第三百七十六章・次の旅へと出発するか。
今日は天気が良いので、犬の散歩は楽になりそうです。
第三百七十六章・次の旅へと出発するか。
マーガレット・ミシェルは、ルルチェの回復魔法で傷が塞がり、一命を取りとめた。
「助けてくれて、ありがとう!」
彼女は礼を言った。
「ルルチェのヒーリング魔法は強力だからな。あっという間に回復できる」
ルルチェより、俺の方が自慢してしまった。
まぁ、ルルチェも褒められて、うなずいた。
「非戦闘員の人たちを外に逃がすために、ちょっと時間食っちゃったけど、工場の爆破は成功よ」
ルルチェ、それはイーゼルの手柄だろう?
「まぁ、なんとかなったし、良しとしよう」
「待て。わたしの忍者刀が壊れたんだぞ?新しいのが欲しい」
そう言ってきたのは、コマドリだった。
ああ、スライとの戦闘で壊れたんだったな。
「分かった。新しい忍者刀を手に入れるまで、この聖なる剣を代用しろ」
「え、いいのか?それはリューイチの剣だろう?」
「俺はまた、新しいのを探すよ」
「中古だが、その剣を使えるなら、わたしは本望だ!」
何気に中古とか言うな。
俺の手垢がそんなに気になるのか?
まぁ、俺にはチートスキルがあるから、武器を持っていなくても構わない。
腰が寂しいのが気にはなるが。
あと、手もな。
そういえば、もう一つ貰わなくちゃいけない物があったな。
俺はカピーナのところへ行った。
「おい、クレアスフィアを持ってるだろ?それをよこせ」
このセリフだけ聞くと、まるでカツアゲだな。
戒めるべし戒めるべし。
俺はカピーナのお宝グッズの箱の中から、クレアスフィアを出すと、俺に渡した。
「これでいいのか?」
「ああ。サンキュな。これで四つ目だ」
「それを欲しているとは、お前たち、まさかヴァ・ローオにあるロードラの塔に行くつもりなのか?」
「ああ。知ってるのか?」
「当たり前だ!かつての魔王が君臨していた頃に活躍したと言われる伝説の魔法使いのいるという塔だろ」
「それ、詳しく!」
俺はカピーナに訊いた。
「クレアスフィアを八つ集めし者、ロードラの塔に導かれしという伝説があるんだ」
「そうなのか?」
「そうだ。運命を司るという魔法使いに会いに行くとは‥‥‥」
「まぁ、俺たちは冒険者だからな」
「でも、魔王はいない」
「だからって、冒険やめたじゃ、格好つかないだろ?」
「そうか。そうだな!時代遅れの冒険者よ」
やかましい!
それでもカピーナは、俺たちに関心を持ったようだった。
「これから危険な旅が始まるだろう。気をつけて旅をしろ、冒険者!」
「ああ」
俺たちはカピーナ・テュルユークの元を去っていった。
冒険の前に、新しい剣を探さないとな。
でも、まずは宿に置いてきた、アビゲイルを迎えに行ってからだ。
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