第三百九十一章・スライ・ロトヴェキアとマーガレット・ミシェル
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第三百九十一章・スライ・ロトヴェキアとマーガレット・ミシェル
俺はスライに話しかけた。
「スライ、こんなところで何をしているんだ?」
「いや、マーガレットの奴が、ここの街を仕切っているアルヴァーニャ・オルテガという人物の部下だったらしいので、挨拶をしに来たのだ。アルヴァーニャ・オルテガは、ここのカジノを牛耳っている者らしいんだが、マーガレットの育ての親のような存在らしいんだ」
「マジかよ」
「マジらしい」
「そもそも、どうして暗殺者のマーガレット・ミシェルの育ての親が、カジノを運営してるんだ?」
「暗殺者?ああ、カピーナ・テュルユークを狙ったあのことか。確かにマーガレットは、あの時カピーナ・テュルユークの暗殺をしようとしていたが、あれはライフルに金を掛けた人たちが、一時期この街でもたくさんいて、そのせいで売り上げが落ち込んだ日々があったらしい。だから、暗殺を企てたアルヴァーニャ・オルテガが刺客として、マーガレットを送り込んだんだ」
これでマーガレット・ミシェルの素性は分かってしまったな。
「そういうことか。懇切丁寧に教えてくれてサンキュな!兄弟」
「いいさ、兄弟」
いつの間にか、兄弟呼ばわり。
「スライ、お前もさすらいの用心棒なんだろう?ここに身を落ち着けるのか?」
「いや、俺たちはダ・ガールにでも亡命しようかと思っている。そこで小さな一軒家でも建てて、平穏に暮らすつもりだ。騎士の職を得てもいいしな。それか、商売でも始めるか、いろいろ迷っているところさ」
「そうか。いいんじゃないか?それもある意味で夢があって、理想の暮らしだと思うぞ」
「女嫌いだった俺が、女によって幸せを得ることが出来るなんて、人生は不可思議だな」
「そうか?あって当然な幸せって、あるものだと思うぞ?」
「まぁ、全部が全部、思い通りにはいかないし、想像と違うことがあったとしても、人生はどんどん変わっていくんだと、俺は信じている」
「そう思えるとしたら、お前は立派な奴だよ」
「それはありがとう。いや、『サンキュな!』というやつか」
「それは俺の使うセリフだぜ」
「そうだな」
スライはマーガレット・ミシェルに呼ばれたので、俺のそばをあとにした。
二人で大きなカジノの中へ入っていく。
あの建物にアルヴァーニャ・オルテガという元締めがいるのか。
俺とルルチェは、アルヴァーニャ・オルテガに、挨拶にでも行こうかと話した。
ルルチェがこの街にあるカジノを、違法カジノでは?と言ったのがきっかけだった。
挨拶代わりに、ちょっと下調べをしに、俺とルルチェでカジノの中に入る。
コマドリとイーゼルもついてきた。
中にはルーレットやカードで楽しむ連中がたくさんいた。
アレ?麻雀もあるじゃん!
どこの国の雀荘だよ?と、ツッコみたくなった。
俺は麻雀くらいなら出来るけど、そこは花札の方が得意だな。
いや、それどころではない。
ルルチェが違法性を感じたのなら、ちょっとアルヴァーニャ・オルテガに会いに行って、事の真相を暴くことも大事なのでは?
俺たちは、ダ・ガールからの調査団という名目で、カジノの奥へ通された。
さてさて、これもギャンブルかな?
吉と出るか凶と出るか。
読者の皆様に幸あれ!!