第三百七十五章・決着!
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第三百七十五章・決着!
「冒険者よ、お前たちはなぜ女犯三羽烏と呼ばれた我々を潰しにかかるんだ?」
カピーナ・テュルユークの素朴な疑問。
これに答えなくちゃいけないのか?
「ただ、そういう依頼がダ・ガールに来たからだよ」
「私情の範囲ではないということか」
「そうだよ。私情で思い出したが、用心棒のスライはなぜ、女嫌いなのに、あんたのところの用心棒になっていたんだ?」
「ああ、あの男か」
カピーナは、思い出したように言う。
「あの男は結局、年上の女が好きなんだよ。同年代の女にひどい目に遭わされたからな。あいつは不憫だ。女に泣かされるイケメン騎士など、残念にも程があるからな。拾ってやっただけさ」
「そうか。じゃあ、その聖なる剣を俺に返せ」
「いいわよ。受け取りなさい」
そう言うと、カピーナは聖なる剣の切っ先を、俺に向けた。
「こっち側から受け取りな!」
「俺を斬るつもりなのか?」
「さっき見させてもらったが、銃弾にも耐えられる金属の体を持つお前とは、戦えない」
「そうだろう?諦めて、俺の剣を返してもらおうか?てか、何度言わせる気だコラ!」
俺はズボンのポケットに手を入れて、「ああん、コラ?」と、言ってみた。
「俺はスライより強いんだぞ、ええ、オイ?聞いてんのかアマ?オオ?エ?ア?」
ヤンキー的な態度で脅かすと、カピーナは「フン!」と言い、聖なる剣を俺に、投げてよこした。
それを受け取る俺。
やっと戻ってきた。
聖なる剣だ。
「それとな、この工場は破壊させてもらうからな。剣と魔法の世界で銃なんて使ってんじゃないよ。ファンタジー感が台無しだからよ」
「ファンタジー感?」
プロコト砂漠の時も思ったが、俺の理屈で、ファンタジーには極力、近代兵器は出させないようにしようと思った。
「ば、バカな!ライフルはジ・フォード王国への税みたいなものだ。ライフルの生産を止めたら、暮らしてはいけなくなる」
事情があるってのか?
でも、ライフルはこの世界では違法だ。
規制が掛かってるのだから、しょうがないのだ。
「残念だが、工場は壊させてもらうよ」
その時、ドカーンと工場の方で爆発が起こった。
あの音は、イーゼルの爆破魔法だ。
これでライフルの密造工場は終わりだ。
「あんたはここで失脚させてもらう。これで女犯三羽烏は全員、オダブツだ」
「オダブツ?」
「これで最期だってことだ。俺は仏教徒ではないがな」
「まだ、戦ってはいない」
「マーガレット・ミシェルの分の一発をお忘れか、カピーナ・テュルユーク?」
「マーガレット・ミシェル?あの、わたしを狙っていた暗殺者か」
「知ってるのか?」
「数回、狙われた。暗殺未遂だったがな」
「今はそこで転がってる。まだ無事だが、事と次第によっちゃあ、敵討ちって構図になるぜ?」
「おい、借り暮らしのスカーレット!」
こいつも借りパク暮らしをそう呼ぶのか‥‥‥。
「泥棒スカーレットな!」
しかし、スカーレットはもう、そこにはいなかった。
逃げやがったな。
まぁ、いいや。
「降参しろ、カピーナ・テュルユーク!」
「く、くそ‥‥‥」
俺は聖なる剣を、カピーナの首元に突き付けた。
読者の皆様に幸あれ!!