第三百七十一章・男一人に女三人の対決!〈中編〉
今日は友人と会う予定。次の更新がズレることがありますので、ご了承ください。
第三百七十一章・男一人に女三人の対決!〈中編〉
スライの攻撃力だけは凄かった。
長剣は重いが、その分威力はある。
スライの剣捌きは、イーゼルたちを追い詰める。
「くたばれ~、女ども!」
相変わらず女に容赦しない奴だ。
「イケメン騎士で通ってる俺を、あんな目に遭わせるとは、屈辱もいいところだ!」
自分でイケメンとか言っちゃったよ。
スライ、お前は複雑なんだな。
「極めつけは、俺をゴミのように振ったのに、ちょくちょくその後も俺の前をわざと通り過ぎたり、俺のそばに座ったり、挑発行為をしてきたことだぁー!!」
負の感情が女への攻撃力をさらに倍にさせてる。
「悲しい。悲し過ぎるぞ、イケメン!」
スライは表情がもう、イケメンではなくなった。
この戦い以上に、悲惨な経験をしてきたんだな、スライ!
頑張れ!
いや、この戦いの応援じゃないよ?
お前の悲しい恋愛経験のことだ。
もう、同情するしかないじゃないか!
この戦いには負けてもらうけど。
俺はスライの、長剣捌きをよく見た。
振りかぶる瞬間、あいつに隙があるのに気づいた。
「コマドリ!」
俺は叫ぶ。
コマドリは俺の表情を見て、察したようだ。
ともに剣を持つ者同士、阿吽の呼吸で伝わるようだ。
コマドリはスライの長剣の動きに注目して、攻撃をかわしながら、その隙を狙う。
「いざ!」
コマドリはスライの長剣の薙ぎを、ジャンプで飛びかわすと、そのまま長剣の鍔元を忍者刀で破壊した。
コマドリの忍者刀とスライの長剣が、同時に壊れる。
相打ちだ!!
スライは長剣を失った。
柄を手元に残しながら、「そんなバカな!」という顔をし、膝をついた。
「こ、こんな‥‥‥」
自分の嫌いな、女という生き物に負けるとは、とても残念な奴だな、あいつ。
それでもコマドリの勝ちだ。
いや、お互いに武器を失ったんだ。
痛み分けという形だ。
読者の皆様に感謝です!!