第三十六章・ものすごく狭いのにものすごく大きい。
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第三十六章・ものすごく狭いのにものすごく大きい。
俺たちは昼飯を食べながら、洞窟の前でイーゼルを説得した。
二時間かかった末に、俺がイーゼルにぴったりくっついて歩くことにすることで決着がついた。
ついにダンジョンへと入っていった。入り口は大きいのに、通路は思ったより狭かった。
イーゼルのちょっとした小さい火炎魔法をたいまつの代わりにして、暗い道を歩いていった。
突然イーゼルガ悲鳴を上げる。
「何だよ、お前。女の子みたいな声出して」
「そ、そこに骸骨が‥‥‥」
見ると、たくさんの人間の骨が散らばっていた。
ダンジョンには定番のオブジェだ。
怖がる必要はない。
いつの間にか、イーゼルが俺に抱きついている。
「お、おい。よせよイーゼル!」
イーゼルはそれでも離れない。どんだけ怖がってるのだろう。
「あなたたち仲いいわね」と、茶化すルルチェ。
コマドリも「不潔だな、ロリコン」と、言った。
ロリコンはやめろ。
「これじゃ先に進めない。頼むから体を放してくれ、イーゼル」
そう言いながらも、小さな体のイーゼルに抱きしめられて、俺はそのか細くて柔らかい女の子の感触と、良いにおいを感じてしまっていた。
「イーゼル‥‥‥」
俺はその状態でゆっくりと先を歩いた。狭いし暗いし、湿気もひどかった。でもちゃんと通路は石造りで整備されていた。
そういえば前にイーゼルが、世界中のダンジョンが攻略されているわけではないと言っていたことがあったな。ここはどうなんだろう?
まさか罠とかあったりしないよな?
慎重に歩くのは正解かもな。
俺たちはゆっくりだが、そのペースで歩き続けた。階段があった。地下へ降りる階段だ。
そこしか進む道はない。マップが欲しい。
これはもう洞窟ではない。地下迷宮だ。
誰が作ったのか知らないが、たぶん魔族のような知性と建築技術を持つような相手だろう。
先を歩くと迷宮らしく道が枝分かれしていた。
「どっちを行く?」
コマドリが「棒を立てて倒れた方向へ行くというのはどうだ?」
はい、却下!
「よく見ろ。左側の道に人間の死体がたくさんある。こっちが正解の道だ」と、コマドリが道を指さして言う。
「ん、なるほど」
「こっちに何かいる気がする」
あ、今のフラグ?
左の道の先にはつり橋があり、その下を川が流れていた。その先にはまた、トンネルがあって、そこを抜けると大広間のようなところに出た。
「何だ、この部屋は?」
この部屋の右の壁にはいろいろな壁画が描かれていた。彫刻もあるがどれも魔族のデザインのようだった。魔族の芸術だな。
「ここは広い!」と、コマドリ。
ルルチェも広間を見渡して「魔族の食卓だったようね。かなりの上級魔族の宮殿だと思う」と、言った。
そんなこんなで壁に気を取られていた俺たちは、逆の壁に気付かなかった。
突然、轟音が響き渡り、壁に沿ったロウソクに火が勝手に付き始める。
「な、何だ?こいつはいったい何なんだ?」
ルルチェとコマドリは戦闘用意をした。だが、俺にはイーゼルが震えながらくっついていて、戦いに備えることはしずらかった。
壁を破って出てきたのは、巨大なゴーレムだった。
「こいつはデケェ!!」
ゴーレムは恐ろしいほどに敵意を持って、俺たちを見つめていた。
ものすごく大きいのは体躯だけではないようだ。
とりあえず、このペースで頑張っていきたいと思います。読者の皆様、ありがとうございます!!