第三百九十二章・アルヴァーニャ・オルテガ
季節の変わり目ですね。体調は大事です。風邪など引かないように気をつけてください。
第三百九十二章・アルヴァーニャ・オルテガ
コンコンと、部屋のドアをノックする俺。
相手が返事する間もなく、俺たちは部屋へ入った。
奥に金勘定をする女がいた。
そのそばに、マーガレット・ミシェルとスライが立っていた。
「お前たち‥‥‥」
スライが俺たちの方に来る。
「いや、お前はそのままでいい。マーガレットも。俺たちはアルヴァーニャ・オルテガに話が‥‥‥」
そう声を掛ける間もなく、マーガレット・ミシェルが、俺たちに、「今は師匠にわたしたちのことを話してるところだったんだ」と言った。
アルヴァーニャ・オルテガは、俺たちを見た。
「君たちは冒険者か?」
「え?ああ、まぁね」
「今、この二人がダ・ガールへ行きたいと言ってきたところだ。君たちはダ・ガールの冒険者だろ?時代遅れな」
時代遅れで悪かったな。
それは女神ルシフィーネに言ってくれ。
俺のせいじゃない。
こうでもしないと冒険無いじゃないか!
冒険やめるぞコラ!
「この二人には、わたしの護衛を務めてもらいたいんだ。だから、ダ・ガールへの亡命は認めない」
そうキッパリと言うアルヴァーニャ・オルテガ。
「アルヴァーニャ様、わたしたちはギラギラしたこの世界から離れたいんです」
マーガレット・ミシェルが、声を高くして言った。
「ダメだ。ここにいろ。その騎士崩れもここで雇ってやるから」
「そういう問題ではないのです」
「わたしに拾われて、育ててもらった恩を忘れたか?」
「そ、それは、感謝しています。でも、もうそろそろ自分の人生を自分で歩んでいきたいのです。このスライと一緒に」
「騎士崩れか、こんな男、どこで拾って来たのやら。イケメンだが、残念な顔をしているぞ」
察しがいいな、アルヴァーニャ・オルテガは。
てか、ツッコむのは次の機会にしよう。
「あの~」
俺は手を、恐る恐る挙げた。
「何だ?」
アルヴァーニャ・オルテガは、俺の方に目をやった。
「ここって、ちゃんと申請はしてあるカジノなのか?どうも違法臭くて仕方が無いのだが」
「違法?今どき申請有りで運営しているカジノの方が珍しいぞ」
違法って認めちゃうんだ。
「ハイ、わたし悪くないです。皆やってることですから」的な言い分をありがとう。
「カジノの無い世界などあり得ん。ギャンブルを違法とするなら、どこで道楽を満喫すれば良いのだ?」
「言い分はもっともだが、前例があるからそれを後ろ盾にして、自分も乗っかるなんて、良くないでしょう?」
「クラブ、クスリ、賭け事、売春。それらはどんなに摘発しても、無くなりはしないのだ。もっと大人になれ、冒険者」
そういう理屈か。
「なら、あんたが賭けるのが命なら、ここで戦ってもいい」
俺は啖呵を切る。
「命を賭けるか、面白い!ではロシアンルーレットといこうじゃないか!」
アルヴァーニャ・オルテガは、机の引き出しから、連発式の拳銃を出して、テーブルに置いた。
何でロシアンルーレットがこの世界にあるんだ?
「おい、そのリボルバー拳銃、どうした?」
剣と魔法の世界に似つかわしい物じゃないぞコラ!
ここはツッコませてくれ。
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