表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
383/479

第三百八十二章・キャロライン・リパーの悪事

夕方からポツポツと雨が降ってきました。犬の散歩があるのに‥‥‥。

第三百八十二章・キャロライン・リパーの悪事

 

 

  俺たちは次の町にやって来た。ここはまるで、いかがわしい町にみえた。

 「この町は?」

  俺はルルチェに訊いた。

 「知らない町よ。でも地図には載っている。ここはラムダールの町ね」

 「町全体が暗くないか?」

 「そうね。こんな町は初めてだわ」

  ルルチェは町民に聞き込みを行った。

  一人の老婆がいたので、声をかけてみる。

 「こんにちは。わたしたち旅の者なんですが‥‥‥」

  老婆はくすんだ顔をした。

 「あんたたち、旅をしているのかい?こんなとこには来るんじゃないよ」

  老婆は俺たちを追い返そうとする。

「ここでは若い女が狙われるんじゃ」

「狙われる?」

 ルルチェが訊いた。

「何がどうして狙われるんです?」

 老婆は少し黙ったあと、口を開いた。

「ここでは旅の女を誘拐しているのじゃ。それで人身売買の商品にされておる。この町の女から、今ではここに旅で来る女を物色してるんじゃ」

「なんてことを!」

 ルルチェは驚いた。


 人身売買とか、俺のいた世界でも、どこかの国では普通に行われている犯罪だぞ?


 俺は、怒りを感じた。

 ルルチェもだろう。


 ここで放っておくルルチェではないのだ。

 俺もそうだからな。


 老婆は俺たちにいろいろ教えてくれた。

「この世界のあちこちから、旅をする女子を捕まえて、ポンカでクスリ漬けにしてから、売春を行っているのが現状じゃ。この町の娘もたくさん連れて行かれた」


 そりゃ、穏やかではないな。

 しかもポンカがらみかよ。


 まったく、どこまでもどこまでも、この世界は‥‥‥。


「よし、その組織を潰そう!」

「そうね」

 俺とルルチェの意見が一致。


 息もピッタリだった。


「コマドリ、イーゼル、お前たちも手伝ってくれ!」

 俺は二人にも同意を求める。

「分かった。それで連中はどこのどいつだ?」

「え?知らん」


 老婆が言った。

「キャロライン・リパーという女が仕切っているのじゃ。本人はキャロルと名乗っておるそうじゃが」

「キャロル?」

「犯罪組織の長じゃ。町の娼館がアジトなのじゃが、誰も手出し出来ないのじゃ」

「ど、どうして?」

「カピーナ・テュルユークという、女犯三羽烏の一人が後ろ盾に付いておるからじゃ」


 カピーナ・テュルユークだと?


「その女なら、俺たちが失脚させたぞ」

「え?な、何じゃと?」


 あの女、人身売買にも手を出してやがったのか。

 同情できないな、まったく。



ご感想やレビューも待っています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ