第三百六十六章・ケンブ・ジュニアに連れられて‥‥‥。
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第三百六十六章・ケンブ・ジュニアに連れられて‥‥‥。
俺たちはケンブ・ジュニアに連れられて、山を登った。
「ジュニア、どこまで行けば、そのスカーレットって子のところに着くんだ?」
俺は武器無しで、かなりソワソワしていた。
腰に何か物足りなさを感じる。
それはかなり辛いものだった。
いや、俺は一応、チートだから、素手でも強いんだよ?
実際、剣があるよりも強いと思う。
でも、剣は冒険者の証みたいなモンだ。
剣を使ってるとカッコいいしな。
だから、聖なる剣は、必ず取り戻すぞ!
伝説の戦士の剣だからな。
「スカーレットって子は、借り暮らししてるなんて、何者なんだ?」
俺はケンブ・ジュニアに訊く。
「スカーレット・オー・サハラって名だよ」
「何だその『風と○に去りぬ』の主人公みたいな名は」
「誰それ?」
「いや、気にするな。独り言だよ」
「会話の最中に独り言とか、紛らわしいよ、お兄さん。いや、リューイチ」
「悪かったな。それで、誰なんだ?」
「スカーレットのこと?生きるためにコッソリと、人の物を少しずつ借りて、生きてるんだよ。この先の小屋に住んでいる。商売相手がいるらしくて、よく鉄製品や火薬の類を借りていくんだよ」
「それって、借りて返す気はあるのか?」
「返してもらったことはないけど」
それを聞いて、俺は確信した。
泥棒じゃん、やっぱり!
泥棒スカーレットでいいじゃん、それ!
「じゃあ、その泥棒にとっとと剣を返してもらいたいモンだな」
「泥棒じゃなくて借り暮らしだよ?」
「いや、泥棒だ。勝手にコッソリ人の物を持っていくだけで、泥棒だ。貸した覚えはない」
「リューイチは細かいなぁ」
「こういうことは、ちゃんとしておかないとな!盗みは良くない」
「借りていくだけだってのに‥‥‥」
俺のアナルが小さいとでも?
いや、違うぞ!
戻ってこないのなら、借りパク、いや盗みだ。
「早く案内してくれ。そのスカーレットって子に会って、その子が持ってる物、全部持っていってやる。借りるだけってやつを、本人に存分に味わわせてやる!」
「ちょー迷惑な話だな、それ!大人げねぇ~」
少年に大人げないとか言われたぞ?
「大人ナメんなって意味でもある。これは制裁だよ!」
「ますます大人げない。それでも冒険者?」
「冒険者は何でもありなんだよ」
もちろん、冗談だったが、冗談には聞こえないとか言われてしまった。
いつもそうだ。俺が冗談を言うと、なぜか本気と捉えられてしまう。
冗談には聞こえないと。
そんなに俺の冗談って、本気に見える?
泣きたいわ、もう!
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