を特別に買ってやった。
ま、大した金額ではないので、別にいい。
お金は人生の新陳代謝。
使わなければ入ってこないし、入れば使うべき。
なので、お金も人間にとって大切な物の一つなのだ。
そういう教訓を得たのなら、災い転じて福となすってやつだよ、きっと。
犬のウンコが教えてくれたってのは、何だかなぁとは思うが。
今日は出掛ける日でしたが、休みました。