第三百八十八章・ここでロマンスかよ?
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第三百八十八章・ここでロマンスかよ?
俺は状況を把握してみた。
俺たちへの逆襲をしに来た元騎士のスライが、助太刀と称してやって来たマーガレット・ミシェルに、短剣をのど元に突き付けられている状態だった。
三つ巴にすらなっていない。
マーガレット・ミシェルは、スライを見た。
彼女の表情が変わる。
「なんてイイ男」
「え?」
俺たちは絶句した。
「あなた、イケメンですね!」
マーガレット・ミシェルは、短剣を下ろした。
「実はわたし、今、彼氏募集中なんです。あなたに恋に落ちました」
こんな時に何ふざけてんの?
マジかよ!
「わたしはマーガレット・ミシェル。復讐なんてやめて、わたしと一緒になりませんか?」
「な、あんたは?」
スライはマーガレット・ミシェルの顔を見る。
「あんた、よく見ると美人だな」
「あら、嬉しい!」
「俺と遠くまで行くか?」
「はい!」
ちょっと待て。
お前は女は嫌いじゃなかったのか?
「そのナリは騎士様なのですね?」
「ああ。俺はスライ・ロトヴェキア。元リタ・エールの騎士。今はさすらいの用心棒だ」
「まぁ、素敵!わたしも同行させて!」
「いいぞ。俺について来い」
「わたしを幸せにして!」
「ああ、いいぞ!」
いきなりラブロマンスかよ?
てか、いきなりだな。
ツッコみ切れない!
一体何が行われてるんだぁ~。
「じゃあ、行きましょう!」
「あんたの御心のままに」
スライは二本の小太刀を拾うと、マーガレット・ミシェルと一緒に草原の向こうに消えた。
何だったんだ?
まぁ、スライと戦わなくて済んだけど。
いや、戦うのは別に構わなかったよ?
でも、どうせ俺たちの勝ちは、目に見えていたし、あれで終わったのなら、それで一件落着というものだ。
良かったな、スライ。
もう、不幸な恋愛するんじゃないぞ?
それと、お幸せにな!
読者の皆様に幸あれ!!