第三百六十八章・巨悪組織の手前で。
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第三百六十八章・巨悪組織の手前で。
俺たちは、スカーレットの小屋でケンブ・ジュニアと別れて、禿山に向かった。
相手はライフルで攻撃してくるだろう。こちらも飛び道具を使わなければならないのかもしれないな。
ケンブ・ジュニアが言っていたことも、一理はある。
でもまだここは、この世界は剣と魔法の世界なのだ!
剣は、今はコマドリの忍者刀が当てだった。
俺は今だけは、武器無しの状態だからな。
あと、飛び道具というわけではないが、イーゼルの魔法がある。
これはミサイルを始めとする、風の魔法や火の魔法がある。
イーゼルの魔法が要だ。
ルルチェはヒーリングやバリヤの魔法でカバーしてもらおう。
それで戦うしかない。
難儀になってきたものだ。
あとは俺のチートスキルに任せよう。
戦闘に参加しないわけにもいかないだろう。
カピーナ・テュルユークとは、まだ面識が無いが、おそらく強敵かもしれない。
この世界でのライフルはまだ見たことが無い。
それゆえに、危険度は高いだろう。
俺自身もライフルは見たことが無い。
そういえば、生前に俺は、中二病気質で銃の雑誌などをよく読んでいたな。銃に詳しい奴、イコールカッコいいみたいな、変な価値観にとらわれていた気がする。
前にも言ったが、もし学校にテロリストがやって来て、占領されたら、俺が銃を持って戦う的な妄想を、よくしていたものだ。そのための銃知識だ。
うん、ただの中二病だったな。
恥ずかし過ぎて、今はタイムスリップして、あの頃の俺を殴りたい。そして樹海の奥まで行って、土に埋めたい。
要するにあの頃をすべて消し去りたいのだ。
どこの世界に、銃の知識があるヤツがカッコいいみたいな、価値観があるというのだ?
思い出しただけでも、のたうち回って、頭を壁に何度もぶつけて、最期は死体が転がるわ!
そうこう思っているうちに、禿山の上まで来てしまった。
ライフル工場と居住スペースのあるような建物があった。
ここがカピーナ・テュルユークのアジトか?
俺は建物の近くで身を振り返す。
「みんな、これだけは言わせてくれ」
イーゼルたちが、俺の前で足を止める。
「どうしたリューイチ?」
コマドリが言った。
「どうしたのです?」
イーゼルも首をかしげていた。
「リューイチ?」
ルルチェも俺に声をかけてきた。
俺の真剣な顔に、皆、真面目な表情をする。
「死ぬな!それが俺の、唯一の言いたいことだ。以上!」
締めるところは締めた。
俺はポカーンとしている皆を置いて行くように、巨悪な連中のアジトへ足を踏み出した。
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